出撃する、軽トラ女子
今年も宜しくお願い致します。
美味しいお酒とご飯に、ありつけますように。
軽トラちゃん魔法、下僕召喚。
どんな具合か試してみるか。
「ハンドルみたいに杖を強く握って念じれば良いの?」
《はい。お好きなタイプのミニカーを想像しながら『下僕召喚』と言ってみて下さい》
お好きなタイプのミニカー?
じゃ、じゃあ……
憧れのキャタピラー軽トラのミニカー!
「下僕召喚!」
ぴゅるりらぴゅるりら
ぽてん
変な効果音。
あ、出た。
ブッブー
「おぉぉぉ、これは可愛い。」
手のひらに乗せて顔を近付けて見る。
色はメタリックなグレー。
どんな道も進めるキャタピラー軽トラック。
名前、何にしよ?
軽トラちゃんと区別するから……
よし、キャ○ピーだ!
《簡単な命令でしたら聞きますよ》
「行け、キャ○ピー。君に決めた!」
《戸倉様、そのお名前はちょっと……》
……
………
…………
「ケーコさん、そろそろ闘技場に行きませんか?」
鐘4つ半になる前、リューツァさんが再び来た。
決闘は鐘5つから。
リバイゾさんとの通信で
『クトレー商会も全面的に協力するぞ』
と言っていたらしく、更には
『会場にはクトレー商会の最上級の馬と馬車で乗り込め。こいつはもう、商会同士の戦いだ!』
と物凄い剣幕だったそうだ。
でも馬車は丁重にお断りした。
それならこっちはもっと凄い乗り物がある。
「この魔道具は本当に素晴らしいですね。馬を使わずに走って、この速さ。しかもお風呂も付いているなんて。」
「軽トラちゃんは私の生命線ですからね。」
リューツァさんは助手席に乗っている。
そして……
「結局、何台馬車を出したんですか?」
「クトレー商会フラウティア支店の全従業員総出ですから、12台です。」
「わぁお。」
応援団として総勢約50人が来てくれるそうだ。暇か?
しかも皆さん、私が勝つ方に賭けたらしく応援の圧が強い。
ちなみに私も自分の勝ちに賭けた、500000イェン。
配当率がどのくらいかは知らん。
賭け事なんて、父親の付き合いでパチンコと馬券を数回買ったくらいだ。
まぁパチンコは1000円だけ打って、その後はひたすら漫画を読んでいたけど。
「リューツァさんも賭けたんですか?」
「はい。わたし個人では100000イェン、ケーコさんに賭けましたよ。」
「そんなに!?」
「あと、リバイゾ叔父様も個人名義で3000000イェン賭けています。」
………負ける気は元々無いけど、気を引き締めて挑もう。
軽トラちゃん「まさか下僕に名前をつけるなんて!」
ナビちゃん《どうしましたか、軽トラさん?》
軽トラちゃん「ボクですら『軽トラちゃん』としか呼ばれないのに……。」
ナビちゃん《ジェラシーですか》
軽トラちゃん「キャタピラーくらい、ボクだってスキル取得すれば!!!」
ナビちゃん《実装、してませんよ》




