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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので全宇宙を自分と美少女クローンの遊び場とする~  作者: 白銀天城


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謎の龍とネオ再び

 大戦争から数日後。今日もアイドルの乗った戦艦を見張る。既に連合の支配宙域に入っており、特に敵も現れないまま全速前進。明日には連合のコロニーにたどり着くだろう。よくがんばった。


「もうイベント起きそうにないですねぇ」


「だな。これでまた暇になる」


「オーナー、運動の時間です。寝てばかりいると自律神経が乱れますよ」


「へいへい」


 仕方ない、今のところ続いているし、ちゃんとやるか。3人でトレーニングルームに行く。まずストレッチ。次にヨガ。並んでルームランナーと、実に健康的だ。


「ふふっ、最初の頃より体力がつきましたわね」


「そうだな。まだへばるほどじゃない」


「どんだけ体力なかったんですかー」


「運動ってしなくなるんだよなあ。日々を生きるだけで疲れちまうんだ」


「悲しいなぁ」


 ホログラムでアニメ流しながら、適当に雑談して歩く余裕が出てきたぜ。アラフォーでも体力ってつくのか……結構諦めていたから意外だ。


「あっ、この曲ステラリンクですよ!」


「あいつら急造チームじゃないのか?」


「ソロで活動していた時代のものですね。何人か声優にチャレンジしているようです。出演作をリストアップしますか?」


「いらん。人気アイドルだったのは本当らしいな」


 軽く検索かければ大量に出てくる。こいつら連合の支配宙域での活動にほぼ絞られているな。中立コロニーに行くこともあるが、基本的に同盟の領地には行かない。知名度も低いだろう。それでも大人気だし、まあ本戦後半までは届くはず。


「まもなく連合のコロニーです。なおステラリンクはライブ配信の予定があります」


「ライブ見たいです!」


「ギリギリで逃げ帰ってもうライブですの? すごい精神力ですわね」


「スキャンダルのないアイドルなんて潰してもつまらん。ノイジー、こいつらなんかないのか?」


「本人の個人端末を調査できていませんので、ネットの情報とサブロウ中佐の端末から推測します。少なくとも潔白に見せることには成功していますね」


 事前に調査でもしているのだろう。本人たちの会話記録でも調べれば何か出るかもしれんが、そこまでの労力使いたくない。


「ハヤテ様もあの光る棒振りながら見ましょうよ! あのぴかぴかするやつ!」


「サイリウムか? あるのかそんなもん」


「倉庫にあるのでお出しします」


「あるんかい」


 楽園はなんでもあるねえ。サイリウム振りながら楽しそうにしているリリー、少し照れながら振るシオン。2人が満足そうならいいか。しかし、楽しい時間は台無しになる。また龍が攻めてきたのだ。コロニーから続々とバトルフレームが出撃していく。


「あーもう! まだライブやってるのにー!」


「新曲聞きたかったです……」


 モニターに映る龍は、前に見たときよりも大きくなっていた。ボディパーツが5個くらいだったのに、10個を超えるほどくっついている。胴体だけで倍以上の長さになっていた。雷の威力も上がっているらしく、バトルフレームが宇宙空間で爆散していく。


「やるな。全スペックが上がっている」


 通信傍受してみると、連合軍はもう大慌てである。


『くそっ、こいつが例のドラゴンか! 落ち落とせ! 火力を集中するのだ!』


『攻撃が避けられません! うわあああ!?』


『愚かなる連合を滅する。怯えろ、竦め、恐怖の中で死ぬがいい』


 バトルフレームに搭載されているビームガンでは、龍の表面を少し焦がせるかどうかだ。素早く動くから直撃も難しい。大きな口でバトルフレームを食いちぎりながら雷をばらまく、その様子はもうファンタジー世界だ。


『主砲発射! やつをコロニーに近づけるな!』


『消えろ連合。お前たちの罪深さを思い知れ』


 龍からは連合への恨み言が聞こえてくる。報告では連合と中立コロニーがよく襲われるらしいので、なんか関係あるんだろう。


「むうー、邪魔するなー! あれ倒しちゃいましょうよ!」


「アイドル追っかけも飽きてきたところだ。適当に退治して龍を追うか」


「お供いたしますわ」


 というわけでコスモクラフトのガワ被せて3機とも出撃。龍に近づく頃には、コロニーの先発部隊はほぼ壊滅していた。


「やるもんだな。1コロニーの戦力をこうも圧倒するとは」


 遠巻きに見ていたら龍がこちらに気づいたのか、雷を放ってくる。


「おおっと、そいつは当たってやれないな」


 当然だがみんな避ける。機動力が違うのだよ。


『コスモクラフト? 連合のコロニーになぜ……まあいい、消えろ』


「無駄ですわ。その程度では落ちませんもの」


 火炎ブレスを避け、雷をかわし、シオン機がスナイパーライフルによる射撃を行う。2発のビームが宇宙をすっ飛んでいき、龍のボディを貫通した。


『バカな!? ドラグーンの装甲を貫通しただと!?』


「ドラグーンっていうのかあいつ」


「三枚におろしてやるぜぇー!」


 リリーがビームソード二刀流で迫る。回転して胴体を切り刻んで通過していった。こっちのビームや剣は通用するらしいな。


『ちっ、なんだこいつらは。オープン!』


 龍が頭と各ボディで分離した。前も見た戦法だ。散開して攻撃してくるが、そんなもので俺たちの機体には追いつけない。両手にビームエネルギーを収束。一気に解き放つと、ボディ2個を飲み込んで宇宙の塵に変えた。


『ボディが消えた……? どういう出力だ。同盟の新型なのか?』


「はっはっはー、スペックが違いすぎるのだー」


 放電しながら飛んでくる胴体パーツを、ひらりと避けては斬撃を刻んでいる。


「殺すなよ。逃して拠点をつき止める」


 一応注意してから、シオンと一緒に射撃開始。乱れ打ちで龍の風通しをよくしてやる。


「了解ですわ。聞いたわねリリー」


「わかってますよーだ」


 ボディを掴み、龍の頭に投げつける。ぶつかって装甲が破損したところに、まとめて狙撃で穴が開く。ついでにリリーが切り刻んで弱体化させていった。


『そこまでだ。戻ってこい』


『父さん、オレはまだやれる。まだコロニーは残っている』


 ドラグーンのパイロットが誰かと話している。父さんとか言ったな。


『エネルギーは30%吸い取った。苦しめるには十分だ。今ドラグーンを破壊されるわけにはいかん。復讐は終わりではないのだ』


『わかったよ、撤退する』


 ドラグーンのパーツが全てくっついてもとに戻る。若干縮んだが、それでもまだ健在だ。


『同盟の技術がここまでとは思わなかったぞ。次は狩る』


 猛スピードで飛んでいく龍。予定通り見送りながら、俺たちは楽園に帰還。ステルスモードで追跡しよう。


「さてどうなるかな?」


 しばらく追っていくと、崩壊した廃コロニーに入っていくのが見えた。あれが拠点らしいな。在外が周囲に漂い、無人の円盤が見張りをしている。


「直接行ってくる。パラドクスで出るぞ」


「わたしがここからナビしますね!」


「私もお手伝いいたします」


「わかった。頼んだぞ」


 ステルスモードのまま、そっとぶつからないように宇宙を泳ぐ。こういうのも結構楽しいもんだな。円盤のルートを解析してもらい、廃コロニーの大穴までやってきた。中には大きくて整った研究所があった。


「あれか……」


「オーナー、外の警報設備は無力化しました。ご自由にどうぞ」


「いいぞナイスだ」


 パラドクスからハッキングドローンを複数飛ばし、施設内の掌握を始める。同時に中へと潜入。今回はネオの仮面をつけて、動きやすい宇宙服で進もう。


「意外ときれいだな。だが人がいない……パイロットだけとも思えんが」


「ハヤテ様、そこ右です。龍の反応と生態反応ありですよー」


「スパイダードローンにより、ロックは解除済みです。ハヤテ様のお好きになさってください」


「了解。引き続き頼む」


「はーい」


 でっかい格納庫にたどり着くと、龍の整備が進められていた。ここで修理もできるんだな。規模は違うが、俺たちの楽園みたいなものだろうか。秘密基地っていいよな。無駄なこと考えていると、男2人の話し合う声が聞こえた。


「随分手ひどくやられたな。まさかドラグーンにここまでの損傷が出るとは」


 白髪混じりの老人が、データを見ながら驚いているような困惑しているような、複雑な表情を浮かべていた。


「オレも想定外だよ。あのコスモクラフト、普通の火力じゃない。機動力もそうだ。あんなのが開発されていたなんて……」


 若い紺色の髪の男がいる。パイロットなのだろう、ノーマルスーツのままだ。金色の目が動揺で揺れている。


「落ち着けカイニス。あれは例外だ。あんなものを量産できていれば、戦争はもう終わっている。試作機か、おそらくはまったく別の機関だろう」


「ならなぜオレを狙ったんだ? 連合のコロニーを守るコスモクラフトなんておかしいじゃないか」


「それはわからん。しかし、我々の復讐の妨げになるのなら、勝たねばならん」


 復讐ねえ……どうやら込み入った事情があるらしい。アイドル追っかけるよりは楽しそうだ。少し聞いてみるか。物陰から出て、しれっと2人の前に立つ。


「その話、詳しく聞かせていただこう」


「何者だ! どこから入った!」


 2人が同時に銃を向けてくる。構えとポジショニングからして素人じゃないな。軍人か何かだろうか。まあいい、マントを翻し、堂々とポーズを取る。


「私の名はネオ。少々お邪魔しているよ」


「バカな、ここのセキュリティを突破してきたというのか!」


「驚くことはない。単純な技術力の差だ。それより詳しい話を聞かせて欲しい。なぜコロニーを襲うのか、とても興味深い」


 さてさてどんな話が聞けるやら。

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