表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/32

10 反省中。


      @


 反省している。


 考えなしにやるものではなかった。


 半日ほどぶっ倒れていたあと意識を取り戻した俺は郷の大人や里長や両親からたっぷり怒られた。こういうことはいきなりやるんじゃなくてちゃんと訓練をした方がいいと極めてまっとうなことを言われた。盗賊が蠢動しているらしく、鎮軍を呼んでいるので、その誰かに教わればいいと言われた。兵士はこういった特別な力を操る術を身につけているそうだ。ただ頭ごなしに怒鳴るという感じではなく、愛情に裏打ちされた叱責であり、俺は大いに反省を促された。


 叱られうなだれ地面を見ながら、同時に俺はこの力を絶対にコントロールせねばならないと思っていた。


 何しろ危険である。


 俺は郷への敵対的行動を前面で受ける立場である。


 狼程度ならなんとかなるが、あの森にはもっと強大な魔物と呼んでいいような獣が棲んでいると聞くし、それ以外にも、軍から脱走した強力な(スローン)持ちが盗賊となって襲ってくることがある。


 あの得体の知れない力を使わないとどうにもならないシチュエーションが必ず来る。その際、大物相手に使ってぶっ倒れて、そのあと意識を失った状態で小物にやられるとか絶対避けたい。


 そんなわけで俺は訓練を始める決心をした。絶対あの力を自分のものにする。

 瞑想するとあの力が見えるし、意識を強く向けるとある程度コントロールできる。その制御をよりスムーズに、より繊細に行うための練習だった。


 俺は父親に頼んで、開墾のノルマを決めてもらいそれが終わったら、残った時間を瞑想に当てた。だいたい午前にノルマは終わるので、午後はすべての時間を使うことが出来た。毎日毎日座禅を組み、俺の身体の裏側に潜む力を制御法を模索した。


 力は俺の意識に反応する。最初の頃はぎこちなかったが、瞑想を続けるとペットのように俺に慣れてきたのか、俺の意識に強く反応するようになった。


 不思議な感覚だった。


 俺の中にいるが、俺ではなかった。この力には別の意識が存在するように思えた。やはり守護霊的なものなのだろう。(スローン)は肛門と金玉の間にあるという。そこにいる守護霊、とは言ってもたぶん人間ではない何かが糸のような触手を伸ばして俺の裏側にみっちり入り込んでいるのだ。


 俺はひたすら瞑想し、その力を手懐けた。


 昼ご飯から夜ご飯までずっと意識を巡らして身体の中を自由に熱を移動させる訓練を続けた。


 夜になったら、それと合わせる形で身体の操作も行った。


 めちゃくちゃがんばった。

 訓練の間は集中し、周りからちょっと気味悪がられるほどだった。

 俺が瞑想しているのはなんだか郷中で有名になったらしく、見物まで来ていたという。だが俺は気づかなかった。


 それくらい集中していた。


 そして秋が終わり冬が来て何事もなく半年が経った。

読んでいただいてありがとうございます。ブックマークや評価をぜひお願いします。

応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ