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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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サンライトガーデンとネクサス

 自分の部屋でくつろぎながら、田中がどうなったのか知ろう。ノイジーにカメラをハッキングしてもらうと、すぐに現場が映る。サンライトガーデンの戦艦内部。会議室みたいな場所で銃を向けられながらもポーズをやめない田中。あの空間の空気最悪だろうな。


『もう一度聞く。貴様の目的は何だ!』


『アイドルを救うことさ。そして戦争を止めること。それすなわちラブアンドピース! ワァオ!』


『それだけか?』


『それ以外に何があるというんだい?』


 こいつ傭兵部隊のトップのくせに利益度外視なのか。守ればサンライトガーデン側で雇われるとか、そういう計算すら無いらしい。


『証明できるものはあるか?』


『ポーズとダンスどっちがいい?』


『立つな立つな座れアホが。証明にならないんだよ』


『座ったままか……オーケイ、歌も得意だよ。レッツゴウ!』


『やめろ音楽を鳴らすな! どっから鳴ってんだよこれ!!』


 軍は田中をどこかのスパイだとでも思っているのだろうか。いきなり乱入してきた奇行を続ける変なやつだからな。軍の常識じゃ厳しいだろう。


『ボクのおかげでみんな戦闘をやめてくれたじゃないか! 死人が減ったんだよ!』


『お前の手柄じゃないわい! 防衛に成功すれば深追いする必要はないだけだ!』


 机を叩いて威嚇しながらも、疲労の色が隠せない軍人さん。アホの尋問は疲れるだろうなあ。動機関係は聞くだけ無駄だと思ったのか、別の話題になる。


『ノーマルタイプ3機は貴様の部隊か? 派手に暴れるじゃないか』


『ノーマル? ボク以外は出撃していないよ?』


 もっと強く否定しろ。お前の仲間だと思われたくない。


『我々をずっと援護しながら戦っていた、3機のコスモクラフト・ノーマルがいた。報告も多数上がっている。貴様でないなら誰だというのだ』


『誰にも出撃命令なんて出していないさ! 戦闘に来たんじゃないからね。一応確認するからデータが欲しいかな』


『無い』


『ナッシン?』


『映像記録がとれなかった。軒並み機能停止か操作不能だったのだ』


 ノイジーはうまくやってくれたようだ。これで正体がバレるのは防げる。


『全域に大音量で音楽を流せるんだ、こちらのシステムをハッキングしているんじゃないか?』


『ノー! そこまでの技術はないさ。ミッションにしてはハードすぎるね。嘘だと思うなら体を調べておくれ!』


『やめろ脱ぐな! お前の全裸とITは無関係だろうが!』


 田中は乱入したこと以外、完全に無罪だ。いくら調べても情報は出ない。だが軍は少しでも手がかりを得るために、そこからも質問を繰り返す。


『ええい、ならば誰が何のためにやっているというのだ』


『ファンじゃないのかい? アイドルを守っているんだろう?』


『ならなぜ逃げる。なぜ正体を表さない』


『謙虚なファンだね』


『そんな理屈が通るか! ええい連れて行け!』


 結局何もわからないまま、田中はどこかに連行された。それでよし。俺たちは組織に知られるべきではない。好き放題自由に生きるためには、他人など邪魔でしかないのだ。


「問題なし、と。アイドルの予定は?」


「1週間後に中立コロニーネクサスとのコラボライブが控えています。それまでは各自の配信くらいですね」


「ネクサス? どこかで聞いたな」


 炭酸飲料で頭をすっきりさせて考える。そうか、最初の方で行ったコロニーだ。


「カイザーネクサスってロボがいた場所か」


「正解です。ネクサス代表のアイドルとコラボする予定です」


「むぅー、何の話ですかー?」


「お前らが生まれる前に行ったコロニーだよ。わかりやすいスーパーロボットがいてな、アニメまで作られている」


「まあ、そんなコロニーが……」


「面白そう! それ見ながら待ちましょ!」


 というわけでアニメを見たりゲームしたり、温泉に入ったりして過ごす。ホログラムでどこにでも映像を出せるので、ゆっくり寝ながら、もしくはトレーニングルームでヨガしながらアニメ見たりする。


「こういう時間こそ大切にしないとな」


「この生活に感謝していますわ」


「うむ、よきにはからえー」


 そして色々と裏工作とか情報収集などで時間を使い、いよいよ一週間後。艦隊がずらりと並び、守護するようにワルキューレ部隊が帯同する。そのままゆっくりと現地へ移動中。ライブ会場はネクサスのコロニー内にあるドームだ。道中の障害物が多い宙域で狙われる可能性が高いと思うが果たして。


「また音楽鳴ってる……」


 船団の先頭に見たことある宇宙船がひとつ。田中のやつだ。ミラーボールみたいなロボもいる。


「あいつ仲間になったのかよ!?」


「どうやって取り入ったのさー!?」


「理解できませんわ……」


 あの状況から何があって先頭なんだよお前。本当に理解できん。戦艦のカメラをハッキングすると、偉そうな人々が渋い顔である。やっぱり本意じゃないんだろうな。あんまりかかわりたくないので、ライブまで見なかったことにしよう。


「あっ、あれがカイザーネクサスですか?」


 画面にはこてこてのスーパーロボットが映っていた。前に見たのと同じだ。戦艦を守るように飛んでいる。


「そうだ。目立つだろ」


「原色のカラーリングが目立ちますわね」


「わたしは嫌いじゃないですよ。必殺技とかいっぱいありそうで」


「そういやあったな。久々に戦いが見たいところだ」


 そんな思いとは裏腹に、ライブは普通に進んでいく。なーんも起きない。普通にアイドルがライブして、客が盛り上がる。でっかい会場で、金がかかっていることがはっきりわかる造りだ。


「好きに見ていていいぞ」


 目を閉じてベッドに寝転ぶ。こいつら応援してどうなるんだか。このレベルのアイドルはみんな何かを持って生まれてきたやつだ。顔なり声なり歌なり、何か才能を持って生まれ、特別な存在として生きている。恵まれているのに応援されようってのが気に入らない。不公平だろ。俺が得するわけじゃない。俺は何かを持って生まれていない。


「人生楽しそうにしやがって。つまらん」


「独特な感性ですねー」


「ハヤテ様のためにも、何かトラブルが起きればいいのですけれど」


 ごく普通に進行していく。もう寝ちまおうかな。両方のコロニーが中立ということは、よほどのことがないと戦闘にならない。また別の敵が来るにも、両軍を相手にする戦力を用意することができない。できても無駄な消費である。


「高エネルギー反応確認。お楽しみの時間になりそうですよ、オーナー」


「ほう、画面に出せ」


 小型の戦闘機の群れだ。戦闘機というか円盤のようだな。50を超える角ばった円盤の群れが飛んでいく。ネクサスコロニーに向けて進んでいるようだが、あんなの知らんぞ。


「所属は?」


「一切不明です。付近に戦艦なし」


「おぉ! 面白くなってきましたよ!」


「余興にはなるか。ドローン飛ばせ。もう少しだけ近くで撮影しろ」


「了解」


 円盤の群れは一直線にコロニーへ向かう。両軍の通信にも応答しない。


『ここはサンライトガーデンとネクサスにより封鎖中だ。目的と所属を言え』


『カイザーネクサス、いつでも出られます!』


『ワルキューレ部隊、発進だ。やつらが攻撃してきたら撃ち落とせ』


 どちらも円盤を敵とみなしている。そして円盤からバルカンとミサイルによる攻撃が始まった。あらかじめ予想していたからか、一斉に散開して反撃に出る。


「助けに行きますか?」


「助けたくねえなあ……俺は助けられなかったのに、こいつら助けなきゃいけないの不公平じゃん。もうちょい見てようぜ。どうせ助かる。そういう恵まれた連中だよ」


「どっちもがんばれー」


 円盤は数がいるだけでザコだな。ワルキューレの機動力についていけず、カイザーネクサスの武装で次々に沈められていく。


『カイザアアアア! ランスフラッシュ!』


 槍の穂先から迸る閃光が宇宙に花を咲かせる。相変わらず動きに無駄がない。技がド派手なのに対照的だ。


『ダブルニーミサイル!』


 両膝から飛び出す巨大ミサイルが直撃すると、爆炎が宇宙に巨大な花火を上げた。これは前にも見たな。どんどん違う技を見せてくれ。


『クリムゾンストーム!』


 額から赤いビームの渦が巻き起こる。円盤を何機も飲み込んで、洗濯機のようにかき回して爆散させていく。いいぞ、それでこそスーパーロボットの武装だ。


『カイザーネクサスにばかりやらせてはいかん。ワルキューレ部隊の底力を見せつけるのだ!』


『了解!』


 統率の取れた高速集団戦闘で着実に数を減らしていく。どっちもプロだねえ。だがそれだけだ。どうにもおかしい。


「お気に召しませんか?」


「円盤の狙いがわからん」


 これでは両軍の実力を見せびらかすことしかできていない。デモンストレーションにしては大げさだし、死人が出るほどの価値はないだろう。ならば本質は何だ。


「円盤はすべて無人機です」


「ほほう、これはさらに意図がわからんな」


「マッチポンプというものでしょうか?」


「にしては必死というか、通信でだーれも知らなそうですよー?」


「高エネルギー反応接近中」


 突如周囲に雷が落ち始める。宇宙空間だぞここ。稲妻がワルキューレ軍団を焼き、ネクサスのコスモクラフトを貫く。


『総員散開! どこからの攻撃だ!』


『わかりません! 所属不明機を経由して攻撃してきています』


『なんだとお!?』


 雷は円盤の表面を伝っているようにも見えた。なるほど、ボスの登場か。


「高エネルギー反応、高速接近中。モニターに出します」


 それは龍だった。東洋の伝説に出てくるような、巨大で青い龍そのもののフォルムをしている。青く輝く鱗、金色のたてがみ、長くうねる胴体。どれもが龍であることを伝えてくる。頭部の造りからロボットだとわかるが、生々しく威圧感を放つ龍がそこにいた。


「うーわ派手ですねえ!」


「全長500mを超えています。データにない機体ですね」


『所属不明機に告ぐ。ただちに所属と攻撃目的を言え! これ以上の攻撃はサンライトガーデン、ネクサスへの宣戦布告であるとみなす!』


 軍人さん激おこである。そして周辺宙域に男の通信が響く。


『消えよ人間。絶えよ人類。粛清を開始する』


 龍が一瞬まばゆく光る。それだけで、ワルキューレとコスモクラフトの3割が薙ぎ払われた。

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