まだまだ旅をしたい、軽トラ女子
来年は寅年ですか。
毎年、年賀状はくれた方にのみ出してます。
とりあえず、家族全員の分でも10枚有れば足りるな。
女将さんに何処か宿泊出来る所があるかと聞いたが、無いと言われた。
そもそも夜だけの村なのでここで泊まってしまうと、日中は土の下に潜ってしまうそうだ。
え、どゆこと?
更に女将に詳しく話を聞くと、この村の人たちは太陽の光を浴びる事が出来ないらしい。
元々はそれぞれが洞穴で離れて生きていたご先祖様は、大昔にとある異人のおかげで今の場所で同じ種族と一緒に生活出来るようになったそうだ。
家を建て商いをする文明的な暮らしを与えてくれた異人への恩をこの村全体で返す為に、良い竹細工の工芸品を格安で作っているそうだ。
「やっぱり魔法かなんかで地中に潜ったり出てきたりしてるのかな?」
《村が出現する際、魔力痕を検知したのでおそらくは》
「地中に潜るってどんな感覚なのか気にはなるけど、とりあえずは村の外で今夜は泊まろか?」
《そうですね。どうなるか分かりませんからせめて軽トラさんに地中用の変化機能を取得しなければ、試すべきではありませんね》
そういやあったね、不思議変化。
技術さえ取れば空飛んだり水の中を進んだり地中もなんのその……
そのうち宇宙に行ける技術も出たりして。あ、ロボットになったら行けそう。
村から出て竹林に戻ってきた。
暗いけど、ミニトラちゃんが私の肩に乗ってライトで照らしてくれるからへっちゃら。
でもうっかりミニトラちゃんの方を見たら
『目がぁ~目が~』になるから注意。
《この辺りなら軽トラさんに元の大きさになって頂いても宜しいかと》
「そうだね。宜しく、ミニトラちゃん。」
パタパタパカパカブッブー
先ずはお風呂に入って寝酒に1杯やってから寝よう。
……
………
…………
次の日
街道に出る為に朝から歩いた。
この世界に来てから昨日今日と、こんなに歩いた事無かった。幸い筋肉痛にはなっていない。
……まさか、明日以降にならんだろな?
そんな歳じゃない!!
「よし、そろそろ良いかな?軽トラちゃんに乗ろう。」
《次も地図に【村】とだけ表記されている場所があります》
「また、不思議村なのかな?」
《どうでしょうね。この世界では昨夜の村も不思議には当てはまらないのかもしれませんし》
「そっか。魔法があれば、大概何とかなるもんね。」
ナビちゃんとそんな話をしながら軽トラちゃんのハンドルを握った。
運転席と助手席の窓を開ける。
これから先、もっと不思議な物や想像もつかないことが起こるだろう。
「色んなお酒に出会うのも楽しみだ。あ、ルーゼンで買ったドワーフのお酒もまだ飲んでなかったな。」
《結局は、お酒に行き着きますか?》
ブッブッブー
でもま、退屈しないんだし良いんじゃない?
つくづく、楽天的な性格だなあ。
「いよぉし!今夜は強いお酒に合う物を作ろう。」
ナビちゃん《終わりそうな雰囲気出してますが……》
軽トラ女子「まだ終わらん。まだ終わらんよ!!」
軽トラちゃん「色々回収しなきゃね。」
ナビちゃん《勝手に妙な終わり方をしないで下さい、紛らわしい》
軽トラ女子「あはははは!酷い言われ様」
軽トラちゃん「もしかして、ご主人……。」
軽トラ女子「おぉ、軽トラちゃん。君も飲みたまえ。」
ナビちゃん《酔ってますね?》
軽トラ女子「ドワーフのお酒マジやば!!!」
軽トラちゃん「あ、ストレートで飲んでる。」
ナビちゃん《いっそ酔い潰れて下されば静かなのに》




