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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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サンライトガーデンのワルキューレ

 数時間後。目当てのコロニー『サンライトガーデン』を目視した。シャトルでそっと港へと飛ぶ。途中で白い機体を目にする。シャープで中性的なフォルムをしている。複数いることから、あれがこのコロニー限定のコスモクラフトだろう。結構な数がいる。警備がしっかりしすぎているくらい厳重だ。


「コスモクラフト・ワルキューレ。機動力に優れ、遠近両方に対応できる機体です。スーパーロボットというよりは、量産型機体でしょう。肩に入っている花のマークで部隊がわかります。全長25m。ビームレイピアとバルカンを装備。腕か肩に取り付けられるビームガンにより、射撃戦も可能。少々女性的にも見えることから、固定ファンもいます。フィギュアなども売られていますよ」


「ほほう、優雅なもんだな」


 コロニー内部へ到着。一見普通だが、隅々まで見ると隠しきれない汚れや破損した部分が見える。本当に古いコロニーらしいな。だが住民は苦しそうな顔をしていないし、内部も明るい。店もちゃんと営業しているようだ。


「細かいところを見なければ普通か」


「街頭モニターに映っているのも、店から流れてくるのもアイドルソングですが、それ以外は問題なく感じますわ」


「空気もきれいだし、街がカラフルでかわいいなー。あ、あれ出場する子たちだ!」


 モニターで特別番組がやっている。足を止めて見ている人間も多い。俺たちも近くのベンチに座って眺めてみよう。


『みんなー! 今日も楽しんでくれたかなー!』


 こいつがリーダーなのだろう。いかにも元気そうな動きで笑顔を振りまいている。


『私たちインフィニットフラワーは、皆様に最高の時間をお届けするために、これからも精進いたします』


 穏やかでやんわりとした雰囲気の女だ。無理のない優等生って感じ。


『コロニーのためにも、絶対勝つわ! 私たちの活躍、その目に焼き付けなさい!』


 金髪でスタイルのいい、学年で言えば3年生のお嬢様というかお姉様というか、そんなやつだ。自信がうかがえる。


「あいつらが代表か。どうやって選ばれた?」


「コロニー内で大規模な大会があり、優勝者がインフィニットフラワーです。オーナー好みのアイドルですか? クローン制作プランも作れます」


「いらん。普通に見よう」


 スペックは高そうだし、曲も悪くはないだろう。普通に上位に行けるんじゃないだろうか。アイドルの大会なんてほぼ見たことがないけどな。


「推していきましょうよー」


「別に才能のあるやつは勝手に世に出るだろ。わざわざ応援せずとも、あいつらコロニー代表なんだし」


『よーし! ラスト、いっちゃうよー!』


 これからだというのに、警報が鳴り響く。


「どうした?」


「敵襲です。おそらく敵対するアイドルのコロニーが勝負を仕掛けてきました」


「勝負ってアイドルの? 楽しそう!」


「それで警報は鳴らないでしょう。ノイジー、説明お願い」


「大会の規約でアイドルの警備はすべてコロニーの自己負担かつ自己責任となっています。つまりロボットで襲撃して再起不能にするという手段が存在します」


「アホか!」


 なにそのクソルール。だからワルキューレの警備が厳重だったのかよ。


「あーあ、ライブ止まっちゃった」


「敵戦艦1。コスモクラフト隊が発進。本気でライブ会場を襲撃するつもりですね。オーナー、次の命令をどうぞ」


「しばらく見物だ。ワルキューレとやらの性能を見せてもらう。ただしアイドルがどこに行ったのかだけは監視し続けろ。面白そうならどっちかに乱入する。シャトルに戻るぞ」


「了解。端末に中継し続けます」


 アイドルは避難を始めているようだ。兵士たちにガードされながら進んでいる。まあ問題ないだろう。

 一方でワルキューレたちの戦闘は、なかなか見ごたえのあるものだった。敵はマシンガンやバズーカで武装している。弾幕を張って制圧しようとしているのだろう。ワルキューレ部隊はするりと避けながらビームガンを連射する。腕や肩にくっついているタイプなため、手ぶらで連射できるのが強みだろう。


「ワルキューレ有利に見えるな」


「結構やりますねぇ。がんばれー」


 両手のビームレイピアで敵を斬り裂いては急速離脱を繰り返す。蝶が舞うようにひらひらと飛んではビームの連射で攻撃していく。かなり慣れている動きだ。統率も取れている。ノーマルのコスモクラフト隊では分が悪いな。


「コスモクラフト隊の動きが妙ですわ。撃墜も進軍も考慮されていないような……何か狙いがあるのかも」


 理由はすぐに分かる。戦艦がコロニーの外壁の一部に集中砲火を始めた。


「ライブ会場のある場所か?」


「正解です。コロニーの外壁は分厚いので、すぐに貫通はしません。ですがアイドルだけ倒せばいいなら効率的な手段ですね」


「戦艦の護衛をしつつ、狙いがバレないように戦ってたってことかー。やるねぃ」


 ワルキューレ部隊も気づいたのだろう。戦艦へ向かうが、その戦艦から大量のコスモクラフトが出てくる。迎撃準備はバッチリらしい。


「ちっ、つまらんことを……」


「オーナーに朗報です。敵はコロニー同盟の一部。担当アイドルは金とコネでのし上がった組織票です。殺しても問題ないかと」


「そいつらが上に行くよりは面白そうだな。やるぞお前ら」


「おお、出番ですねー」


「なんなりと」


 いきなりアイドルが死んだら興ざめもいいところだ。シャトルから楽園へ到着。パラドクスの前へ走る。


「あれの準備は終わったな?」


「完璧に。私のようなパーフェクトAI以外、見破れるものはいません」


 3機ともコスモクラフトノーマルのガワが被せてあった。俺たちの機体を見られるわけにはいかない。だからこれは実際に軽量装甲を被せ、ホログラムで細部を調整されたものだ。信号も完璧に偽装されている。これなら戦場に出られる。


「コスモクラフトノーマル、出るぞ!」


「にせコスモクラフト、出まーす!」


「偽クラフト、発進いたします」


 宇宙の闇の中、俺たちは並んで飛び立つ。推進力は変わらない。操作性も問題なし。いい仕事だぞノイジー。早速近くの敵に攻撃開始。俺は手のひらからビームを連射して牽制。シオンのライフルが正確にコクピットに直撃していく。


「へいへーい、アイドル守り隊の参上だぜい!」


 リリーが二刀流で斬り込んでいく。多腕は封印。流石に目立つからな。俺も全身からビームを撃つのはやめておく。シオンはクリスタルビット禁止。まあ縛りプレイだと思えばいいや。性能差は圧倒的なので、これでも全然戦える。


『なんだこいつら!?』


『サンライトガーデンの増援か!』


 通信を傍受するのも忘れない。敵はコロニーの増援だと思っているらしい。都合がいいな。


『何だ……? ノーマルタイプ?』


『識別信号は味方ですが……』


 ワルキューレ側はもっと混乱している。知らん連中から味方信号が出ているのだ。しかも本当に敵を蹴散らしている。まあ意味わからんよな。気にしないでくれ。


『なんだか知らんが敵じゃないなら放置でいい! 攻撃続行だ!』


 臨機応変だねえ。邪魔しないならそれでいいか。戦艦目指して3機で接近。ビームの雨を降らせる。さほどでかい戦艦でもないし、あっさりと誘爆が始まる。


『これ以上近づけさせるな!』


『なぜだ、どうやったらあんな速さで動けるんだ』


『とにかく撃ち続けろ!』


「攻撃が雑なんだよ!」


 大きく旋回して飛び回る。横回転と縦回転を組み合わせて回避。照準を合わせる時間を与えなければいい。速さでどうにでもなる。あとは拡散ビームでちまちま敵のボディを破壊していく。


「動きが単調ですわ」


「止まったら死ぬぞー!」


 機体のダメージにより露骨に機動力が落ちたものから死ぬ。正確な射撃と速すぎる太刀筋をかわせない。


「死にな!」


『回避! 回避急げ! うわああぁ!?』


 両手のビームを合わせて戦艦のブリッジに放つ。宇宙の闇に盛大な花火が上がった。これくらいでいいだろう。


「よし、残党はワルキューレにやらせる。隠れるぞ」


 3機で大きめの小惑星の影に隠れる。ステルスモードオン。そっと宙域を離脱した。やつらには突然消えたように見えるだろう。


『やつらどこへ行った?』


『完全にロストしました』


『ええい、なんだというのだ! 各機掃討を続けろ!』


 こうしてアイドルのピンチは救われた。だがこれは始まりだ。しばらく裏から引っ掻き回してやるとしようじゃないか。

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