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転生したら王位争いに巻き込まれたんだが~知識と力で全てをねじ伏せる~  作者: 東西南北


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3.第四王女と対話をしてみる

 さらに時は流れ、ルークは十歳となった。

 二年前と同様、ルークの側には二人の人物が。


「ルーク様、何かあれば何なりと申し付けください」


 メイドのミリィはより可憐に。


「何か必要なことがあればミリィか私に命令していただければと」


 執事のギルバートには変化は一切見られない。

 

「ありがとう二人とも」


 二年経ったことで、ルークの身体はさらに

成長をしていた。

 ルーク自身も子供の成長の早さを実感していた。

 気付けば、手の届かなかった場所に手が届くようになり、足がつかなかったのが足がつくようになった。

 十歳になった今もやっていることは変わらない。

 読書と魔法の特訓。

  

「ルーク様、本日はどうされますか?」


「今日は、カーベラ姉さんと会う約束をしてるんだよ」


「か、カーベラ様とですか……」


 ルークが発した人物の名前を聞いて、ギルバートの表情が硬くなっていた。

 ミリィはミリィで何とも言えない反応を示した。

 明らかにおかしい二人の様子。

 その理由をルークは分かっている。


 カーベラとは、ルークの姉にしてアルバス王国の第四王女カーベラ・フォン・アルバスその人だ。

 

 ルークが彼女と会ったことがあるのは二度。

 一度目は三歳の時に顔を合わせた時。

 二度目は七歳の時に王族が集まった時。

 どちらの時もしっかりと会話はしていない。つまり、今回が初めての対話である。

 無論、二人も彼女と言葉を交わしたことはない。

 それだというのに、二人が何とも言えない様子なのは彼女に会うだけで分かる。

 

「そろそろ約束していた時間かな」


 読んでいた本を閉じた。

 ルークは身なりを整えると二人を引き連れて一室を出た。

 約束していた場所である王宮内のとある一室へと向かう。

 王宮内は超がつくほど広い。

 約束した場所へ向かうにも、そこそこ歩く必要がある。

 ルークを先頭に歩いていると、前方から見知らぬ二人の人物が。


「おや、誰かと思えば第十王子じゃないですか。こんなところで何を?」


 声をかけてきたのは見知らぬ貴族二人。

 相手にするのが面倒だ、とルークは内心では思っているが無視するわけにもいかない。

 

「これからカーベラ姉さんに会いに行くところなんですよ」」


「カーベラ様が君のような子供とお会いになるだと。いいか、くれぐれも無礼のないようにするんだぞ」


 それだけ言い残して二人は去っていった。

 同じ王族である筈なのにこの扱いの差。

 これは決して珍しいことではない。

 特に第十王子のルークはそれが顕著だ。

 そうなる理由は至ってシンプル。ルークが第十王子だから。

 ほとんどの人が第十王子のルークが王になることなど万に一つとしてないと思っている。

 それ故に媚を売る必要がないと思う人が多く、結果として同じ王族でも扱いに差がうまれることになる。


「許せませんね。ルーク様にあんな態度」


「全くですな。ルーク様の凄さが分からぬとは実に憐れな」


 逆にこの二人は特別扱いしすぎなのでは、とルークは思ったが決して言葉にはしなかった。

 ルークは二人をなだめながら歩く。

 

 歩くこと数分。


 話し合いをする一室の前に来た。

 煌びやかな装飾が施された扉を開く。 

 室内には一人の人影が。


「あら、早かったわねルーク。いらっしゃい、好きなとこに座って」


「お久し振りですね、カーベラ姉さん。お変わりないようで安心しました」


 既に来ていたカーベラが座って待っていた。

 一見すれば、ただの優しそうな女性。

 ルークが本当に十歳の子供だったならば、素晴らしい姉だと慕っていただろう。 

 そうなっていないのはルークが元二十七歳の会社員であるから。

 見た目は子供だが内面は大人なルークには感じ取れる。


 あの滲み出ている悪意が。


 ルークの後ろに控える二人もそれを感じ取ったことがあるから苦手意識を抱いている。

 当の本人は抑え込んで隠しているつもりかもしれないが、分かる人にはすぐに分かる。

 ルークが初めて彼女を見た時に、人からこうもハッキリと悪意を感じ取れるものなのか、と関心してしまう程。

 驚くべきは彼女がまだ二十一歳であること。

 

 彼女が厄介なのは王族としの気品もしっかりと持ち合わせていること。

 それもあって彼女を支持する人は数多くいる。

 などと考えながら、ルークはカーベラの向かいに座った。


「はい、ルークが好きなんじゃないかと思って用意しておいたよ」


「ありがとうございます、カーベラ姉さん」


 机には焼き菓子の盛り合わせと飲み物のセットが。

 当然、毒が入っていないかと疑う。

 だが……


「安心して、何も入ってないから」


 何についてのことなのかは決して言わない。

 たしかにカーベラはこんな分かりやすい手を使わないな、と思いながらルークは焼き菓子を口にした。

 サクサクとした食感に、口の中に広がる甘い香味。

 案の定、毒など一切入っていなかった。

 ルークの食べる様子を見て笑みを浮かべるカーベラ。

 このままだとカーベラのペース飲まれると悟ったルークは本題を切り出す。


「そういえば、カーベラ姉さんはどうして僕なんかとお話をしようだなんて思われたのですか?」


 ルークの言葉が示す通り、今回の話し合いはカーベラからの誘いによるもの。

 その理由は不明。

 だからこそ聞く必要があった。


「随分と自己評価が低いのね。私は純粋にルークとお話がしたかっただけ。あとは、そのついでとしてルークを私の陣営に勧誘しようと思っただけ」


 カーベラは包み隠すことなく話した。

 陣営に勧誘ということは、王位争いからは降りてカーベラの味方になるということ。

 もしそうすれば、彼女の庇護下に入ることになり身の安全は保障されるかもしれない。

 ただルークには腑に落ちない点がある。


「お誘いは嬉しいのですが。なぜ僕なのですか?カーベラ姉さんからすれば僕なんかを勧誘したところで何のメリットもないのでは?」


 今のルークがカーベラに勝っていることは何一つないと言ってもいい。

 人脈、財力、実績、知名度、あらゆる点でカーベラの方が上回っている。

 

「さっきも言ったが、ルークは自己評価が低いね。たしかに、私は色んな点で貴方よりも多くのものを有している。でもね、貴方にだって素晴らしいものがあるじゃない」


「素晴らしいもの?」


「ええ、使えるでしょ魔法を」


 そう言ってカーベラは小さく微笑んだ。

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