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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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謎の龍VSカイザーネクサスと田中

 謎の青い龍みたいなロボが乱入。雷のような攻撃でワルキューレとコスモクラフト部隊を消していく。図体がでかいからか、雷もでかい。避けるのもひと苦労だな。


『潰せ! あんなやつに負ける我が軍ではない!』


 ワルキューレ部隊も射撃を続けるが、効果はないようだ。敵の装甲が硬いのか、何か特殊なコーティングでもしているのだろう。反撃の雷でどんどん撃墜されていく部隊は、及び腰になりつつある。遠巻きに射撃を繰り返すだけになった。


『ボクの出番かな? スパークリングジャスティス、出撃するよ!』


 ここで田中のド派手にギラついた機体が出陣。カイザーネクサスと並ぶ。ちょっといい感じだな。スーパーロボット共演というか、並んでいるのを見るとテンション上がりそうで悔しい。


『いくぞ悪しき龍! ダブルニーミサイル!』


『セクシービーム!』


 でっかいミサイルとハート型のビームが飛んでいく。だがミサイルは雷に落とされ、ビームも龍の装甲を少し焦がしたかどうかレベルだ。根本的なスペックが違うらしい。


『邪魔をするか。ならばこちらが上であると示す』


 龍が炎を吐きながら突進する。意外にもかなり速い。進路にある戦艦が頭にかじられて半壊する。さらに噛みちぎられて爆散した。戦い方まで龍っぽいな。


『人よ足掻け。悶えろ。憎め』


 こいつの目的がわからん。人類絶滅でも狙っているのだろうか。巨体で動き回るだけで、コスモクラフトが破壊されていく。これほどの強さなら、本当に達成できるのかもしれない。


『カイザーランス……フラアアアアッシュ!!』


『シャイニングブーメラン!』


 光るブーメランが雷への避雷針となる。雷バリアが薄くなったところへの連撃で、龍の装甲の表面が削られていく。だが致命傷ではない。

 まとめきれなかった稲妻によって、ネクサスの右足が破壊された。付け根からごっそりとえぐり取られたように焼ききれている。


『ぐうっ、まだだ。まだカイザーネクサスは落ちぬ!』


『その程度で守護神を気取るか。散れ』


 龍の巨大な口でネクサスの左腕と脇腹が食いちぎられて、火花と破片が飛ぶ。内部機構が露出しライトが明滅を繰り返す。相当ピンチだな。


『クリムゾンストーム!』


『ビューティーキック!』


 ビームと輝くキックでわずかに龍の口が開く。その瞬間になんとか脱出したカイザーネクサスだが、もう半壊していると言っていい。かなりピンチだ。


「ボロボロですねぇ。さあどうなる? がんばれー!」


「もう少し抵抗しているところがみたいな。龍のスペックがわかる」


「あの龍、かなりの技術ですわ。どこで製造されたのでしょう?」


「今までハッキングしたコロニー同盟、地球連合、中立コロニーのどの軍にもデータなし。個人所有の可能性が高いのでは?」


 ノイジーが言うと信ぴょう性出ちゃうんだよなあ。コスモクラフトとは明らかに技術ツリーが違う。興味が湧いてきた。


『恐れろ。絶対的な力というものを見せてやる』


 龍の口に雷が収束していく。それがかつて無い威力であることくらいは察しがついた。しかも射線上にコロニーがある。


『それだけは、それだけはさせん! クリムゾンストーム!』


『オーケイ! ボクの力を見ておくれ! パッショネイトフラッシュ!!』


 ミラーボールからぶっとい光線が出る。カイザーネクサスの赤いビームと合わさり、龍の放つ雷光とぶつかった。


『パワーが、パワーが足りないみたいだね!』


『まだだ! コロニーはやらせん!』


 明らかに雷が優勢だ。どんどん押し込まれていく。だが戦艦の一斉射撃が加勢に来た。残っている戦艦の全主砲が合わさった極大のビームが、ようやく五分まで持ち直させた。


『称賛に値する。褒美だ、出力を8割まで上げよう』


『なんだと!?』


 龍は手加減していたらしい。ビームの押し合いに変化が生じる。雷の勢いを止めることができず、最後はカイザーネクサスがその身を盾にするため前に出た。


『うおおおぉぉ! やらせるものかあああぁ!!』


『ノー! 死んでしまうよ!』


『死なぬ! 守護神は死なぬ! うわああぁぁ!?』


 装甲が溶け、焼けただれ、やがて爆発を起こして散る。守護神カイザーネクサスは、破損した頭部だけで宇宙を漂うことになった。


『バカな……カイザーネクサスが! 急いで回収しろ!』


『ワルキューレ部隊、誰でもいい! パイロットの安否を確認するのだ!』


「なかなか面白かったぞ。主役でも恵まれた存在でも、圧倒的な力の前には無力。それはそれで愉快だ」


 コロニーの守護神という特別な機体。エースパイロット。軍の援護。それだけ揃っても、正体不明の機体に蹂躙されて終わる。恵まれた連中がクソみたいな理由で負ける。そういうものが、俺は見たいんだ。


『ヘイユー! せめて目的を教えて欲しいな! 何もわからずに滅ぼされたんじゃたまったもんじゃないよ!』


『飽きた。故に平穏なる世を』


『意味がわからないね。どうしても戦わなければだめかい?』


『人よ消えよ』


 竜の火炎を避け、スパークリングジャスティスの攻撃が、わずかだが龍の鱗を削る。だが内部まで破損させるには至らない。決定的に火力が足りていないのだ。


『これほどハードなミッションははじめてかもね』


『これ以上コロニーに近づけるな! 全機出撃させろ!』


 さらなる増援がやってくる。戦艦もコスモクラフトも増え続けるが、ダメージ源は戦艦の主砲のみ。あたらなければ意味がない。


『さらなる絶望を送ろう』


 竜は5個のパーツに別れた。頭1個。胴体3個。尻尾1個。どれも雷を纏い、さらなるスピードで田中たちに突進していく。


『ノオオォォ!!』


『止められません! がああ!?』


『コロニーに取りつかれました!』


『撃ち落とせ!』


 胴体がコロニーに突き刺さって放電している。あれじゃコロニーもどうなるかわからんぞ。コスモクラフトが接近して斬りかかるが、放電の範囲が広く、下手すると爆散する。かなり詰んでいるな。


「よくわかんないけど勝ちですかねぇ」


「本当によくわからんままだな」


「煮えきらない終わり方ですわね」


「そうでもなさそうです。高熱源反応接近。コロニー内部からです」


『ハイパースピンパアアァァンチ!!』


 高速回転するパンチが2個飛んできて、胴体をコロニーからふっ飛ばした。


「ネクサスの腕? 破壊されたはずだろ」


『災いをもたらす龍よ、このハイパーカイザーネクサスがいる限り、貴様の好きにはさせん!!』


 謎の機体はネクサスを倍以上にでかくして、カラーリングをさらに派手にしたような出で立ちだ。赤と白がより強調されている。龍の頭部の前に立ちはだかる姿は立派なものだが、急に出てこられても困惑するわ。


「おいおいなんだあれ」


「開発中と噂のあったハイパーカイザーネクサスですね。サイズも含めて大幅にスペックが向上しています」


「パイロットの声が同じね。どういうことかしら?」


「カイザーネクサスのコクピットは頭部です。ギリギリで助かったのでしょう」


「うはははは! おもしろーい! いいぞアニメみたーい!」


 運がいいというか、やはり選ばれし者は違うねえ。奇跡的に助かり、新型期までほいほい出てくるのか。気に入らねえ。


「結局主人公には勝てないってか? くだらん」


 龍よ、せっかく出てきたんだ、そのよくわからん力で新型なんて潰しちまえ。力があれば恵まれた存在を、主人公を殺せると、殺しきれると証明してくれ。


『最初から全力でいく! スカーレットストーム!』


 胸から真紅の竜巻が飛び出し龍の胴体を捉える。細かいダメージを与えつつ、竜巻が拘束を続けるようだ。同時に機体の腹からバスターソードを取り出した。


『ハイパーソード! 真空竜巻斬りいいいぃぃ!!』


 バッサリいかれた胴体は大きく切り傷を作られ、内部回路が露出していた。


『ふん、火力だけは上げてきたか』


 龍のパーツが集まり合体。再び長くてデカい形態に戻る。ハイパーカイザーネクサスを敵とみなしたのだろう。


『だけかどうか確かめてみるがいい!』


 ハイパーはブーストを吹かして宇宙に軌跡を描いていく。かなりのスピードだ。雷の攻撃を避けながら進む。


『ハイパーキャノン!』


 両肩と腰に砲塔が生えてくる。4本の光線が宇宙を彩りながら龍へ向かう。


『無駄だ。雷を突破することなど……』


『シャイニングブーメラン!』


 ブーメランという避雷針により、雷のバリアがそれた。着弾したビームは大爆発を起こし、爆煙の晴れた箇所は表面装甲がごっそりいかれていた。


『貴様、まだ生きていたか』


『ボクは不死身さ!』


 龍が炎を吐きながら新型ロボに突っ込んでいく。ハイパーカイザーネクサスは迎撃のためソードからビームが迸るが、今度は外傷がつかない。そのままネクサスに突っ込んでダメージを与え、鋭い牙で脇腹に傷をつける。


『ぬうぅ!? 防ぎきれんか!』


『頭部は特別頑丈でね』


 噛みつきながらネクサスに巻き付いて締め上げていく龍。放電が直撃しているので、長時間の接近は新型でもきついだろう。


『ぐああぁぁ! この程度で倒れはせんぞ! ソードエネルギーフルチャージ!』


 龍の胴体めがけてソードが振り下ろされる。先程大きく損傷した箇所に突き刺さったあと、眩い光が溢れ出して爆発する。


『こいつ損傷箇所を……戦い慣れしているか』


『胴体は潰せたようだな』


『胴の1個だけはな。だが褒めてやろう。見事だ。2個目もくれてやる』


 龍がネクサスを離し、胴体を1個パージした。すると雷を一定の方向に流し続ける電流の檻が完成する。


『ぬうっ!? これは……』


『さらばだ。その力に免じて、胴体はくれてやる』


『逃げるつもりかい?』


『試運転で壊すわけにはいかなくてな。エネルギーはいただいた。コロニーの救助でもするんだな』


『どういう意味だ!』


 それっきり龍は何も言わず、猛スピードで離脱していった。取り残されたハイパーカイザーネクサスとスパークリングジャスティスは損傷があり、雷の檻を破壊したが追っていけるほどの余力はない。


『コロニーのエネルギーが減っています。住民の避難と救助を優先してください!』


『なんだって!? くっ、あのときの放電か? すぐに行く!』


 コロニーに突き刺さっていた胴体は、エネルギー吸収が目的だったらしい。そしてこいつらは人命救助を優先した。結果としてはまあ引き分けだろう。


「あーあ終わっちゃいましたね。もっと活躍見たかったのにー」


「結局モブしか死んでないしな。引き際がよくてつまらんぞ」


「そういえばアイドルはどうなったのでしょう?」


 そういやこれアイドルのライブだっけ。もう微塵も関係なかったな。


「無事避難完了。お互いの戦艦に逃げ込んだようです。追跡もできます」


「サンライトガーデン側に動きがあれば報告しろ。ついでに龍についても調べておいてくれ」


 あの正体不明の機体は少しだけ興味が湧いた。俺の邪魔にならなければ、しばらく泳がせておこう。アイドルの護衛なんぞつまらんと思っていたが、余興が増えてよかったな。なんとなくまた会える気もしている。そのときに期待しながら、少し眠りにつくことにした。

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