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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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スーザン破滅編決着

 スーザンの旦那であるバリーのアジトを特定。表向きは普通の会社だ。いい土地に建っているな。爆弾とカメラを付けたガキの首を送っておいたので、部屋でどうなるか観察しよう。ポップコーンとコーラは用意した。


「さてどんな反応をするかな?」


「わくわくですねぇ」


 まだ箱の中だから画面が暗い。少し音量上げよう。


『ボス宛? どうする中身見るか? あぶねえもんじゃねえだろうな』


『荷物が届いたことだけ連絡しよう。宛名がない』


「かしこい」


「無駄に知恵が回りますわね」


 報連相ができておる。裏の連中の分際で生意気な。いや1ミスで殺されるから慎重なのかも。ボスに中身確認してもってこいと言われている。さあ箱が開くぞ。


『さあて何が入ってやがるんだあ? う、うわっ!?』


『ゲエェー!? 首だ! ガキの首だ!』


 大騒ぎである。箱はテーブルの上に置かれているのか、男たちが覗いては下がっていく。その中の1人が呟いた。


『おい、これ坊っちゃんじゃねえか?』


 静まり返る室内。おそるおそる覗き込んでくるザコのみなさま。


『似てる……いやけど可能か? お前できるか?』


『無理に決まってんだろ。けど生々しすぎねえか? どうする?』


『報告するっきゃねえだろ……あーあ、なんでオレらが出勤のときに……』


 しばらくあと、ヒゲヅラの男がやってくる。偉そうにしながら近寄ってきて、箱の中を覗き込んだ。


『どこのどいつだ、ふざけたプレゼントを送ってきやがったのは』


 おっちゃんがフリーズする。生首が生々しく現実を伝えているのだ。そしてどこかに電話し始めた。


『そうだ、探せ。部屋にいるはずだ。何?』


 顔が驚愕と困惑に染まっていく。家にでも電話したな。今頃坊っちゃんの首無し死体が見つかっているはずだ。それが伝わったのだろう。


『くそったれがあ!!』


 椅子蹴り飛ばして激昂している。手下は暴れ出したボスを遠巻きに見ている。


『こんな姿になっちまって……警備は何をしていたんだ。かわいそうになあ。辛かっただろう。痛かっただろう』


 生首の頭に両手で触れている。悪人にも家族愛はあるのかというテーマが目の前で繰り広げられていくのは興味深い。


『仇は取ってやるからな。このオレの家族をこんな目に合わせたんだ。オレのメンツを潰すやつは、誰であろうが殺す。オレに喧嘩を売って無事だったやつはいねえんだ。だからこそこのコロニーのトップでいられる。必ず見つけ出す』


 復讐に燃えているようだが、こいつはまだ一度も涙を流していない。


『なんでもいい、手がかりを見つけろ! オレを舐めたやつを見つけ出して連れてこい。ぶっ殺してやる! やられっぱなしじゃ収まらねえ!』


 そして慌ただしく動き始める部下たち。つまらん。


『見てやがれ……俺の顔に泥を塗ったんだ。必ず八つ裂きに……』


「はいどーん」


 大爆発が起き、カメラが壊れて映像が途絶えた。これにてボスの抹殺完了。


「つまらん。ガキが死んだことより、自分のメンツが潰れたことを気にしていた」


「親子の情というものが薄く感じましたわね」


「悪人は悪人ですねぇ」


 結論。ガキを少しは心配していたが、やはり自分第一。所詮悪人である。


「人間なんてこんなもんだよな。つまらん。あとはババアをどう殺すかだな」


 敵対した張本人だ。当然だが生かしておくつもりはない。処刑方法をどうするかである。普通にやってもつまらんよな。

 そして今は夜。もうガキの死体は見つかって、ババアも家にいる頃だろう。


「よし、ババアの端末に通信入れろ。顔は出さなくていい。声をあの時に変えるぞ」


 とりあえず現状を知らずに殺すとつまらん。しっかり伝えていこう。連絡はすぐについた。


『誰だいこんなときに』


「ハローババア。ガキの首は見つかったかい?」


『その声……あの時の若造か!』


 声に焦りが見える。自分のガキが死ぬと、あんなババアでも焦るんだな。


「正解。首はあんたの旦那に届けた。まあその旦那も死んだけどな」


『世迷い言を……』


「ニュースで爆破事件やってるぜ。場所は見覚えあるだろう?」


『…………目的は何だ? これだけのことをしたんだ、狙いがあるんだろう?』


「お前をできる限り苦しめて殺すことさ。ガキを殺し、旦那を殺し、口座も隠し金庫もゼロにした。破壊して奪い、最後にはあんたも殺す。それで満足だ」


 しばし沈黙。情報を整理しているのかもしれない。残高の確認でもしたかな。


『誰に頼まれた?』


「俺個人が気に入らないからやった」


『ならどこの組織だ』


「背景はない。俺が喧嘩を売られたから殺した。理解しろ。あらゆる組織の権力争いも政治的因縁もない。ただ犬カフェで手荒な真似をされたから、お前の家族を殺して財産を奪った。他に聞きたいことは?」


『以前からの計画でもなく、本当に偶然の接触だというのか?』


 絞り出すような声に変わっている。ようやく状況を掴んだか。


「そうだ。俺たちを排除しようと、ボディガードに手荒な真似をさせたのがアウトだ。暴力に出るのはNG。あと犬がかわいそうだろ。動物には優しくしろ」


『どこにいる? 最後は私なんだろう? 私を見つけられなきゃ無意味だ』


「屋敷にいるのは掴んでいる。どこに逃げようと無駄だ」


『そうかい、だが私は逃げ切ってみせる。今は逃げても、かならずお前たちを追い込んで地獄に落とす。私に逆らって生き延びたやつなんていないんだ』


 まだ何か手段でもあるのか、逃げられると確信しているような口ぶりだ。


「オーナー、スーザンの屋敷から謎の高エネルギー反応」


「なになに? まだなんかあるの?」


 コロニーのカメラをハッキング。屋敷の映像がどんどん出てくるが、異常がみられない。車が出ていく様子もない。


「コロニー外周にカメラを回します。移動している模様」


 なんで外周なんだよと思っていると、ぽっかり開いた穴から黒いワニみたいなロボットが飛び出してきた。


「ワニ……でしょうか?」


「ワニだな。宇宙にワニがいるぞ」


「データ照合完了。ブラッククロコダイル。全長50m。変形可能なオーダーメイド・コスモクラフトです」


「とんでもねえもん隠し持ってやがったな」


 宇宙をワニが猛スピードで飛んでいるの面白い。ケツや足から火が出てるやん。


「まあいい。あれ壊せば終わりだろ。パラドクスで出るぞ」


「了解。楽しんできてください」


「お茶を淹れておきますわね」


 いつものやつをやって準備完了。パラドクスでワニの正面に出る。


『見慣れない機体だね。構っている暇はないんだが』


「俺だよババア」


『なっ!? こんなところまで追ってくるか。余程私が気に入ったようだね』


「殺す対象としては最高さ。爽快感と達成感がある」


『ぬかせ!』


 ワニの口からビームが飛んでくる。身を捻ってかわすと、ワニの巨大な口が迫る。歯がビームソードの役割を果たしているようだ。


「当たるか!」


 ワニの下顎を蹴り上げる。旋回して背中にエルボーを叩き込む。装甲が曲がり、軽く火花が散っていく。なおも抵抗を続け暴れるワニのしっぽを掴んで振り回す。


「オラオラオラ!」


『やめろ放せ!』


「飛んでいけ!」


 投げ飛ばしてデブリに激突させる。ワニの顔がへこみ、左半分が潰れて中の部品が見えている。それなりに頑丈だな。


『ぐうう、調子に乗るなよ!』


 ワニが人型へと変わっていく。両手のビームクローと、胸にあるワニの顔からビームを飛ばしてくる。急旋回と急発進を繰り返して回避。的確に素早く距離を詰める。


「その程度か! パイロットとしてはいまいちだな!」


 右手にビームの刃を展開。ブラッククロコダイルと切り合ってみる。パワーも結構あるみたいだが、パラドクスには足りない。細かい傷を増やすだけだ。やがて痺れを切らしたのか、大出力にしたビームクローを振り上げてきた。


『なめるなよ……死んじまいなあ!』


「大振りか? 隙だらけだ!」


 胴体にビームドリルパンチを突っ込む。装甲を掘り進んでいくが、コクピットっぽいものがない。ワニだったロボが大暴れしながらパラドクスの腕から逃れた。


『おのれ、こいつの装甲に傷をつけるとは……でもまだ負けたわけじゃない!』


 腹に穴が空いているのに、機体もババアも元気だ。じゃあコクピットは頭にあるっぽいな。


「負けを刻み込んでやるよ。ビームスラッシュ!」


 両手からビームの刃を生成。ブラッククロコダイルの四肢を切り落としていく。


『ちくしょうどんな火力だ! こうなったら!』


 半壊した機体で突進してくる。爆発にでも巻き込むつもりだろうか。そう思いながらバリアの準備をすると、敵機の頭だけが飛び出して俺の背後へ。口からビームを出してきた。完全な不意打ち。


『もらった!』


 だが甘い。背中と後頭部からビームを出して迎撃する。俺の放ったビームがワニの頭を貫いた。


『そんな!? そんなバカなああぁ!!』


 頭部は爆散。ババアは断末魔とともに消えた。ボディの方もビームで消し飛ばす。これにて復讐完了。色々と手間がかかりもしたが、やってみりゃ楽しかったな。


「こちらハヤテ、始末完了。帰還する」


 ひと仕事終えた達成感のまま、俺はみんなの待つ楽園へと帰還した。

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