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次はどこ行く?軽トラ女子

実はこれ、10月30日に書きました。

2週間くらい前に書いた話を毎回更新してます。

年末年始も出来るだけ今のペースを崩したくないので、ストックストック!


あ、明日は木曜日なので更新お休みです。

左手に串焼きの肉を持ち、右手に軽トラちゃん(ミニカーバージョン)を乗せてベンチに座る。

少し前に鐘が4つ鳴った。

ややヘソを曲げたナビちゃんをなだめてこの世界の時間の流れを聞いたら


《元の世界基準に当てはめますと、朝5時が鐘1つ、朝8時が鐘2つ、昼11時が鐘3つ、午後2時が鐘4つ、夕方5時が鐘5つ、夜8時が鐘6つ、3時間毎に一区切りしています》


と教えてくれた。


「まだ2時過ぎならお酒飲んじゃいかんよね。」


左手の肉は、なんちゃらバイソンとか屋台のおばさまが言ってた。


ミディアムに焼き、甘辛いタレを塗ってから強火で少し焦げ目がつく程度に仕上げたそうだ。


この焦げの香りが食欲を刺激する。


「ビールかなぁ、焼酎も合いそう。」


なんちゃらバイソンの肉は噛み応えがあった。

このお肉ならウェルダンにしたら噛みきれないだろうなぁ。

個人的に牛肉は血の滴るようなレアが好きなんだけど。


今日の買い物と買い食いで資金が心許なくなった。

何か稼ぐ方法を具体的にかんがえなきゃなぁ。


《戸倉様、ひとつ提案が有ります》


「何、ナビちゃん?」


《南の漁村で生け捕りにした、仮称カジキマグロをお売りになるのはいかがでしょうか?》


あぁ、あれね。すっかり忘れてた。


「確か、時間経過するエリアに居るんだっけ?」


《はい。たまにサファギンを召喚しようとしています》


「え。無限空間とは言え、サファギン増殖されると困るんだけど。」


カジキマグロが頂点のサファギン帝国とか悪夢だ。


《無限収納内で魔法を使用した場合、その魔力は魔法が発動する前に全て軽トラさんのエネルギーとして吸収されますので問題はありません》


「じゃあ、無限収納に魔物を入れっぱなしにしておけば軽トラちゃんは半永久的に動いていられるのかな?」


《いいえ。あくまでも主食は主である戸倉様の魔力です。他の魔力は……おやつみたいなものですね》


パカパカパカパカ


「でも軽トラちゃん、小さくなっちゃったからもう乗れないんでしょ?ハンドルから私の魔力を流し込めないよ。」


《ご心配なく。軽トラさんは元の大きさにも戻れます。収縮自在です》


ブッブー


「あ、そうなんだ。良かったぁ、もう軽トラちゃんに乗りながら旅が出来ないのかと思った。」


そりゃそうか。

この世界で私の唯一のチート能力、軽トラちゃんに乗ることが出来なかったら新しい人生が詰む。


「ところでどこでカジキマグロを売ろうかな。生きたまんまじゃクトレー商会も困るよね?」


《やはり、すぐに魔物の対処が可能な冒険者ギルドでしょう》


あぁ、やっぱりそうなるんだ。

専門の人にお任せするべきだもんね。

どのみちトリノスに戻る途中に有るんだし寄ってみるか。





「おばさん、これってけーちゃんが買った軽トラックの鍵ですよね?」


私は運転免許を持っていない。

持っていたとしても、自動車を遺品として貰うなんて駄目だと思う。


でもおばさんは予想もしていない事を言い出した。


『その軽トラックね。行方不明らしいの。』


けーちゃんが買った軽トラックが、けーちゃんを轢いた。

しかも誰も乗っていないのに勝手に動き出して轢いた。


けーちゃんを担当した瀬田さんの証言と監視カメラの映像もある。

軽トラックの不具合が原因。

そう結論が出たらしいけど、肝心の軽トラックが姿を消した。

これじゃあ、けーちゃんが亡くなった本当の理由は分からないままじゃないか。


『1番仲良くしてくれたみーちゃんに生涯好きだった物を持っていて欲しいって、あの子なら言うと思うの。』


それは分かる。


分かるけど、やっぱり複雑だよ。

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