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割とどうでもいい世界で  作者: くまじ
9/40

9 倫理のはざま

翌朝、街門が開くと二人は初めて王都の外に出た、森に近い門を選んだ、この北西の門はお世話になったあの橋を過ぎた所にある門だ、そこから身体強化で軽く走って王都を離れる。


練習を始める前に二人はステータスの確認をした。


名前 タテキ ハヤサカ (ナツキ サクラ)

年齢 12歳

職業 剣士

職業スキル

剣士 魔術士 治癒士 テイマー


スキル

魔法(全属性)

生活魔法

身体強化魔法 



表示はフォルダ式らしく、スキルの魔法をタップすると使える属性が表示され、生活魔法と身体強化魔法って魔法ってつくのになんで別なんだと心中突っ込みながら、闇属性をタップするとインベントリ、空間収納、テイム、バインドとあった、インベントリと空間収納ってどう違うんだろう?と思ったがあとで試すとして、今は考えて気になっていた水属性のウォーターボールと光属性のレーザーの複合を試してみた。


丸太の標的を置いて、6個のウォーターボールを発動しウォーターボールでレーザーを反射し軌道を変えられないか試してみる。


「ウォーターボール」

6個のウォーターボールを任意の任意の位置で留めレーザーをウォーターボールで任意の方向に跳弾させられるか。

「レーザー」

普通にウォーターボールを貫通した。

次はレーザーの魔力と魔法を制御して。

「レーザー」

ダメっぽい

ウォーターボールを圧縮して強度を上げて

「レーザー」

軌道を変える事はできたが的には当たらなかった。

レーザーだけじゃなくてウォーターボールも魔力と魔法制御を上げないとダメみたいな気がする、両方の制御を上げて。

「レーザー」

当たったけど正直しんどい、固定砲台状態で据物の的にしか当たる気がしない、つまり実戦としては使えない、大分練習が必要なようだ、折を見て練習する事にしよう。


「アンタもスキじゃね、アニメの浪漫攻撃?」

「ばってん、これ使い熟せるようになったら強力と思うよ、遮蔽物に隠れても当てらるっから」

「じゃあこれでも良いんじゃないん?」


奈津希はリフレクトを使ってサンダーを反射させ的に当てた。


「リフレクトって自分を守る魔法じゃなかと?」

「固定観念は魔法の敵よ」

あとで知ったが魔法を自分から離れた任意の位置に展開するのはかなり難しいそうだ、苦もなくやってのける奈津希は魔法の天才か?


取り敢えず魔法でやりたい事と課題は分かったので、今日はこのくらいにして、森の奥へ入る事にする。


魔力探知を使ったら魔物の位置が分かった、奈津希も同じようにやって分かったらしい、まだ経験が浅い為魔物がいるのは分かるが、何なのかは分からないので近くによって確認する事にする。


「もうそろそろ見えると思うけど」

「あれじゃない?」

「あれやね、ゴブリンやね」

「魔力探知と見えてる数は一致しとぅね」

「考えが纏まらん、見つかる前に一旦引こう」

「そう?分かったわ、そうしましょ」


魔力探知でゴブリンから距離をとった事を確認して干城はポツポツ話始めた。


「色々考え過ぎて迷った」

「ここまで来た目的は魔物に対処できるかやった」

奈津希は黙って聞いていた

「ゴブリンが襲ってきたんやったら、反撃しとったと思う」

「ゴブリンが街道付近とかの人のテリトリーに居たんやったら、攻撃しとったと思う」

「でも、さっきんはどれにも当て嵌まらない」

「こっちからコブリンのテリトリーに行って」

「こっちから襲い掛かかろうとしとった」

「それって無駄な殺生じゃなかかと思った」

「城で王の命令で襲いかかってきた騎士とおんなじ事をしようとしてるんじゃなかか?と思った」

「ホーンラビットやったら、まだ肉にして食う事ができるって目的が作れる」

「ばってんゴブリンは魔石を抜いて埋めるだけや」

「その魔石だって大して値が付くわけじゃなか」

「魔石目的にわざわざ殺す理由にはならん」

「殺す為に殺しているだけやっと思った」

「これから先ば考えたら、ここで経験を積んでおく必要があるって理屈は分かっとる」

「城で大勢殺した、それは自分達の身を守る為やったって言える」

「ばってん、さっきのは?」

「どがんしたら良かとか分からんなった」

「ひとつだけ分かっとるとは、狩と称して殺しを愉しみたい訳じゃなかって事だけ」

「オイはどがんしたら良かと思う?」

「それはウチも答えを持ってないわ、だって干城が言った事も間違いじゃないって分かるんじゃもん」

「間違いじゃなかけど、正解でもなかって事?」

「そうじゃのうて、干城がゆうた事って倫理観の問題じゃろ?倫理じゃなくて倫理観や、数学みたいに一つの正解はないけど、答えは人それぞれで、人の数だけ答えがあるって事やないん?」

「ああ、そういう事か、確かに、この世界にはこの世界の倫理や価値観がある、日本の倫理や価値観と同じじゃなかし、通じる訳もない」

「そうじゃね、しかも日本とは国が違うどころか、世界そのものが違う、道徳も倫理も社会通念も何もかも根本から違う」

「だからっちゅうてウチらがその道徳や倫理を捨てる理由も必要もない、ウチらが自ら進んでこの世界に来といて、日本の倫理をこの世界に押し付けるんじゃったら、ウチらはこの世界に異物を押し付ける迷惑な侵略者じゃ」

「けどウチらはアポなしで召喚っちゅう方法で拉致られたんや、ウチら自身自分らの価値観を大事にしようと思うても、それをこの世界に押し付けようとは思うとらん」

「そうか、そのとおりやね、少し気が楽になったよ」

「さよか?でもこれはウチの主観で正解とは言えんよ?」

「意地悪い事聞くけど、さっきオイが攻撃仕掛けたら奈津希も攻撃してた?」

「しとったよ」

「そこで躊躇ったりせんの?」

「しとらんね」

「割り切っとるね」

「ん〜…そうとも言えるけど、そこはウチと干城の倫理観っていう主観の違いやないかな?」

「て言うと?」

「つまり、自分達の倫理をこの世界のどこまで適用させるかの違い?ウチは魔物にまで適用しようとは思わんのよ、ていうて干城の主観を否定するつもりもないんよ」

「分かるような、分からんような」

「つまり、ゴブリンってラノベ的に繁殖力強いやろ、その繁殖力が強いんを放っといたら大繁殖するかもしれん、けど乱獲するとゴブリンを餌にしとるんが餌不足で人里に来るかも知れん、未来がどっちかは分からん、なら分かってる方の繁殖を抑える方をウチは選ぶかな、放っておいても良ぅはならんって事は分かってるんやからな」


千城は以外と現実主義なんだな通った。









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