27 エルサル正教国6
27 エルサル正教国6
クルセイダー達が帰って間もなく晩餐となった。晩餐と言うだけあって昼より豪華な感じがしている。基本の料理を食膳で運ぶのは同じだが、テーブルなど各所にオードブルの要領で料理が並べられている。高級そうな料理は無いけど食べざかりの子達のためにまごころ込めて沢山作りましたって感じである。
生徒には直接絡まれなかったが、フクロウの様なつぶらな、しかしなにか狙っているような目で遠くからこちらに熱視線を送ってくる集団が散見される。シスター服に着替えてからアサシンの影を付けるのを忘れていたのに気づいたが、今日もあと少し、このままいくことにした。
でもでも、ジュースお代わりに行ったりしてシスターに紛れて誘拐されないように気をつけないとな。次の日に死んだ魚の目で通路に放り出されてるところを発見されちゃうぞ。
蝋燭の色で彩られた晩餐もなかなか趣深い。中世の晩餐は映えるなぁ。ブドウジュースが美味しかったので沢山飲んでしまった。今日こそはおしっこしてから寝よう。忘れないぞ!
晩餐が終わって、さてなにしようかな?特にする事無いんだよな~
「まり~、この後は何か面白い事ある?」
「ん~、朗読会とかあるっすけどつまんないっすね~。茶会とかもあるっすけど、朧ちゃんが行ったらもみくちゃにされちゃうっすね~」
「あっ、運動場と訓練場は消灯時間まで自由に使えるので、遊びに行くのもいいっすね」
悪くない。ちょっと覗いてみて、何かできそうだったらやる、やる事無かったら帰ろう。散歩は確実にできるし良い案だ。
「じゃあいってみよう」
まずは訓練場、こっちは人が来なさそうだし…。行ってみると広く様々な目的で使われるだろう訓練施設にポツポツと人が居る。不測の事態に対応する為にか、職員っぽい人が見張っている。何か指示を出すような素振りは無い。
訓練所はポツポツと人が居て、棒術の練習をしているのが二人、剣術の型をやっているのが一人、魔法の練習をしているのが四人。あまり変な事はできそうに無いな。
とりあえず魔法訓練に使うであろうただっぴろい空間に行く。おもむろに、死んでも結界の外で即時復活する結界を見えるように張る。魔法陣構築と発動は一瞬とはいえ、一応隠蔽しておいた。自重?知りませんなぁ、ほら、人外の香りのするやからがここに二人おるじゃろ?どっちかの仕業じゃないですかねぇ(棒)
ここに取り出したるは天界ネクターとアムリタンZx10。飲みながら、天界通販でゴーレム素材のゴム、綿をどっさりと注文、等身大?のうーたん(120cmくらい)を20匹作ってみた。脇から見ると、召喚したように見えるだろうな。クリッとしたまっくろおめ目、長い耳、デフォルメされたウサギのお顔、人形に良くある手足の短いずん胴フォルム。動作は二足歩行の人間タイプ、鳴き声は「うー」のみ。カラーリングは薄ピンクと薄ブルー。さて勢いで作ってみたものの、どうしようかな、シエラとマリーを分けてサッカーでもするか、ふーむ。
「二人とも、うーたんでしたい事ある?」
「いえ、私からは特には。ただ、この、ゴーレムですか?かわいいですね」
確かにかわいい、しかし20匹も居ると少し不気味である。たまに「うー」って鳴くしな、なんだ?うーってさ。
「んーそうっすね~…かくれんぼとかいいかもっすね」
かくれんぼ面白そう、採用。そうとなればフィールド調節である。トーフハウス(四角い手抜きの建物)をポポポポーンと生成。内装には腰から下の見えないカウンター、本の無い本棚、クローゼット、ベッドなどを無造作に配置。地下通路、吊り橋、大きい樽などをかなりの弾力でゴムから整形する。音も立ちにくいですよ。こちらもフィールドに配置する。
キング・うーたん(丸っこい角を付けた)が両陣営に居て、先に敵将の背中をタッチしたら勝ちである。相手の背中を先にタッチすると、相手陣地のリスポーン地点に送られる。10秒は動けない、動き始めて3秒までは相手からのタッチ無効。魔法、スキルは無しの完全物理のみ。うーたんのパラメーターはオールB、キング・うーたんはオールAである(めっちゃ強化した)
シエラとマリーはそれぞれブルー、ピンクチームに配属。このルールなら拮抗すると思うがシエラは底が知れないので私はピンクチームのうーたんを自由に一匹遠隔操作する。こいつら普通に知能B以上だから侮れないんだぜ、「うー」しか言わないけど、これは楽しそうだ。スタングレネードはチカチカ面倒なので、投げ入れると周囲のゴムがブルンと唸るブルングレネードが生成するようにした。樽とか棚とかに出てきて、各自一つまで所持できる。 全員を集めてルールを説明する。
「斬新な遊びですねお嬢様。これは中々奥が深そうです」
「拘ってますねぇ。アサシンとして腕がなるっす」
「う~」「うー」「うー、うーー」
よーし、やるぞ~
始まった。
シエラにはFPSの何たるかを教えてやろう。まずは特攻で強襲に来るだろうから、総戦力を持って返り討ちにしてくれる。マリーには好きに行動させる。マリーを指さしクルクルとやる。フリーな感じが伝わったかな? マリーがサッと視界から消える。ヤバい早い。あれ、完全に筋肉のみでやってるんですよね?
周囲の物陰を指差し、うーたんを隠れさせる。キング・うーたんは入り口側の絶対にわかりにくそうな場所に配置。二人を建物の奥の方に立たせ、いかにもな歩哨を演出する。隠れる場所を探していると、ブルングレネードを一個発見した。うーたんもゴム製なんだよね。ぶるんぶるんになっちゃうぜ。
ちょっとしてすぐにシエラが来たようだ。速攻で歩哨に忍び寄り、一人をあっという間に無力化した段階で気づいた。手ごわいな。私が反応するよりも早くうーたんが一斉にかかる、この時、全方位から「うー」と声を掛け、ボヨンボヨンピョンピョン飛び回って殺到する。こいつらもなかなか有能だな。私はブルングレネードに手をかけて待機。こちらの欠員は4匹だがシエラを打ち取ったようだ。シエラはやはり人外性能だが、物理的な動作だけでは限界があるのだよ、ふふ。
次はもっと慎重に来るだろう。ひょっとしたら数匹うーたんを引き連れて来るかもしれない。さっきと同様に二人を歩哨に残し、遭遇したら叫ぶこと、その後は撤退戦をする様に指示する。
リスポーンしたうーたんとキングを含め全員で移動する。シエラは右利きだから、シエラから見て左側から攻め上がってくる事を期待して、こちらはその逆側を音を立てない様にゆっくりと移動する。途中でスッとマリーが合流した。どうやら攻めあぐねていた様だ。
暫く豆腐ハウスの一室で待機。自分の陣地の方角で「うー」という叫び声が聞こえた。よし、カウンターで強襲だ、ゴーゴー。警戒のうーたんを3体倒し、こちらの損耗はうーたん1体だ、さすがマリーである。おそらく敵の拠点であろう部屋にブルングレネードを放り込み、ブルンとインパクト後にキング・うーたんと護衛二匹を残し突入。うまい具合に隠れていたようだが、ブルングレネードで跳ねてしまった敵将のキング・うーたんを討ち取った。マリーが高速で動いて仕留めたようだ。
ふぃー、これが戦略と言う物だよシエラ君。もう満足したので、後は勝手に遊ばせる。最初はピンクうーたん達が最初の試合を参考に上手く勝ち越していたようだが、相手のうーたん達も慣れてきて拮抗してきた。シエラのスペックと慣れもあってか、最終的には盛り返してブルーチームが少し勝ち越していた。楽しんでいる様で結構結構。
気づいたら女学生たちとシスター、そして体育会の先生もが物欲しそうな顔で観戦していた。やりたいやろ?、やりたいやろ~。しかたないにゃ~。
一度集めてルール説明をして、適当にバランスが良くなりそうに振り分ける。皆めっちゃ楽しそうに遊んでいる。これもなんかいい訓練になるんじゃないかね?っと思ったので、結界を固定して、制御盤を作る。各陣地のリスポーンする人員を決定する類のやつを手動で設定できるようにした。うーたんはあげないけどね。途中でおしっこもちゃんと出て、その後消灯まで遊んでいた。
あんまり危険そうでは無いので、私もうーたんの保護着ぐるみを来て参戦した。流石に身体性能がアレなので私はかなりの強化をして肉体性能を平均Aくらいまで引き上げて参戦した。それでもノーマルうーたんに敵わないんだけどね。いやはや素晴らしい物を作ったな。
この遊び、作者もやりたいですw(;´・ω・)つ
本格的にスタダはこの辺で終わりで、しばらくはまったり暇を見てになると思います。




