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胃袋を掴む、軽トラ女子

お昼にコンビニおにぎりを3個食べたから、

今夜はミカン1個でやめておこう。


お酒もお休み、休肝日。

《これが……地上の、食べ物》

《なんてぇ、なんてぇぇぇ……》


サーデインは、私が作ったノコギリザメンチカツを手掴みで食べて震えてるんだけど。


「うぅぅぅぅぅまぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


「うるさっ!?」


思わず耳を塞ぐ。

危うくマイジョッキを落とすとこだった、あぶね。


《サンディさん、声が出ていますよ》


「これはしょうがないよ、ナビちゃん。だって美味しいんだもん。それに、人魚はヒト族より声が少ーし大きいだけで実害はないから。」


はぐはぐと頬張りながら、時折指をぺろぺろと舐めている。

ん?

人魚って熱い物平気なんか?

見た感じじゃあ、猫舌ではなさそう。


「サー……ンディ、このソースも掛けてみ。」


「ソース?この茶色いやつ?トロっとしてるわね。……複雑な味だけど、濃厚ぉ……。」


あーあー、お約束通りに口のまわりを汚してるよ。

あ、舐めまわした。


「ケーコちゃんに釣り上げてもらって良かったよぉ。こんなに美味しい物を食べさせて貰えるんだもん。」


「サンディは苦手な食べ物とかは無いの?」


「んー特に無いと思うわ。お魚も貝も海草も好きだし、お肉にも興味があるもん。あ、あとね甘ーいお菓子も食べてみたいの!地上に上がった人魚から聞いて、憧れてたのぉ。」


「んじゃ、明日の朝はホットケーキでも作ろうかな。アイス付で。」


「ホットケーキ!アイスクリーム!!とっても美味しいって自慢してた!!!」


ふむ。

急に旅の仲間が強制的に増えて一時はどうなるかと思ったけど、美味しい物を与えておけば大丈夫そうだな。


《ふぅ、お腹いっぱい……。あ、その馬車?じゃケーコちゃんとアタシのふたりは狭そうだから、アタシは川で休むわ》


あ、また念話に戻った。

興奮すると声を発するのかな?


「寝るスペースは心配しなくても良いよ。この軽トラちゃんは、優秀な子だからふたりでも広いくらいの寝室になれるし。ついでに、お風呂って入れる?」


《え、お風呂もあるの?お風呂は街や村に行かなきゃ入れないって聞いてたのに》


「ふふん、見て驚きたまえ。ナビちゃん、荷台浴室変化を宜しく。」


《畏まりました》


ガタガタガタッ


《馬車の箱が変わった!?》


「中はもっと凄いよ。ささ、ご案内致しましょう。」


こうして私たち【ケーコ・トクラ(軽トラ)運送】に賑やかな新メンバーが加わった。


ナビちゃん《と言うわけで、正式加入したサンディさんです》

サンちゃん《宜しくね!》

軽トラちゃん「宜しくぅ。サンちゃん、後でボクの無限収納の中も案内してあげるね。」

サンちゃん《無限収納って何?》

軽トラちゃん「とっても広くって、お酒が沢山ある所だよ。」

サンちゃん《お酒か……》

ナビちゃん《サンディさんは、お酒がお嫌いですか?》

サンちゃん《ケーコちゃんが美味しそうに飲んでたやつでしょ?》

ナビちゃん《はい。ほぼ毎晩飲んでおります》

サンちゃん《でもお酒って甘くないって聞いてるし、太るって……。だからアタシはいいや》

ナビちゃん《やっと、お酒好きでは無い方が現れてくれました……》

軽トラ女子「サンちゃん、カクテルってお酒には甘くて可愛らしい物もあるんだよ。」

サンちゃん《えっ!?飲みたい!!!》

ナビちゃん《………………》

軽トラちゃん「ナビちゃん、どんまい。」

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