11 祭りです。
すっかり訓練が日常になっていた。
俺が朝起きて、訓練のためにさっさとノルマをこなすために開拓地に行こうとすると、
「どこへ行く? 今日は仕事は無いぞ。後スープに肉が入る。おまけにパンだって特別な奴だ!」
となんだかやけにテンションが高いカイザに言われた。
「え? なんで?」
思わず聞いてしまうほど俺は驚いた。この世界は土日休日は存在せず、スープに肉どころかほとんど具もなく、パンはパサパサしていて美味しくないのは俺にとってはすでに常識になっていたからだった。
いったい何が起ころうとしているのか世界の終わりかとビビったのだが、すぐに教えられた。春を前に行われるお祭りだった。
父親も驚いた口調で、
「そっか。忘れてたかぁ。うん。俺は毎日これだけを楽しみにしていたから忘れるなんて思いつきもしなかった。悪い」
「いや、なんかごめんなさい」
「謝る必要なんてないぞ。むしろ期待疲れしなくてよかったじゃないか」
俺は期待しすぎて疲れた、と父親は笑った。母は既に準備のために郷長の家に向かったらしい。
父親も「今日くらいは休んでいいだろ。とにかくあとでな」と言ってウキウキしながら出ていった。
家には俺と姉だけが残された。
「……何しよう」
呆然とした。
「困っちゃったね」
姉のマイアが困った口調で言った。それを俺は横目で見た。我が姉ながら綺麗な人だった。肌は白く顔立ちが整っていて目が大きくまつげが長い。しかも見ているだけで癒やされるようななんとも不思議な気配があった。あげくにまだ十二歳なのにどこか三十三歳だった嫁と同じような清冽な色気があるので、突然俺は密室に姉のマイアと二人きりであることを改めて意識してしまい、なんだか緊張してきた。
マイアも少し緊張している様子で顔が赤くなっていた。もじもじそわそわと自分の腕を撫でたり周囲を見回したりしながら、
「でも、姉弟ふたりって本当に久々……ってあれ? もしかして初めてかな?」
「……初めてな気がする」
「そ、そっか……」
姉は顔を赤らめた。
その妖艶さに俺はつばを飲み込んだ。
俺はこの美人と夜な夜なイチャついていたのだ。その事実に俺は俺自身に嫉妬した。幼馴染みが超絶美人でしかもなんか性的な接触をしている、みたいな感じだろうか。日本では兄がいただけで姉妹はいなかった。美人の幼馴染みもいなかった。
そこでハッと気づいた。これは浮気ではないかと気づいてしまった。この世界に来る直前、俺は遙香と結婚して、その際、神父を前に一生妻と添い遂げる約束をした。そんな俺が、一線は越えてないとは言え、遙香以外の相手とイチャイチャして本当にいいのか。俺の良心は痛まないのか。
三秒悩んで、でもそれは前世の話だから、という結論になった。
アルカスは俺じゃないもの。
俺はもじもじしながら聞いた。
「姉さん、な、何する? ……寝る?」
「え?」
「いや、暇だから夜まで寝床で--」
「い、いいけど……いいのかな。そんな時間の過ごし方……」
「いいも何もやることないでしょ、マジで。そもそも友達さえいないし」
この世界では普段から『遊ぶ』ほどの余裕はないわけで、子供同士も面識はあるもののそれ以上でもそれ以下でもなかった。
俺はマイアの手を取った。
マイアは首をかしげて考えてそれから、
「わかった。うん。アルカスも寂しかったよね」
マイアは俺を抱き寄せそれからギュッと抱きしめた。マイアの薄い胸が俺に押しつけられて歪んだ。
「アルカスがここでがんばってるって見てるし、外でもがんばってるって聞いてるよ。アルカスはほんとにすごい。姉として誇らしいよ」
「……あ、ありがとうございます」
「それにかわいいし……大好きだよ」
「ぼ、僕も大好きです……」
「ありがと」
マイアはもう一度俺を強く抱きしめ、それから俺の手を引いて、寝床に誘った。
この生活では基本的には寝間着などはなく、寝るときは全裸である。
俺たちは向き合って服を脱いだ。
それから、イチャイチャが始まった。
息がかかるほどに顔を近づけ、上気した目を見ながら手で相手の色んな場所をまさぐる。
両親がいない状態での乳繰り合いは初めてだったので興奮はいや増した。姉も同じようだった。
いつもより大胆に指を動かし、いつもより時間を掛けて様々な場所をまさぐる。
息が荒くなっていく。姉の目が濡れたように潤んでいく。唇が開き白い歯が見えた。
小さく声が漏れた。
いよいよ俺は指を激しく動かそうとした、次の瞬間、戸代わりの粗布がめくられて光が差し込み、心臓が止まるかと思ったほど驚いた。
俺とマイアは固まってそちらを見た。
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