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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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犬カフェと顔に傷のある女

 港で田中と別れた次の日の朝。目的の犬カフェへ行く。まだ昼前の平日だ。人も少ないだろうし、ゆっくりできそうで楽しみである。


「ここが犬カフェ……なんか独特のにおいがしますねぇ」


「すぐ慣れるさ。生き物が多いっていうことはそういうことだ」


 犬カフェも猫カフェもそうだが、入口から独特のくささあるよな。初心者でも10分もすれば慣れるから、そんなに心配することもないが。

 受付で説明を受ける。ついでに犬のおやつとか注文したら、ついに中へ。


「はっ、犬が、犬がこっち見てますよ!」


 ガラス越しにもう犬がこっち見ている。かわいい。早速柵を超えて入ってみよう。するとそこには。


「オオウ、マーベラス。いやワンダフルだね」


 田中がいた。ド派手な服を着て店の奥で寝そべり、犬に群がられている。なぜここにいる。まさか尾行されたのか。ならノイジーから連絡が入るはず。いやそもそも俺たちより先にいたってことだよなこいつ。


「おっと、ソーリー。わんちゃんを独占してしまっていたかな。ほら、あっちのレディたちにも行っておあげ」


 顔を変えているからか、田中はこちらに気づかなかったようだ。やがて犬は店内に散っていく。


「君たちも癒されるといい。ボクのようなハードなミッションをこなす男には、アニマルセラピーが必須でね。疲れたら癒されに来るのさ」


 なんで話しかけてくるんだろう。昨日の客だとバレていないんだよな?


「アデュー」


 ポーズ取って帰っていった。行動が読めなくて怖い。二度と会いたくない。


「気を取り直して楽しみましょう」


「そうだな。よし、忘れよう」


「うわー、かわいいー! ほらほらおいでー」


 でっかいゴールデンレトリバーの前に座り、頭と背中を撫でるリリー。犬はおとなしいのか、そのまま撫でられている。


「わしゃわしゃー」


「わふ、へっへっへっへ」


 リリーがめっちゃ笑顔だ。楽しんでいるようで何より。さらにシオンにもコーギーが近づいている。


「ふふっ、こんにちは。どうしたのかしら?」


 軽く撫でられると仰向けになり、手でちょいちょいとなでなでを要求している。人に慣れているのか、全体的に人懐っこい犬が多いのかもしれない。


「あらあら、こうすればいいのかしら。よしよし、いい子ね」


 シオンがおなかを撫でてあげると嬉しそうにしている。犬が懐いてくれてシオンも嬉しそうだ。俺も座っていると、もこもこしたやつらがやってくる。


「よし、撫でてやろう。怖くないぞ」


 もこもこ犬とポメラニアンを撫でてやる。ふさふさもふもふしていて毛並みがいい。手入れがちゃんとされているな。ようやく落ち着いてきたぜ。


「よーしよーし、かしこいぞー」


 大きなゴールデンレトリバーがリリーの膝に頭を乗せ、尻尾を大きく振っている。リリーは目を細めてその頭を両手でわしゃわしゃと撫で回している。


「あったかくてふわふわー。最高だよこれ! もっと撫でていい?」


「わふ!」


 犬は嬉しそうに体を預けてくる。リリーの笑顔がこれまでで一番輝いている気がした。隣ではシオンがコーギーのお腹を優しく撫でていた。コーギーは仰向けのまま足をぴくぴく動かし、完全にリラックスしている。


「ふふっ、いい子ね……。お腹ぽんぽんしてあげるわ……あら?」


 チャウチャウが撫でられ待ちをしている。シオンは空いている手で優しく頭を撫で始めた。するとシオンの膝の上で丸くなる。


「ちゃんと待てて偉いわね。よしよし」


「んー? なんか後ろ向かれる……背中撫でればいいのかな?」


「背中を見せてくっついてくるのは信頼しているんだよ。安心しているからその体勢なんだ」


「ほうほう、いい子だねー、ぬおお」


 油断していたリリーの横からサモエドが乱入。手を舐められて催促されていた。


「はいはいー、落ち着いて。白くて綺麗だねぇ。撫でてあげようねぇ」


 背中に手を回し、抱きつくような形でサモエドを撫でてやっている。俺も犬と紐の引っぱりっこして遊んであげる。他の客も少なく、ただただ心地いい時間だった。


「おや、この時間から貸し切りにしておかなかったのかい」


 顔に大きな傷のあるおばさんが、男を数人従えて入ってきた。ボディーガードだろうか。服装が全員同じスーツだ。


「使えないね。まあいいさ」


 カフェの中央に座り、男になにか指示を出している。近くにいたスタッフが慌てて駆け寄るが、おばさんは手を振って追い払う。


「いいさ。今日は気分がいい……あら?」


 おばさんの視線が、リリーが抱いているゴールデンレトリバーの方に止まった。


「その犬、なかなか血統が良さそうね。毛並みもいい」


「でしょー、おとなしくていい子だよー」


 楽しげに話すリリーに対し、男の一人が即座に動き、リリーの膝の上からゴールデンレトリバーを強引に引き剥がそうとした。


「えっ、ちょっと! やめてよ!」


 リリーが慌てて犬を抱きしめるが、男は容赦なく腕を伸ばしてくる。犬も不安げに体を震わせ、尻尾を巻いている。


「おいおい、子供から犬を取り上げなくてもいいだろう」


 マジで余計なことすんな。リラックスタイムなんだよ。犬を怖がらせるんじゃない。もしリリーに触れたらその時点で殺そうか。


「早くしな」


「はい、ただいま」


 男たちが空いている犬を集めて持っていく。だが半分以上は嫌がっているし、どこかへ行ってしまう。動物は気まぐれだし、人間の都合で動いたりはしないのだ。


「すみませんスーザン様」


「早くしろと言っただろう。滞在できる時間は短いんだ。帰らせろ」


 帰らせろという言葉の意味がすぐにわかった。男たちが圧をかけて他の客を帰らせている。そうすりゃ犬を独占できると思ったのか。普通に営業妨害だと思う。


「お前たちもおとなしく出ていけ」


「意味がわからん。犬はいっぱいいるんだからいいだろ別に」


「そんなやり方をしても、わんちゃんは懐きませんわ」


 めんどくせえなもう……ポメラニアンを撫でるという至福の時間を邪魔するな。


「俺たちのことは気にするな。そっちはそっちで楽しめ」


「聞き分けのない坊やがいるようだね。逆らっても損しかないと理解できないのか」


 スーザンの顔が一瞬歪んだ。火傷の痕がさらに強調される。坊やって言われるの超久しぶりだな。そういや今20代後半くらいの見た目なんだっけ。


「ガキは痛い思いをしないと学習しないかい? 連れの女の綺麗な顔が傷つくのは嫌だろう?」


 ボディガードがシオンとリリーに近づく。一応穏便に済ませようと思ったんだがな。似合わないことはするもんじゃないね。


「痛い思いねえ……その顔のでっかい傷みたいな?」


「誰にものを言っているんだい坊や?」


「いや誰だよ」


 完全に初対面だよ。知るわけねえだろババア。


「私を知らない? このコロニーの人間じゃないね?」


「だったらどうした? 犬カフェで偉そうにしても滑稽なだけだぞ」


「口のきき方に気をつけろ。状況が読めないほどガキでもあるまい」


「状況ねえ。察するに、今日はその汚え傷でも舐めてもらいに来たのかい? 唾つけときゃ治るってか?」


 おっ、室内の空気が凍ったぞ。いいねいいね面白い。


「私の顔を笑ったやつは、みんないなくなる。二度と会うことはない」


「何回も見たくなるほど綺麗なツラじゃないもんな」


 やばい。超気持ちいい。強大な力とは、こういう状況で相手をコケにするためにある。間違いなく。

 男がこちらを掴もうとするので、麻酔銃で眠らせる。1人が倒れると、他の連中が動き出す。だがその瞬間にはシオンの麻酔銃で倒れていく。残るはババアのみ。


「顔も心も汚えババアと相席で犬カフェとは、俺もついてねえなあ。今日は帰ってやろうじゃないか。感謝しろよ」


「名乗りな坊や。墓に刻んでやるよ。そっちの女2人も一緒に入れてやる」


「おいおい敵にヒントもらおうとしてんじゃねえよ。自分で探りな。じゃあな」


 麻酔銃で許してやる。ここで殺さず、犬カフェを血で染めない気遣いができた俺を誰か褒めろ。店を出てすぐノイジーから連絡が入った。


「名前はスーザン・ジェルミ。39歳。夫は貿易商とは名ばかり、このコロニーを裏から支配している存在です。11歳の息子が1人」


「ガキを見せしめに殺す」


「ちょうど家庭教師が到着するまで2時間です。入れ替わってしまいましょう」


 そのへんの自動運転の車をハッキングして、家庭教師の乗っている車に追いつくと、ハッキング開始。トンネル内部で停車させる。あとはあっちの車の窓をノイジーが開けて、俺が麻酔銃を撃ち込むだけだ。


「顔の複製完了しました」


「ご苦労」


 俺の顔が家庭教師に変わる。いつものマスクとナノマシンは便利だね。乗ってきた車にこいつを運び、家庭教師の車に乗り込んで準備完了。さっさとババアの息子に会いに行こう。シオンとリリーは車で屋敷近くの駐車場に待機。何かあればすぐ発進できるようにしていてもらう。危険なことはさせたくない。


「家庭教師はどうしますか?」


「車ごと遠くの駐車場にでも止めておけ。殺すつもりはない」


「了解」


 そしてでっかいお屋敷前に到着。玄関でカメラに顔を出して開けてもらおう。中でメイドに挨拶して、堂々と入っていく。ガキの部屋はドローンで特定済みだ。


「さてと」


 誰にも見られていないことを確認し、クーラーボックスから多脚型ステルスドローンを出す。


「そっちは任せる」


『はいはーい、操縦ならお任せでーす』


 ドローンが歩き出すと同時に姿が消える。外にいるリリーに遠隔操縦させ、ババアのPCから情報を盗み出すのだ。

 さあここからだ。俺は気を引き締めて笑顔を作り、ガキの部屋に入る。


「坊っちゃん、お勉強のお時間ですよ」


「何だよお前、いつも時間通りに来るのに、今日は速いんだな」


 見るからに生意気そうなガキだ。いい部屋に住みやがって。ゲームングPCが高価なことと、最新のゲーム機が揃っていることがわかる。上級国民だねえ。

 つきっぱなしのPCに端末を接続。こっそり内部をハッキングしながら、しばらく時間を稼ごう。


「遅刻しないようにと、少し早く来ました」


「あっそ、お前クビだから」


 おやおや、ガキがご機嫌斜めだねえ。それでも俺はにこやかな笑顔を維持したまま、ゆっくりと歩み寄る。


「理由をお聞きしても?」


「とぼけんなよ。テストの点が下がったの、言うなって言ったのにママに言っただろ。おかげで買ってもらえるゲームが減ったぞ」


 買ってもらえはするんかい。ツッコミ入れたいけど我慢だ。


「生意気なんだよお前。子供だからってママを優先しやがって。クビになれ」


「ははっ、それは手厳しい」


「お前、今日はなんか変だぞ。もっと僕の機嫌を取れよ。余裕かましてんじゃないぞ。謝れよ。じゃなきゃクビになるだけじゃ済まさないぞ」


「俺は正常さ。お前は首になるだけで済ませてやるよ」


 ガキの頭を掴み、隠し持っていたビームソードのスイッチを入れる。


「何すんだよ! 誰か助けっ……」


 横薙ぎに一閃。綺麗に首をはねた。胴体が力なく崩れ落ちる。


「PCハッキング完了」


『こっちも終わりでーす』


 PCから端末を抜き取り、やってきたドローンとガキの首を、ババアへのお土産用クーラーボックスに入れたら素早く退出。気分よく廊下を歩いていると、メイドさんに話しかけられた。


「あら先生、今日はもうおしまいですか?」


「ええ、どうやらご機嫌が優れないご様子で」


「またですか。先生も大変ですね」


「いえいえ、これも仕事ですよ。ああそれと、坊っちゃんはおかんむりですから、少し時間を置いてお部屋に行くといいですよ」


「ありがとうございます。では1階の掃除を先にいたします」


「そうしてください。では」


 こうして華麗にやり過ごし、外に出たら乗ってきた車で走り出す。


「ふははははは! やったぜ。まずは第1段階突破だ!」


「おめでとうございます。鮮やかなお手並みでしたね」


「お前たちの手助けがあってこそさ。とりあえず楽園に帰還する」


 時刻は昼過ぎ。まだまだ今日は終わらない。さあ次は基地か? 組織か? 何を壊すかお楽しみにってな。

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― 新着の感想 ―
ターゲットがあまりにもクソガキすぎて、びっくりするほど心が痛まないwwwww 蛙の子は蛙っていうか、ヘドロの子(?)はヘドロっていうか。
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