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続出会う、軽トラ女子

やっと、癒し要員の降臨だ!

心してお迎えせねば。

船着き場とはいえ桟橋は無い。

木造の手漕ぎボードの様な、二人で乗るのがせいぜいで粗末な小舟が砂浜にダイレクトに多数並べられている。

壊れた小舟も少なくない。

若い人が居なくなり、朝なのに漁村とは思えない光景では確かにこの村は限界集落と言える。


「父方のお祖父ちゃんの住んでる町は、毎日薄暗いうちからお祭りみたいに賑やかだったなぁ。」


昆布の名産地で、漁がある朝は大変だけど楽しかった。

たんまり昆布を乗せた船が帰ってきたら

皆で綺麗な砂利を敷いた専用の場所に昆布を広げながら並べて乾かした。

お祖父ちゃんは持ってなかったけど、荷台にクレーンを取り付けたカッコいい軽トラックもよく見たなぁ。

そんで休憩時間にご飯やオヤツを食べて、お小遣いなんかも貰って……


「あ、昆布欲しい。出汁とりたい。」


「めんつゆ作りたい。やっぱ昆布と宗太鰹の削節と片口鰯煮干しの出汁は最強っしよ。」


「んで、出汁とった後の昆布と煮干しで昆布巻き。鰹節は炒って砂糖、酒、味醂、醤油で味付けしてジャコと白ゴマでソフトふりかけ。酒の肴にもなる。いやぁ、日本人で良かった!」


懐かしさより食欲に気持ちがシフトしてきた。

和食ってホント、無駄がないよね。


「だしって、なぁに?」


涎を我慢していると可愛いらしい声で誰かに質問された。


声が聞こえた所を見ると、小舟の陰から小さな女の子が顔だけだしてこちらを見ていた。


「ねぇ、おねぇちゃん。だしって、なぁに?」


「出汁って言うのはね、ご飯を美味しくする物だよ。」


幼女さんを怖がらせないようになるべく優しい声で私は答えた。


「おいしいごはん!おさかなさん?」


「そうだね、お魚さんからも出汁はとれるよ。」


「やっぱり。おさかなさんおいしいもん。」


幼女さんのにこぉっとした笑顔、頂きました。


髪の毛はブラウンで、軽めのカールのふんわりした印象。肌はゴローダイさんより薄めの赤褐色だ。

可愛い、やっぱり子供って見てるとこっちまで笑顔になるなぁ。


それにしても、まだこの村に子供が居たのか。

確かに出稼ぎならこんなに小さな子を連れて行くのは難しいだろうなぁ。


「でも、おさかなさんとれないの。おなかへったぁ。」


「これ、お魚さんは無いけど食べて。おむすびって言うの。」


悲しそうな幼女さんに反射的に塩おむすびを差し出した。

ひと口サイズだから幼女さんの可愛いお口にもピッタリ。


「いいの?おねぇちゃん、ありがとう!」


おいしい!と喜びながら食べてくれると、やっぱり嬉しいな。


「おむすび食べたらお家に帰ろう。ここはこわーいお魚が来るから危ないからね。おねぇちゃんがお家まで送ってあげる。」


「でも、おじいちゃんがいなくなっちゃったの。だからシャーリン、おじいちゃんをさがしにきたの。」


健気!

こんな小さな子が……

ん、おじいちゃん?


「ねぇシャーリンちゃんってお名前なん

だね?」


「うん、そうだよ。わたしシャーリン。」


「シャーリンちゃん、わたしは戸倉恵子(けーこおねぇちゃん)。」


「けーこおねぇちゃん。」


「シャーリンちゃんのおじいちゃんのお名前って分かる?」


「わかるよ。おじいちゃんのお名前は、ゴローおじいちゃんだよ。」


ゴローおじいちゃんと、ゴローダイさん。

似てる名前だけど、別人なのかな?


「シャーリンちゃん、ゴローダイさんって人知ってる?」


一瞬、?という顔はしたがすぐにシャーリンちゃんは、


「ゴローダイはゴローおじいちゃんだよ。」


と予想通りに答えてくれた。


軽トラ女子「ゴローダイ。ゴロー、ダイ。」

軽トラ女子「ゴロー・ダイ。ダイ・ゴロー。」

軽トラ女子「大・五郎。大五……」

ナビちゃん《警告!危険区域に入ります》

軽トラ女子「よし、追究しないでおこう。」

軽トラちゃん「大車輪はセーフなの?」

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