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移動する、軽トラ女子

ドライブ中はラジオを聴いています。

好きな曲を流すと、つい歌ってしまって運転が疎かになりそうなので。

漁村を出発して3時間程

ぶっ通しで走る気満々だったのにナビちゃんが、


《運転開始から3時間が経過しました》

《少し、休憩しませんか?》


と、カーナビみたいな事を言い出した。

いや、ナビちゃんはナビゲーションだからその台詞は言っても良いんだけど。


「そうだね、軽く何か食べながら休もうかな。」


軽トラちゃんの荷台をキッチンに変化させ、手を洗ってお湯を沸かした。

残念ながら茶葉は無いから白湯を飲みながら、お昼ご飯の魚フライサンドを食べる。

村では葉物野菜が無かった。なので、

パン、マヨ、魚フライ、パン

の断層しかないサンドイッチになってしまった。

……玉ねぎは貰ったけど、生の玉ねぎは苦手だから入れない。

スープでも作りおきしとけば良かったかな?


この辺りは、漁村とルーゼンの街をたまに馬車が行来するので比較的走りやすい。

海岸線から離れ、林の中を進む道が続いている。

そういえば、みーちゃんが言っていたなぁ


『次の街に行く時は、高確率でトラブってる馬車を発見するの。モンスターや山賊に襲われてたり、土砂崩れや倒れた木で立ち往生したりね。で、その馬車を助けたら乗ってたお貴族様とか大棚の商人から感謝されて後ろだてになってくれるってのがセオリーなんだよ!ついでに 護衛の冒険者が居たら、街に着いてからギルドに案内してくれたりするの。」


……物騒だな、異世界。

そんなに頻繁に襲われてたら、物流うんのん言ってられないよ。

今は次の目的が有るから動いているけど、もし何もする事が無くなったら軽トラ運送業を始めるのも良いかもしれない。

もしくは旅商人みたいな感じでこの世界を旅し続けるとか。

軽トラちゃんとナビちゃんが居れば何処にでも行けるよね。


「よし、先ずは今やるべき事をしっかりやり遂げるぞ。」


軽トラちゃんの荷台を元に戻して再び走り始める。

どうせ元の世界では既に死んでて帰れないんだ。

だったらこの異世界で好きなように生きてやる。

勿論、人様に迷惑掛けるような真似はしない。

身の程をわきまえていれば、何の問題も無いだろう。


ちょっとだけ私は自分の、この異世界での生き方に道筋が見えて来た。




……ってな良い感じで走り書き続けたかったんだけど



「そこの変な馬車、止まれおらぁ!!!」

「積み荷と有り金、全部置いてけやごらぁ!!!」

「ついでに女と子供は寄越しやがれうらぁ!!!」



走行中の軽トラちゃんの前に

いかにも悪党な輩、A、B、Cが飛び出してきた。



轢いたろか、この腐れニート共が。


軽トラちゃん「おっけーご主人!ボクに任せて。」

軽トラ女子「おぅ、やったれ。汗水垂らさず人様の財産を奪う奴等なんて、糞食らえだ!」

ナビちゃん《……まだ敵認定の警告は出していないのですが……》

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