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割とどうでもいい世界で  作者: くまじ
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33 フリーランサーと傭兵の違い

依頼を熟し偶に休むを繰り返す、そんなある日いつものように少し遅めの時間にギルドにやって来た二人はソフィアに受付に呼ばれた。


「盗賊討伐ですか?」

「そうなんです、傭兵ギルドの盗賊討伐に参加して下さい」

「傭兵ギルド?このフリーランスギルドとはどう違うんですか」

「お二人は、そうでしたね、概要を説明します」


傭兵ギルドとは、傭兵団と呼ばれる50人前後の集団が多数所属している組織で、主に戦争に参加して報酬を得ていて、他国へも遠征して陣借りをしたりもしている、他国から自国への戦争参加をしないのが不文律らしい。


国の軍とは良好な関係で、普段は街道の見回り警備や盗賊討伐、荷馬車10台前後かそれ以上の大規模護衛などを生業にしている組織のようだ、その為商業ギルドとも関係は良好のようだ。


「物資輸送の護衛はフリーランスギルドでは請け負わないんですか?」

「フリーランスギルドは少人数のパーティ単位ですから、商人規模の荷馬車3台程が限度で、ルート次第では2パーティで依頼を受けたりします」

「ですので、大商会や商業ギルドの大規模輸送にフリーランスギルド10パーティに依頼を出すより、人数が多い傭兵ギルドへ依頼を出した方が費用が安いですし合理的です。護衛の信頼度も複数パーティの連携よりも一つの傭兵団の組織力の方が信頼度は上がりますから」


「そうなんですね、では、対魔物戦よりも対人戦が得意という事ですか」

「どちらかと言えばそうですね、街道付近の魔物や護衛対象に向かって来る魔物に対処はしますが、魔物討伐はフリーランスギルドの領分ですね」


「盗賊討伐が傭兵ギルドの領分でしたら、なぜフリーランサーが盗賊討伐に参加を?」

「フリーランサーもパーティ単位で護衛依頼は受けます、その道中に盗賊に襲われる事も少なくありませんし、盗賊への対処が出来たかや盗賊討伐の実績がないと護衛依頼を受ける事はできません、ですので城で対人戦は経験してますが、それは表に出せない事で、実績としてまだ盗賊への対処をした事がないお二人にはこの討伐に参加して欲しいのです」


「経験値稼ぎですね、分かりました参加します」

「では、本日は傭兵ギルドへ向かって下さい、傭兵ギルドは南西門近くにあります、こちらが傭兵ギルドへ提出する書類になります」


「南西門近く、ああ、あの建物か軍の駐屯場かと思ってた」

「分かったわ、ソフィアさん行ってくるけぇね」

二人はギルドを後にする。


「そういや盗賊対処ってした事なかったね、襲われんかったし」

「う〜ん、ウチら移動が早いし、荷物も持たんから襲う価値なしって思われとったんじゃない?」

「そいはあるあも」

「ラノベで冒険者ギルドをハンターギルドとか傭兵ギルドって設定してるもんもボチボチあるけど、ガチの傭兵みたいやね、寧ろフリーランスギルドとか初めて聞いたわ」

「実際やっとる事は日雇い派遣やけんねぇ」

「やめて、なんか悲しゅうなるわ」


傭兵ギルドに到着し、門番にフリーランスギルド員カードを見せて、用件を話すと暫く詰所で迎えを待つ事になった。


「フリーランサーの迎えに来たよ。えっ?その二人?まだ子供じゃないか!えっ?ランクDフリーランサー…そうか」

「お待たせしました、お迎えに参りましたノルベルト・エコバルです」

「タテキ・ハヤサカです」

「ナツキ・サクラです」

「それでは事務所にご案内します」

イメージの軍隊みたいに規律正しかとこやな


「こちらです、団長フリーランサー2名をお連れしました」

エコバルと共に入室した二人に、団長は一瞬ギョッとした顔をする。


「よく来てくれた、私はこのレブテニィ傭兵団のベルリエ・ディグモンドだ」

ディグモンドの後ろの壁には黒地に銀のチェーンフェザーステッチのアラベスクで縁取りして、中には大きく赤い牛と盾が刺繍してある旗が掲げられていた。


干城と奈津希は落ち着いた雰囲気と口調で挨拶する。

「フリーランスギルドより参りました、ランクDフリーランサーのタテキ・ハヤサカです」

「同じくナツキ・サクラです」

「こちらがフリーランスギルドより受け取った書類になります」

「確かにフリーランスギルドの正式な書類だ、我々は今回の盗賊討伐任務に君達を歓迎しよう」

一通りの挨拶が終わった所でディグモンドは二人をソファに促し、話をする事にした。


「挨拶も終わったし堅苦しくなく話させて貰うぞ、一目見た時は可愛らしい坊主と嬢ちゃんだと思ったが、礼儀正しく全くブレない腹も据わっているようだ、フリーランスギルドがわざわざ盗賊討伐に送り込んで来るわけだ」

「そうなのですか?私達は今朝こちらに出向くよう指示されましたし、誰でも経験を積むために派遣されるのだと思いましたが」

「そんな訳あるか、お前さん達はフリーランスギルドが将来に期待する人材なのさ、ウチの団だってそうだが他所の組織に出すってのは、ウチの団の代表として出すようなもんだ、他所に出しても恥ずかしくない奴しか怖くて出せねぇよ」

なるほど、学生気分の抜けてない、ビジネスマナーが身に付いてない新人を、契約先に単独で行かせる会社はなかな。


「お前さん達にランクDの実力がある事は分かっている、だがピンキリって面もあるので、訓練場で手合わせしてお前さん達の実力を見せてくれねぇか?それが分からんとお前さん達をどう扱えば良いのか分からん」

それは干城も奈津希も納得できる事であった


「それでしたら、こちらの奈津希と1時間ほど対戦の模擬戦をさせて頂けませんか、私達の実力をお見せするのでしたらそれが最良ではないかと愚考します」

「ウチの奴ではなくお前さん達で模擬戦か?」

「はい、身体強化を使いながらのものになります」

ディグモンドは、この見た目と歳に似つかわしくない物怖じしない子供を面白いと思った、フリーランスギルドが将来に期待する人材の実力が見たいと思った。


「面白い提案だ、早速訓練場に行って、その実力を見せて貰おう」

「承知しました」


訓練場はレブテニィ傭兵団だけでなく、他の傭兵団員も含めて多くの傭兵が鍛錬をしていた、干城の要望で訓練場からは全ての傭兵の鍛錬を中断し、広い訓練場はクリアになった、傭兵達はフリーランサーの模擬戦に見学に回った、中には子供の模擬戦に訓練場をクリアにする必要があるのかと不満に思う者も居た。


二人は木剣ではなく刃引きした模擬剣を手に取った、ディグモンドの始めの号令で二人の模擬戦が始まった、何時ぞやフリーランサーに実力を見せる模擬戦が再現されていた。


ディグモンドも傭兵達も信じられない物を見ているようだった、フリーランサーは対魔物戦を得意とし、対人戦は傭兵に一日の長がある傭兵は誰もそう思っていた。


なんだこの子供は、本当に子供か?練習して決まった型を行う剣舞ではない、動きは早く、攻撃は鋭く、防御は柔らかくも固い、しかも魔法を牽制や攻撃に織り交ぜ、時にフェイクとして使う、戦ったとして勝ち筋を見いだせない。


ディグモンドも傭兵達も言葉も無く魅入られた、二人が剣を引き、残心の後に一礼したとき1時間が経過していた。


ディグモンドはフリーランスギルドが将来を期待する人材どころか、将来の英雄か、誰も勝てない戦場の化け物かと思った。














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