7 パーティ結成
朝起きて小川の水で顔を洗い、生活魔法で出した水を飲み、周りに誰も居ないようなので上にあがり、ギルドへ向かった、60リギルの荷運びと50ギルの建築現場手伝い、奈津希は70リギルの食堂の手伝いと40リギルの買い物手伝い、それぞれ受注を済ませて仕事に向かう、倉庫の荷運びは身体強化で思ったより早く終わったので、少し追加を頼まれたのでそれを済ますと優良評価で報酬を倍にしてくた、昼前にギルドで報酬を受け取り近くの食堂でニスニラを食べた、黒パンは意外と大きく、スープも予想に反してトマトベースのスープで思ったより野菜が入っていて美味しかった。
建築現場は見た所、資材の置き場の資材が雑多に置かれ取り出しが不便であったり、動線を阻害しているようなので、素材置き場の位置を変えて良いか確認し、資材はそれぞれ作業場所に近い位置に移し、資材も使う順番に手前に置き直し、動線も確保した。
今日の予定作業が早く終わった事に現場責任の親方が不思議に思い現場で話を聞いて周り、どうやら動線を確保したり資材の置き位置を工夫したことで作業効率が上がったと分かった親方にお礼言われ、優良評価で報酬も倍にして貰えた。
奈津希は買い物手伝いで荷物を運び、そこで終わりの筈が家にいた赤ちゃんをあやしたり、食材の仕込みを素早く終わらせ優良評価で報酬倍で、次も仕事があるというと弁当にベーコンを挟んだ黒パンを貰えたらしく、ギルドで達成報酬を得て、果汁を買って昼前に昼食を済ませ、向かった食堂で仕込みや接客も行い、仕込みの早さに驚かれ、接客も卒なくこなし優良評価で報酬倍だったらしく、二人とも220リギルの報酬を受け取った。
予想外の収入に二人はギルド併設の食事スペースで果汁を飲みながら、昨夜は厳しそうだと考えていた2人は今日の報酬額に、アレ?思ったよりイケるんじゃね?平均初任給軽く超えてね?と思った、二人としては普通に働いただけで、これで優良貰えるの?日本の労働環境舐めんなという感じだった、今日の収入を基準に考えるとひと月で6,600リギルは66ネラ、銀貨6枚白銅貨6枚になるのだ、二人は相談しあい、途中で武防具購入などの出費はあると思うが、運転資金として100レラ貯金できるまでは、木賃宿を利用する生活水準でいこうと決めた。
ギルドをあとにしようとしたところで、二人はソフィアに呼び止められた、パーティを組まないのか?という事だった、干城と奈津希はお互い顔を向き合い、そう言われればそうだったと思った、二人の来歴的にこの世界の誰かとパーティを組む事は面倒と厄介と難儀の三兄弟が付いてくる事になり、実質的に不可能に近い、二人はパーティを結成する事にした。
「パーティ名は決まってますか?」
「パーティ名、ウチはええわ、干城に任すわ」
「そう?それじゃ…ええつと…」
干城は暫く考えて結論を出した。
「パーティ名はデバステーター(破壊者)でお願いします」
「いい歳して、アンタも大概な厨二じゃね」
「これでも真面目にアヴェンジャー(復讐者)アナイアレイター(殲滅者)のどれか悩んだんだけど?」
「はぁ〜…ウチよりラノベ脳のイタい厨二やったわ」
「あの…それでは登録するパーティ名はデバステーターでよろしいですか?」
「はい、それでお願いします」
「ウチより厨二って、奈津希はどんな候補があったの?」
「ウチか?ウチはレクリュース(世捨て人)ハーミット(隠者)アンフィリアル(親不孝)や」
「なんか語感がカッケェ」
「厨二っぽくて嫌やったんじゃけど、結果的にはアンタの方がウチよりよっぽど厨二脳やったな」
「パーティ登録の手続き終わりました、あの、タテキさんこのパーティ名はどんな意味なんですか?」
「意味?デバステーターの意味は前世の言葉で破壊者って意味でして、他の候補は復讐者と殲滅者でした」
「随分と物騒ですね」
「そりゃあね…名前のとおりこの世界を破壊しようって気はないんですけど、ただね、前世の人生も晩年に差し掛かろうかという時に、どうやらクソしょうもない理由で頼んでもいない召喚をされて、それまでの人生で築き上げたものを台無しにされて、住む世界そのものも取り上げらましからね」
「生きる為には食わなきゃいけない、食う為には働かなきゃいけない、だからフリーランサーをやりますけど、正直この国がどうなろうとどうでもいい、この世界も本来自分が生きる場所じゃない、どうでもいい世界かなと思っていましてね」
ソフィアもその気持ちは理解する事はできなくても、察する事はできる、12歳の天使の様な愛らしい見た目をした二人の精神は57歳と55歳だ、だから複雑そうな顔をしていた。
「因みに奈津希のパーティ名候補は世捨て人、隠者、親不孝だったんですって」
「ちょっ、決まったんやからウチの事はええやん、巻き込まんでよ」
ソフィアは二人があげたパーティ名候補に、スタンスは違えど、どちらも心の内にこの世界への諦めや達観、絶望、そしてやり場のない怒りがあるのだと感じた。
ギルドをあとにした二人は風呂屋に行く事にした、風呂屋のエントランスは椅子とテーブルがあり、なるほどこれが平民の社交場かと思った、受付けには石鹸が売ってあり、2リギルの入湯料と石鹸代合わせて6リギルを払って奥へ進んだ、風呂は男女に分かれていて、干城は中に入ると大きな湯船には角に柱があったりと、日本の銭湯とは違うがテルマエはこんなこんな感じだったのかな?と思った、掛け湯をして石鹸で身体を洗って湯船に浸かると生き返った気がした、一方奈津希も湯船でゔぁ〜っとオッサンのように唸って湯船で寛いでいた、地球の歴史ではペストの流行による誤解で風呂が廃れてしまったが、こちらはそういう事はないようで良かったと思った。
干城はエントランスで椅子に座って寛いでいた、奈津希も来たので暫く休憩して、通りの食堂で夕食のリスニラを食べて木賃宿に行こうと決めた。
昼にリスニラを食べた干城は食堂に着くまで、黒パンは結構大きかった事、スープは異世界物定番の豆と塩味のスープかと思っていたらトマトベースのスープで野菜も結構入っていて美味しかった事を話した。
二人の今日一日も終わりに向かっていた。




