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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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全面対決させてみよう

 地球連合軍の艦隊は、ソニックホーク隊が合流して進んでいく。見晴らしのいい宙域を進み三日。ついに中立コロニーの近くへとやってきた。さっそく通信を始めたようだ。やつらは簡単に挨拶してから本題に入った。


『……我々は補給で立ち寄っただけだ。敵意はない』


『そちらには侵略者の疑いがかかっている。我々のコロニーを支配するつもりの艦隊であるとな』


『バカな!? 断じてそんなつもりはない!』


『それほどの武装で来る意味がわからない。補給など連合のコロニーですればいいはずだ』


『それができないから頼んでいる。帰還するコロニーが消えたのだ!』


 やはり難航している。あらかじめ周辺の中立コロニーには情報を流してあるのだ。遭難したふりをした大艦隊が、中に入った瞬間制圧しようと暴れ出すので、厳重に注意しろとメッセージを送った。これで孤立することは確定だ。


『ここは中立コロニーだ。武装解除もせずに入れると思うな』


『同盟軍対策だ。そちらに使うつもりはない』


『同盟軍が追ってきているのだろう? 情報は届いている。コロニーを戦場にするわけにはいかん。お引き取り願おう』


 まあそうだろう。実質的に匿っているようなものだ。間違いなく戦場になる。とんだとばっちりだ。俺でも断固拒否する案件である。


「さあ宇宙の旅を続けてもらおうか」


 冷えたコーラを飲み干し、ソファーによりかかる。結構楽しめるな。だが足りない。もっとあがけ。


「もっとだ。同盟軍が味方と合流される前にイベントを起こしたい。中立地帯にいるのはチャンスだ」


「狙撃方法が発覚しました。連合艦隊内部にスパイがいます。秘匿通信をキャッチしました」


「なるほど、内側から腐っていたわけか」


 通信士が一斉通信に混ぜて流しているらしい。そこにスパイ混ざるの最悪だな。おかげで同盟軍がどんどん近づいている。


「次の通信により正確な情報を混ぜろ。追い込まれての全面対決が見たい」


「了解。ちなみに連合のコロニーまでは早くて1週間後です」


「食料はまだもつだろう。だがいつまで極限状態のまま耐えられるかな?」


「緊張しっぱなしは嫌ですよねぇ」


 こっちは優雅にチーズケーキ食いながら見ている。あっちは食料をどう分けるか相談でもしているのかね。うむ、気分がいい。


「連合に動きあり。全速力で逃げる模様」


「両軍の通信を改ざんして、うまいこと鉢合わせさせられるか?」


「進行方向が違うため、行動を遅らせるくらいが限界です」


「構わん。やれ」


 俺はソファーに深く腰を下ろし、アイスティーを一口飲む。シオンが隣で静かにカップを置き、リリーはポップコーンをバリバリかじりながら戦闘開始の瞬間を待っている。


「同盟には最適最速のルートを、連合には付近のコロニーの情報を与えて航路を絞ります」


「任せる」


 ノイジーは優秀だ。こういう分野は任せるに限る。そしてしばらくあと、付近にコロニーのない中立地域。追いついてきた同盟軍と、地球連合艦隊がついに対峙した。


「いよいよだな。さあどうする? 逃げるか? 戦うか?」


 モニターには、中立宙域を逃げ進んでいた連合艦隊と、それを追いながら取り囲むように展開する同盟軍の大艦隊が映っている。戦艦の数はほぼ互角。だが同盟側のほうがやや多い。


「おっ、振り向きましたよ。逃げるのは無理だと思ったんでしょうねー」


「規模が大きすぎますもの。完全に逃げ切るのは不可能と見たのですわ」


 既にコスモクラフトとバトルフレームが宙域に散開し、互いの距離を測るようにじりじりと接近していた。


「いよいよ宇宙大戦争ですねぇ」


「こちらで戦況を映します。お楽しみください」


 ノイジーがホログラムに戦力配置を重ねて表示する。連合はかなり広がっている。密集すれば狙撃で死ぬからか。


「連合側戦艦10、バトルフレーム約180。アーチャータイプ、つまり高速移動と遠距離攻撃が豊富な換装です。ソニックホーク隊残存2機。同盟側は戦艦14、コスモクラフト約240。ブーストフェザーつきも多数。さらに特殊機体があると予想されます」


「楽しみだ」


 連合は数の上では不利。しかも同盟は追撃部隊を選んで送り込んでいる。また特殊機体が見れるはず。さあ死闘を見せろ。


「始まったー!」


 最初の一撃は同盟側からだった。遠距離からの狙撃ビームが、何もない宇宙空間を走り、連合の前衛戦艦に直撃する。装甲が赤く光り、爆発が連鎖した。


『被弾! 左舷第三砲塔破壊!』


『全艦応戦! 主砲斉射用意!』


 連合の戦艦群が一斉に主砲を放つ。極太のビームが同盟の先鋒を貫き、コスモクラフト数機が爆散した。だが同盟はさらに散開し、急速に接近を続ける。


『狙撃手を探せ! 迅速に潰せば勝機はある!』


 両陣営の殺気が画面越しにも伝わってくる。この世界の戦争をしっかり見るのは初めてかもしれない。大規模戦は常に迫力があって、展開が目まぐるしく切り替わる。


『撃ち続けろ! 同盟など恐れるに足らず!』


『連合の残党など叩き潰せ! 中立宙域ごと一掃するんだ!』


 バトルは本格化していく。ソニックホーク隊の2機が影から飛び出し、同盟のコスモクラフト部隊に肉薄する。機動力を活かした背後からの斬撃と狙撃で、次々と敵を落としていく。


『遅いぜ同盟!』


『散っていった同胞の分まで、オレたちが同盟を狩る』


『特殊部隊か! 潰せ!』


 同盟もやられっぱなしではなかった。赤く輝く多腕機体が二機、ユー兄弟の同型が戦場に現れる。ドリルとビームの乱舞で、バトルフレーム部隊を押し戻し薙ぎ払っていく。


「動きが鈍いか?」


「ユー兄弟の質がよかったと推測します」


 なるほど。コクピットを想像すりゃわかるが、操縦は曲芸に近いだろう。余程訓練を積み、兄弟レベルの相性のよさじゃなきゃ難しいのか。


『化物がまた出てきたか』


『今回は総力戦だ。あいつも開けた場所で好き勝手し続けることはできまい』


 画面では両軍の機体が入り乱れ、ビームと実弾が宇宙を埋め尽くしていた。戦艦同士の主砲撃ち合いは壮絶で、爆発の閃光が宙域を白く照らす。連合の一艦が被弾し、推進器を失って漂い始めた。すかさずコスモクラフトが群がるが、そこへバトルフレームが逆襲。ビームソードで敵を斬り裂き、爆発の中を突き抜けていく。


『狙撃手はまだ落とせないのか!』


『敵の防御が厚すぎます』


「ノイジー、狙撃手映せるか?」


「どうぞ」


 画面に写ったのは、どっしりとした太いコスモクラフトだ。黄色や緑の機体がいる。全部で5機。どいつもでっかい超ロングライフルを構えていた。


『ギガフレイム、チャージ完了!』


『一斉射撃だ! 撃てえ!』


 超極太のビームが5本、宇宙を突き抜けていく。見事に連合の戦艦に直撃。一撃で撃沈させる。しかもただ撃つだけじゃない。ビームが出ている間、振り回せば振り回すほど敵機が落ちる。


「はっはー! こいつは派手だな!」


「うーわすご」


「ギガフレイムと言っていましたわね」


「超長距離狙撃ライフル、ギガフレイム。同盟軍の狙撃特化機体です。機動力は低めですが、それを補えるほどの火力があります」


 チャージに時間がかかるらしいが、あれはやばい。かすればバトルフレームは溶ける。近づこうにも敵が多すぎる。時間がかかるほど連合が不利だ。


「もっと見たーい!」


「長距離狙撃砲、私も使えるかしら……ロマンがありますわね」


 リリーとシオンの声にも、わずかに興奮が混じっていた。戦況は一進一退。同盟は数で押し、連合は機動力とソニックホーク隊とまた別の部隊で撹乱することで対抗する。宇宙はすでに光と爆炎の嵐だ。俺はグラスを傾けながら、静かに見る。戦闘はまだ始まったばかりである。

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