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割とどうでもいい世界で  作者: くまじ
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24 ひょぇぇ…そんなご無体な〜

翌朝二人は王都ディタルスブレゲに向かった、どこの街でも街門は6時に開門する、ラエスタからだと走って2時間程で到着し、二人はギルドに辿り着いた。


昨夜はバーチャルエリアに居たのだからドアを開ける時に王都周辺に出る事もできたのだが、万一にも誰かに早すぎる移動を尋ねられると、移動の労力より説明の方が面倒そうだとラエスタから走る方を選んだ、移動の足をテイムした方が良いかな?などと話しながら走っていた。


闇属性のテイムを見てみると闇属性でテイムした魔物は普段は契約者の影の中にある空間のような場所で眠っていて、必要に応じて呼び出す事ができ、契約者の魔力と繋がっていて餌は不要らしい、だが呼び出した際に餌を与える事は可能という事だったが、必要に応じて呼び出すという部分が心に引っ掛かった、二人とも異世界から召喚魔法という呼び出しでこの世界に拉致された自分の身の上と重ねて考えてしまい、あの王と同じ事をやろうとしてるのではないか?と、どうにも踏ん切りがつかなかった。


因みに、闇属性ではないテイムも存在する、こちらは属性に関わらない単なる職業スキルで、動物でも魔物でも契約出来るが、契約者の影の中の空間もなく、魔力で繋がってもいないので餌は必須なので、魔物を使役するテイマーは余り居ないし、餌代で四苦八苦するのが常だ、テイマーの多くは馬と契約し街から街の定期馬車などを運行して身を立てている。


ギルドに到着した、干城は昇級で活動範囲が広がった事で地図の必要性を感じていたので、常識相談役受付嬢のソフィアさんが空いているのを確認し、ソフィアに相談を持ち掛けた。


「地図ですか?」

「はい、活動範囲も広がりましたので地図は買えないかと思いまして」

「地図を買う?ですか、お売りする事はできませんが、お見せする事はできるかと思いますが、問題は範囲ですね」

「お二人でしたら広い範囲も許可が出るかもしれませんので、ギルドマスターに確認してきます、談話室でお待ち頂けませんか」

「分かりました、ソフィアさんありがとうございます」

「ソフィアさんありがとう」


談話室で待つ事暫くの後にソフィアは幾つかの地図を持って談話室に現れた。


「王都領からこの国と周辺国までの閲覧許可が出ましたので地図をお持ちしました」

「そんな範囲まで許可が出たんですか?ソフィアさんありがとうございます」

「ソフィアさんありがとう、無理したんやないの?」

「無理はしてませんよナツキさん、お二人のこれまでの活動実績や昇級の早さ、お人柄や先日のラエスタでの実績なども勘案しまして、すんなり許可がでました、お二人とも期待されてますね」


ソフィアはスラスラと答えた後にニッコリ笑っていた。


「そんなものでしょうか?早速王都領から拝見させて頂きます」

「はい、どうぞ」


二人は地図を見始め王都から周辺の街や村の名前と位置、主要街道を覚えようと努めた、30分ほど地図を眺めて、国内地図に切り替えた、ソフィアはそっと席を立ちお茶を淹れに部屋を出た。


物覚えのいい頭ではあるが、山の名前や川の名前まで全て覚えようとすると時間がかかったが、それでも地図を丸暗記できるのは普通ではなかった、地図は周辺国まで含めたものになり、その地図を記憶しようと眺めているうちに、奈津希の脳に何かが過った。


すっかり冷めてしまったがソフィアが淹れたお茶を飲み、ソフィアにお礼を言い、奈津希の勧めで二人はギルドをあとにした、奈津希に屋台広場に連れられて果汁を買って席を確保し、奈津希は話始めた。


「さっき地図見とってな、なんか覚えた」

「何かって…えっ!まさか?」

「うん、試してみるわ、グローブスフィア」


頭の中にこの世界の地球儀が思い浮かび、自分の位置は赤い光点で示されていた、意識的に拡大縮小もできた、拡大していくと屋台広場まで地図に表示された。


こりゃまた…と思っていると?と違和を感じ、違和に従いギルドを思いつつ「ロケーター」視界の右上にヘッドアップディスプレイのようなミニマップが出現し自分の視界を基準にヘディングアップでミニマップは回転し、足下には矢印が見えていた。


「あかん…これはあかんやつやろ」

「どう考えてもナビ、これウチらの世界の概念やろ、この世界に魔法があってもこれは無理やろ」

「え〜とっ、どうなったか聞いても?」

「ああ、うん、説明するわ」


奈津希はグローブスフィアとロケーターの事を話して、その後干城も発動できた。


「これヤバいな、正確な世界規模の住宅地図が手に入ってしまった」

「世界規模のゼ◯リン地図もヤバいけど、ナビ機能なんてウチらの世界の技術か概念やで、なんでそんな事が発現できるん?」

「奈津希の考察的にもしかしてオイ達って神様に頭の中を相当コチョコチョされてる?」

「嫌やわ〜、もしかしてウチのあんな事やこんな事も、コチョコチョされて知られとるん?」

「あんな事やこんな事…!」

「黒歴史を掘ろうとせんといて」

「あっはいっ」

「まぁ、これで奈津希の考察はほぼ的を射ているって事かな、しかも赤裸々に黒歴史まで知られているという巨大な赤字のおまけ付き」

「ああ〜〜ぅぅ〜…」

奈津希はテーブルに頭を付けて唸りだした。

「奈津希大丈夫って、神様は良く言えばおおらかで懐が深い、悪く言えば冷淡で無関心だ」

「何の慰めにもなっとらんで、寧ろ面白がっとらん?」

「断じて、そんな事はなか」

「ウチの目ぇ見て言いや」


暫しの沈黙と緊張のひとときが流れたが、奈津希は諦めたように言った。


「まぁ、済んだ事やし、神様なんて正真正銘どうにもならんし割り切るしかないか」

「そんな闇深い黒歴史なんだ」

「叩くで?」

「すみません!赦して下さい」

「しゃーないのぉ」

「赦された」

「ぶち叩くで?」

「ごめんなさい」

「でも、これミニマップ上に人や魔物は表示されないのね」

「あくまでナビの機能なんやろう、人や魔物は自分で探知してナビと擦り合わせする感じやね」

「表示されたら逆にゴチャゴチャして分かりづらかか」


「あ〜、今日は休みや、なんかやろうって気力がまるでわかんわ」


「じゃあ宿でも物色してみるか」

「ああ、そうやね、木賃宿は卒業したんやね」

「一人部屋にする、二人部屋にする?」

「そんなん二人部屋の方が安なるんやから、二人部屋一択やろ」

「相変わらず割り切ってんなぁ」

「バーチャルエリアで一緒のベッドに寝とって今更やろ」

「そいもそうか」


神様からのチートに感謝しつつも、大事な何かを失った気がした奈津希だった。






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