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アラフォーおっさんのSF無双記~最強コロニーとロボットをもらったので自分と美少女クローンだけの楽園を築く~  作者: 白銀天城


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クリムゾンラプターを隔離せよ

 宇宙船の1階をゆっくり、けど気持ち速めに歩く。何の痕跡もなく静かな廊下だ。広いのに誰もいないというのは不気味だが少し楽しい。非日常感とでも言うべきだろうか。まあがっつり異世界の宇宙船なわけで、日常ってどれやねんという話でもあるんだが。


「ここが格納庫か」


 バトルフレームが3機ある。どれもアーチャータイプのようだが、武装は至ってノーマル。普通で見どころなし。

 機体の近くに死体と開いた檻や部屋がある。なるほど、あの部屋の中に監禁していたのか。


「おっと動くなよ。お前誰だ?」


 コンテナの上から声がする。成人男性っぽいな。


「ここに生存者がいるとは思わんかったよ」


「質問に答えろ。こっちは銃を持ってる」


「ラプターを助けに来た。2階に1匹、ブリッジに2匹侵入していた。なんとか沈静化させて航路を変えたい。方法はあるか?」


「マジかよ……生きてるやつ次第だ。オート操縦と通信ができりゃ救助は来る」


「生存者を見たのは黒髪の男くらいだ。休憩室でコーヒー飲んでいたぞ」


「カルロスだな……あいつ妙なとこで頭が切れるから、なんか安全だと判断したんだろ。で、あんたどうするんだ?」


「特殊部隊を皆殺しにして、ラプターを無事に届ける」


 これが基本方針だ。だがこの船の情報が足りない。土地勘のない場所で鬼ごっこはぶっちゃけ無理である。こいつから聞けるだけ聞き出そう。


「オレらを助けるわけじゃねえのな」


「人間なんぞどうでもいい。勝手に生きて勝手に死ね。俺からも質問だ。化物の檻があった場所になぜいる? 逃げなかったのか?」


「いいや戻ってきた。檻に閉じ込められてたんだから、出たらもう近寄らねえだろ。ここが逆に一番安全なはずだ」


 ほほう、面白い発想だ。野生動物に適用される理屈かは不明だが、嫌いじゃない。


「特殊部隊が接近中です」


「あいつらは来るみたいだな」


 自動ドアが開く音がする。すぐに近くのコンテナの影に身を隠した。上にいた男も隠れたようだ。


「なんだってラプターの檻に戻るんだよ? ここにゃ死体しかねえぜ」


「それが真実かどうか調べるのが仕事だ。クルーは見つけ次第捕獲か射殺しろ」


 相手は2人組らしい。警戒しながらゆっくりと歩いている。


「動くな。オレは銃を持っている」


 コンテナの男が声を出す。ちょうどいい、囮になってもらおう。コンテナの影を移動して、敵の側面に行く。


「どこだ! 我々に勝てるつもりか!」


 言いながら物陰に隠れる特殊部隊さん。その位置だと射撃が通って助かるぜ。


「うおああ!?」


「くそっ、仲間がいたか!」


 1匹負傷。1匹無傷で隠れたか。っていうか仲間なんかいねえよ俺は。


「逃がすか!」


 上の男がライフルを乱射する。そこに特殊部隊が手榴弾を投げ、周囲を爆炎の中へと変えていく。


「うおぉ!? くっそ、オレはこんなところで死ぬわけには……」


「見えた!」


 特殊部隊のライフル弾が、男の脳天を貫いた。あれでは即死だろう。


「いいぞ、もう1人も殺せ!」


「残念、お前らは詰みだ」


 ビームを上に向けて連射する。ホーミングモードなので、そのまま敵に向かってビームの雨が降り注ぐ。


「ぎゃああぁ!?」


「そんな、そん……」


 死体確認。結構数が減ったはず。この調子で殺処分だ。


「ゴアアアァ!」


「扉の前にラプターです。ロックしておきました」


 扉に突撃している音がする。これ壊れるんじゃないかな。さっさと撤収しよう。


「扉を開けろ。俺は反対側の出口から出る。出たら扉とシャッターを閉めろ」


「隔離する作戦ですね。了解です」


 俺が反対側に到達し、扉を開けるのと、ラプターが入ってくるのは同時だった。


「悪いな。ここで大人しくしていてくれ」


「ガアアァァ!!」


 こちらに走ってくるが、強固なシャッターと頑丈な扉で阻まれる。でっかい衝突音が何度もしているので逃げよう。


「これであと1匹。順調だな」


 いったんブリッジに戻ろう。ラプターがいなくなっていれば、あとはノイジーがなんとかするだろう。中央から上へ進むと、広い廊下でラプターと大男が戦っていた。男はスキンヘッドで右腕がガトリングガンという、サイボーグ丸出しの存在だ。


「ウオオオオォォ!」


「ガアアア!!」


 どっちも吠えながら戦っている。どっちが獣かわからんな。


「面白い。ちょっと見てようぜ」


 隠れて戦闘を見る。壁や床を飛び回って銃撃を避けるラプター。大男は飛びかかってきたところを狙い、左腕のトマホークを振り下ろす。だが危機を察知したのか、体を丸めて後ろに飛ぶことで回避。両者睨み合いの形になる。


「結構知能あるよなラプター」


「野生の勘と戦闘センスもあるようです。油断できない相手ですね。機械に慣れたぬるい人間には手強い相手かと」


「オレをなめるなよモンスター。戦場じゃもっと危険な敵も殺してきたんだ!」


 なんとガトリングを撃ちながらダッシュでラプターに迫る。反動とかないのかお前すごいな。


「ゴガアアァァ!」


「ウオオォォ!」


 ラプターは多少被弾して血が出ているが、それも致命傷ではないらしい。毛か外皮が硬いのかもしれない。爪をギラつかせながら飛びかかると、男のトマホークとぶつかる。どっちも頑丈だな。


「ボディがガラ空きだぜぇ!」


「ガアアァ!?」


 ゼロ距離射撃で腹を撃つと、流石に効いたのかバックステップで距離を取る。だがその瞬間には、男の投げた手榴弾が爆発の波を作る。


「はっはっは、全部持っていきな!」


 残弾を考慮しない戦闘だ。爆風でよろめくラプターに追い打ちをかけるように、トマホークで何度も頭部を叩く。これは勝負あったな。


「くたばれ!」


 ガトリングをラプターの口に突っ込んで連射する。巨体が大きく震え、やがてラプターは倒れ伏した。


「グ……グオォ……」


「あばよ」


 脳天を潰して動きを止める。だが楽勝ではなかったようで、男の体には無数の傷と疲労が見える。あと電気っぽいのがバチバチいってる。


「そこのやつ、オレの活躍っぷりはどうだった?」


「おや、気づいていたか。やるじゃないの。拍手を送ろう」


 拍手しながら物陰から出る。ラプターの死体が視界に入る。気分のいいものではないが、男を殺したところで、こんな広い場所では俺が戦うことになっていただろう。せめて天国へ行けよ。


「クルーじゃねえな?」


「俺は誰でもない。航路を戻してラプターを無事に届けてやりたいだけだ」


「航路はこのままだ。クライアントに厳しく言われている」


「調査完了。脳以外をサイボーグ化しています。ご注意を」


 つまり脳を撃ち抜かないと死なないなこれは。できれば楽に終わりたいんだが、俺の射撃の腕じゃ厳しいかもな。


「あと2匹は隔離した。殺す必要はない」


「そいつはどうも。で、どこの部隊だ?」


「俺は個人だよ。部隊じゃないし、誰かの使いでもない」


 お互い銃に手をかける。距離は結構ある。頭だけを1発で狙うのは無理だな。連射しながら気持ち狙うくらいが限界か。


「信じられんな」


「だろうな。だが事実だ。お前も観念しろ。部隊のほとんどは食われたか消した」


「そいつは無理な相談だ。こっちは仕事でね。1人でも任務はやり遂げる」


 会話しながらどう勝つか組み立てていく。長期戦はしたくない。まずどこを狙うか、どうすれば倒せるか。やつも俺を観察しているようだ。


「俺は生でラプターが見たかったし、死んで欲しくない。そして金持ちに売り飛ばされるのも気に入らない。だから妨害しに来た」


「つまりお互いが邪魔なわけか。ならさっさと決着つけようぜ」


 足を適度に開き、銃を握る。自然と緊張感ってやつが湧いてきた。


「こういうの西部劇の決闘シーンみたいで嫌いじゃないぜ」


「セイブゲキ?」


「そうか大昔過ぎてわからんのか。テンガロンハットとリボルバーで、馬に乗ってる保安官とか」


「全然わからん」


 文化の違いというか、こっちじゃ原始人の生活みたいなものなんだろうか。そこで会話が途切れ、崩れた天井の一部が落ちてくる。動いたのは同時だった。


「ウオオオオ!!」


「落ちな!」


 横っ飛びしながら銃を連射。男も移動しながらガトリングを乱れ撃ちしてくる。バリアが弾いてくれているうちに、ビームをホーミングに変えて男の右側に撃つ。これでガトリングを破壊した。


「なにい!?」


「そいつを壊しちまえば!」


「甘いなあ!」


 男は背中のブーストを使い、こちらに急接近してくる。大きく飛んでトマホークを避けるが、俺は少し体勢を崩してしまう。


「もらった!」


 再度振り下ろされるトマホーク。


「そいつはどうかな!」


 ビームソードで左腕ごと切断してやった。


「まだだ!」


 男の口からビームが出る。バリアで吸収しながら、脳天にソードを突き刺した。


「うが……まさか、オレが……」


「ビームは吸収できるんだ。相性が悪かったな」


「ちっ、一緒に地獄に落ちろ!」


 男が怪しく光り、爆発を起こす。自爆したか。とっさに気づいて距離を取り、バリアで弾いた。爆発跡から離れ、少し座って休憩。


「はあ……疲れた……厄介なやつだった……」


「お疲れ様ですオーナー。これで特殊部隊は全滅。ラプターも捕獲できました」


「そうか、生き残りは?」


「休憩室に1人います」


 あいつか。結局コーヒー飲んでるだけで生き残りやがって。後始末を押し付けてやるとするか。


「休憩室に放送する。通信繋げ。俺の声は変えろ」


「準備完了」


「聞こえるか? 特殊部隊は全滅した。ラプターはシャッターで隔離されている。航路を戻すなら今だ。もう十分休んだだろ。仕事に戻りな」


 隔離したポイントの情報を送り、俺は脱出のためのハッチを目指す。


「好奇心だけで動くのは控えるべきかもな」


 えらい疲れた。全力ダッシュもロボットなしの戦闘も、あまり経験したいものじゃない。次からはもう少し考えて動くとしよう。

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