第六章 ~灰色の残響~
──悲鳴。静寂。悲鳴。静寂。悲鳴。悲鳴。悲鳴。
…………静寂。
『シロ』の生まれた家は、どれだけの量の絹を纏わせても普通の家庭とは言えなかった。
──群に負けない個を。戦乱を勝ち抜く力を。
一族が保有する山に一族全員が住み、いつから続いているのかも定かではない、閉ざされた世界の中で試行錯誤を繰り返していた。
産まれたばかりの赤子の骨を砕き、治してはまた砕く。繰り返し、繰り返し、砕いては治す。途中で可能性無しと判断された子供はそのまま一族の為に働くよう躾られるか、一族の者に連れられて何処かへと消えていった。
そうやって体を作っても、心は上手く作れない。当然だ。所詮は人の身。分を越える力を持てば、必ずどこかで破綻する。
『シロ』もそうして形作られ、消費されていく子供のはずだった。
しかしどういうわけか、『シロ』は物心つく頃になっても理性を保ち、かつ身体に異常を抱えていなかった。
身の丈以上もある棒を軽々と振るう様を見て、長たちは浮き足だった。
『ついに念願が果たされる!』
昼夜を問わず、寝る間も惜しみ、一族は長年蓄えてきた知識の全てを『シロ』に刻み込んだ。壊し方も。治し方も。それに必要なもの全てを。
彼らの過ちは、万一に備え、己らの保身のために、その知識の中に『良識』を混ぜ入れたことだ。
『魔法使い』が去った夜。『シロ』は静かに行動を起こした。
まずは一族の長を。指針となる長が居なくなれば、結束の固い一族も烏合の衆と化す。
『迷惑をかけてはいけない。正しくあれ。そう教えたのはあんたたちだ』
血の混じった泡を吐く老人を眼下に見据え、『シロ』は次の作業に移ろうとした。
──────!
悲鳴が聞こえた。
振り向けば、女が口許に両手を当てて立ち竦んでいる。
ゆっくりと歩み寄り、抜き手で腹を穿ち首に腕を回して骨を砕いた。
静寂が戻ってくる。しかし、幾人かの足音が駆け付けてくるのが分かる。
一瞬だけ『シロ』は倒れた女を一瞥し、顔を逸らして足音の方へと向かっていった。
赤く染まった空を見る。
黒煙たなびく星無き空に、燃える山の火が反射する。
じきにこの山は燃え尽き、残った廃材は墓標となる。全ての住人も涅槃へ赴き、残るはこの身一つだけ。……否。その傍らに死体が一つ。
彼女だけは、彼らと共に眠らせようとは思えなかった。
燃えゆく廃墟を後にして、『シロ』は山を流れる川へと向かう。
先に彼女を水面に浮かせ、自身も川の中へと身を委ねる。
流れの速い急流だ。衣を纏う体は容易く呑まれ、消えていくだろう。
疲労か、それとも安堵か。『シロ』は水流に身を委ねながら意識を手放した。
「──起きましたか」
リィンの声が耳朶に触れる。
「………………」
疾走する馬の上。目を開くと正面には真っ黒なたてがみ。そして背中に当たる胸当ての冷たい感触。
「日頃の疲れもあるのでしょう。ですが、もうじき中継地に到着します。意識を覚ましておきなさい」
「ああ、うん」
頭の上から降ってきた声に返事を返しながら、シロは状況を振り返る。
リィンに連れられて行ったのは、アールマンの執務室ではなく軍議の間だった。そこには既にアールマンや重役らしき武官、ファルン卿らの姿があった。
言われるがままに席に座り、開始された軍議を見守る。
村が襲撃されたのは、アールマンたちが村を去った二日後のことらしい。
村を襲った灰色の怪物には魔術が通じず、ならばと殴りかかった男衆は触れただけで昏倒したという。
「新種の魔物か?」
魔物とは、魔術の実験体となった生物、もしくは大規模な魔術によって何かしらの影響を受けて意図せず変質してしまった生物の総称であり、それらが自然界で野生化して繁殖したものも同様に魔物と呼ばれる。
基本的には身体能力を強化された獣と変わらないが、まれに既存外の種が発見される。今回の怪物もそうした種類かとアールマンは予想したのだが。
「いえ。姿形が人でなければ、私もそう判断するのですが……」
リィンの返答に、アールマンが軽く目を見開く。
「……人型だと?」
人体を変質させるほどとなると、意図せぬ変質という可能性は考えにくい。あれは大規模に展開された魔術によって変質した魔力がその場に留まり、生物がその魔力を大量に体内に取り入れてしまうという特殊な条件を満たす必要がある。当然そういった場所への立ち入りは厳重に制限される為、何者かが迷い込み魔物化してしまうということは有り得ない。となると、もう一つの可能性が有力となる。
人体実験。
魔術の実験体にされるのは、野性の動物や植物がほとんどだ。人を実験体に採用するのは、道徳的な問題や倫理観、そしてその目的から禁忌とされている。そのような事を行うような者など……。
「……まさか、な」
小さく呟き、脳裏に浮かんだ名前をすぐに切り捨てる。彼らの元から逃げ出したモノだとしても、それがエンピスやイスカを素通りしてイーヴィスを襲う理由が分からない。彼らが糸を引いているにしても、首都から離れた村を襲わせる意図が見えない。
「リィン、先遣隊はすでに向かわせたんだったな」
「はい」
「ならばお前もすぐに追え。収穫祭の名残で、国内には未だ他国の者が大勢居残っている。連中に隙を臭わせるな」
考えるには情報が足りず、ならば時間を浪費しない為にも迅速に動くべし。そう結論を出し、指示を出した。
「はい。恐れながら陛下、此度の出兵にシロの同行を許可していただきたく存じます」
リィンの申し出に、アールマンの視線がシロを向く。
「シロは腕も立ちますし、何より関係者です。同行する権利があるかと」
「好きにしろ」
「ありがとうございます」
アールマンの許しを得て、リィンはシロを連れて厩舎へ向かい、馬に乗って城を出た。
乗馬の経験がないシロはリィンの腕の間に挟まれ、器用にもそのまま居眠りしたのだった。
「……腰が変だ」
「乗り慣れてもいないのに寝るからです。城に戻ったら乗馬の訓練もしておいた方がいいかもしれませんね」
シロならばすぐに上達するだろうと、リィンは思う。
相乗りとはいえ馬上で睡眠をとるなど、よく訓練を重ねておかなければ出来はしない。そんな余裕が持てないからだ。そして馬も、余裕のない者を乗せるのを嫌がる。
「いらない。馬に乗るくらいなら、体を動かしてた方がまだ楽だ」
にべもなく提案を断るシロに、リィンは「そうですか」と頷いた。
拙速を尊ぶとはいえ、馬を乗り潰すのはよろしくない。中継地に着いた二人は馬を乗り換え、先を急ぐ。
「苦戦してるみたいだね」
先の町で合流した連絡役との会話を反芻する。
「ええ。やはり触れることが出来ないというのが厄介なようです」
新たな情報によると件の怪物は俊敏であり、しかも多少の傷ならばすぐに再生するとのこと。そして怪物に触れた、もしくは触られた者を調べたところ、体内の魔力が過剰に消費されていることが分かった。既に死亡を確認された者もいるという。
朗報といえば、交戦しているのが一体のみということくらいか。
「魔力を食らう人型の魔物、ですか……。嫌な予感しかしませんね」
目を細めるリィンだったが、軽く首を振ってシロに訊ねる。
「そういえば、村人のことは気がかりではないんですか?彼らには世話になったのでしょう」
「ん?ああ、うん」
言われて初めて思い至ったというような反応に、リィンは心の中で首を傾げた。
「ああ、そうだ。恩を受けたら返さないといけない。人の道を外れてはいけない」
自分の言葉に頷くシロに違和感を覚えるが、その正体が判然としないままに、リィンは馬を走らせた。
そうしてさらに数刻の間走り続け、ようやく目的の村へと辿り着く。
リィンが馬から降り、シロに手を貸していると、一人の兵士が駆け寄ってきた。鎧に目立った汚れは無いが、やけに憔悴した顔が状況の悪さを物語っている。
「将軍、お疲れ様です。あの、増援は……」
「後から来ます。状況は?」
「はっ。現在もコニー殿らが交戦中ですが、妙な特性を有している為に苦戦しております」
「でしょうね。魔物に移動するような素振りは?」
「ありません」
「そうですか」
何が気に入ったのか、魔物はこの村に居座り続けている。探し回る羽目にならなかったのは良かったが、少々気になるところである。
「村の人たちは?」
思考に耽るリィンの側から、シロが兵士に問う。兵士は一瞬だけ動揺を見せたが、すぐに気を取り直して答えた。
「あ、ああ。魔物に魔力を食われたらしく、ほぼ全員が意識不明の重体です。移送しようにも人手が足りず、魔物がいるから治療も出来ない状況です」
「治療が出来ない?どうして」
「魔術を使うと、足止めを無視して魔物が寄ってくるんです。そのせいで被害は増えるばかりで」
苦汁を飲み干した後に苦虫を噛み潰したように、兵士が歯の根を鳴らす。
「……そう」
短く返してシロは歩き出す。兵士が慌ててその肩を掴んで、歩みを止めさせた。
「ま、待て。君、どうする気だ」
「迷惑をかけるのは、いけないことだ」
そう言って、シロは兵士を見た。
「そうでしょ?」
怯んだように、兵士がシロから手を放して後退る。それで兵士への関心を失ったらしく、シロはまた歩き出した。
「貴方はここで後続隊を待ちなさい」
兵士に声をかけ、小さな背中を追い掛けるようにリィンも動き出す。
兵士は茫然とした様子で頷き、二人を見送った。
村の様子は、数日前とはすっかり変わってしまっていた。
地面の所々に穴が空き、建物のほとんどは屋根や壁が崩壊している。
そしてなにより、空気が灰色に染まっている。
先程の兵士は何も言っていなかったが、この空気の色は自然のものでは有り得ない。十中八九、これも魔物の影響だろう。
「────ァァ!」
咆哮から少し遅れて轟音が響く。近くはないが遠くもない。恐らく、森の方だ。
「さっきの兵士、宛にならないね」
「途中から戦線を離れたのでしょう。とはいえ、精細を欠く情報を提供したことに関しては、後で言って聞かせる必要がありそうですが」
そう言いつつ、リィンは倒れていた兵士の首筋に手を当てて生存を確かめる。息はあるが、顔色はかなり悪い。
立ち上がって、側に落ちていた槍を拾い上げるシロに目を向ける。
「追いますよ。これは野放しにしていい類いのものではありません」
「うん」
槍を脇に挟んでシロが駆け出す。リィンも剣を抜いて森へと走った。
「オオァァア!」
──■■■■■■。
木々の間を埋め尽くすような咆哮と不協和音。
ラビは拾った石を魔物に投げつけ、更に蹴り折った細木で殴りかかる。柔らかい粘土を叩くような感触が腕を伝う。
「チッ」
何度も味わった手応えの無さに舌打ちをし、魔物から距離を取って細木を投げ捨てる。ペキ、と渇いた音を残して、細木は粉々に砕け散った。
同じことの繰り返しで欠伸が出そうだ。
泡立つような魔物の肌は、触れるものを朽ちさせる。投石も大した効果を発揮しない。
苛立ちをぶつけるように木を蹴り倒した。この木も、魔物に触れればすぐに枯れてしまうだろう。
ふと、魔物が意識をラビから逸らした。
「何を──」
──■■■■■■■■■!
耳をつんざくような大音量。
「──く、のっ」
常人よりも聴覚の鋭いラビは、酷い耳鳴りに顔をしかめる。
「ラビ、無事ですか!」
「隊長殿!」
魔物から視線は逸らさず、駆け寄ってきた上官にほんの少し安堵する。
「ええ、まあ、なんとか無事です。それよりあの煙に気をつけてください。あれ、毒とか瘴気とかそういう類いです。木とかぶつけても、すぐに朽ちてしまって効果がありません」
「……ずいぶんと面倒な造りをしていますね」
足下に散らばる木片も、元はその辺りに生えていた木々の一つだったのだろう。
あの魔物は、まさしく世界の敵と言える。
その時、静かだった魔物に変化が現れた。
頭部のくぼみがボコリと膨らんで目鼻を形作り、リィンの隣で佇んでいるシロへと手を伸ばした。
「──────」
魔物の顔を見て、シロの目が見開かれる。
「…………なんで」
「シロ?」
リィンが少年の異変に気がつくのと、少年が呟くのとはほぼ同時だった。
「なんで、生きてるんだ、『姉さん』……」
──■■■■■■。
呟きに答えるように、魔物が悲鳴のような声を出す。
「姉さん?……シロ、あれが貴方の姉だと言うのですか?」
視線は険しく、リィンがシロの顔を見る。
シロは茫然と首を振り、魔物を見つめながら手を頭に当てた。
「違う。違う。あれは、違う。だって、姉さんは、確かに、首を」
──■■■。
遮るように、魔物がくぼんだ口から声を出す。名を呼ぶような短い声に、シロがびくりと震えた。
──■■■■。
「──やめろ」
──■■■■。
「やめろ……」
──■■
「やめろ!」
槍を構え、シロが突貫する。
「っ、ラビ!」
「チッ!」
一拍遅れてリィンが短く名を呼び、持っていた木を手放したラビが白い背中を追って駆け出した。
シロが槍を振りかぶり、叩き付けるように振り下ろす。しかし魔物は槍など意にも介さず、シロに手を伸ばした。
「んの、馬鹿が!」
魔物の手が届くよりも先に、シロの体が真横へと蹴り飛ばされた。
──■■■■■■!
邪魔されたことに苛立ったのか、魔物は今までにない怒りの感情を露にしてラビに迫る。
「ウオラァァァ!」
触れることをいとわず、ラビが交差するように魔物に蹴りを入れる。魔物の体は宙に浮き、大木に張り付くようにして地に沈んだ。
ラビも一瞬脱力したように膝から崩れ落ちかけるが、なんとか足に力を込めて踏ん張り立つ。
「鍛え方が、違うってんですよ……」
魔力を食われたのか、瘴気にあてられたのか、はたまたその両方か。
声に力無く、体は震え、白い肌は青みがかっている。
そんな死に体のような有り様で、ラビはリィンに助け起こされたシロに歩み寄り、その頬を平手打ちした。
「お前、阿呆ですか。真正面から挑んで倒せるようなら、何人も犠牲になってなんかいないんですよ」
呆けているシロの胸ぐらを掴み、息のかかりそうな距離まで顔を近付けてラビが声を荒らげる。
「私たちの仕事は、倒れていったやつらに報いるためにも、最善を尽くすことなんですよ!勝手に混乱して、突っ走ってんじゃないですよ!」
怒鳴って力が抜けたのか、ラビは胸ぐらを掴んだままシロにもたれ掛かる。事実、限界なのだろう。並みの兵士は声を出すことすら出来ずに卒倒していたほどだ。
「阿呆なのは、力を過信して死にかけるような、まぬけ一人で充分なんですよ……。どんな事情があるのかは知りませんけど、お前はそんなまぬけにはならないでください」
──■■■■■■!
起き上がった魔物が絶叫する。飛び跳ねるように突進し、腕を振り上げてラビの背に狙いを定めた。
「はあぁぁぁああ!」
剣を逆袈裟に切り上げて、リィンが魔物の接近を阻む。先王より賜った宝剣は魔物との接触にも耐え、腕を半ばまで斬りつけた。
──■■■■■■!
大音量の悲鳴をあげ、魔物が飛び退る。斬られた腕からは煙が立ち上ぼり、灰色の体液が滲み出した。
「すぅ……ふぅ……」
深呼吸する。
いかな宝剣といえど、聖剣のように完全無欠ではない。強い瘴気に当たり続ければ、近いうちに朽ちてしまうだろう。
仕留めるなら一撃必殺に限られる。それが無理でも、後続隊が到着するまで持ちこたえられればいい。数で押せば手強い相手ではない。
「待って」
意を決してリィンが魔物との間合いを詰めようとした時、背後から制止を求める声がした。
「……見逃せ、という頼みなら聞けませんよ。あれは放置してはならないものです。ここで処理します」
「わかってる」
リィンの前に歩み出て、魔物と対峙するシロにリィンは眉をひそめる。
「何をする気です」
「あれが本当に姉さんなのかは分からない。けど、もし本物なら、始末は僕がつけないといけない。それが、責任というやつだと思う」
──■■!
拳を構えるシロに、魔物が歓喜の声をあげる。やはりあれはシロに執着を持っているらしい。
「止めなさい。せめて武器を」
「いらない」
槍はラビの所に置いてきた。命のやり取りなら、素手の方がやりやすい。
「『柳薙ぐ雪の路』──参る」
シロが動く。
前傾姿勢をとって滑るように移動する姿は、地を這う蛇を思わせる。
──■■■■。
眼部を大きく見開いて叫ぶ魔物の懐に飛び込み、半身になって足が地面にめり込むほどに強く踏み締め、肘を打ち出す。
べこ、と鈍い音を響かせて腹に大きな窪みを作り、魔物は口から灰色の液体を吐き出した。
──■、■■、■。
間近で口の動きを見て、シロはようやく、魔物が何を言っているのかを理解した。
──『かえろう』。──『かえろう』。──『おうちに、かえろう……──くん』
シロの本当の名前を呼び、帰ろうと、姉はただそれだけを求めていたのだ。
シロは強く唇を噛みしめ、先よりも強く踏み込んだ。左腕を前方に伸ばして右手を弓引くように大きく後方へと引き、体を捻りしならせながら眼差しを鋭くする。
「僕の名前はシロだ。あんたと帰る場所なんて、ない!」
──■■■■■■■■■■■■■!
拒絶の言葉を受け、魔物は咆哮する。否、これは慟哭だ。目から流れる液体は灰色に染まっているが、紛れもない涙だった。
天を仰いで嘆く魔物に、シロが渾身の拳を叩き付ける。
「柳流──『破門』!」
それはかの一族が単身で城門を打ち破る事を想定し作り上げた破壊の極意。全身を打撃を放つ装置と変えてただ殴りつけるだけではなく、その衝撃を貫ききる寸前で留め、内部で爆発させる遠当てとの混合技である。
シロの持ちうる武技の中でも必殺と位置付けられた一撃を受け、魔物はぶるんと痙攣し、破裂するように体のあちこちから体液を噴出させてそのまま倒れた。
煙を吐くこともなくなった魔物の亡骸に両手を合わせて拝み、シロは踵を返してリィンの元へと戻った。
「……大丈夫ですか?」
何を言っていいのかわからず、とりあえずシロの身を案じる言葉をかけるリィンに、シロは頷いた。
「うん。この外套が、魔法使いの特注品だからかな」
返答に疑問符を浮かべるリィンを素通りし、シロはラビに歩み寄る。
「これで、阿呆じゃなくなる?」
首を傾げるシロの言葉に、ラビは小さく笑った。
「はっ、上出来ですよ」




