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第7部 第8話 反旗の連鎖――軍神の神算

戦場は、鉄と魔力がぶつかり合う地獄と化していた。

「……ハハハッ! 潰せ、潰せッ! 数こそが正義だ!!」

本陣に鎮座するシオン王が、濁った笑声を上げる。彼の背後からは、魔人核の影響で肥大化した影が、蛇のように蠢いていた。

シオンの命により、理性を失った魔族の大軍が、怒涛の勢いでルーニーの陣へと肉薄する。

それを受け止めるのは、第4番隊長マックスウェル率いる不屈の盾兵たちだ。

「……野郎ども、歯を食いしばれッ! ルーニー様が見ておられるぞ!!」

マックスウェルの盾が、魔族の爪を弾き、火花を散らす。

だが、その背後には、未だ動かぬ「王国正規軍」の重厚な隊列が控えていた。彼らが一斉に動けば、マックスウェルの防衛線もひとたまりもない。

しかし、ルーニーは本陣で静かに目を閉じ、風の音を聴いていた。

(……前世の関ヶ原では、小早川の裏切りが全てを決した。……だが、シオン。この戦場における『小早川』は、貴様の背後にいる)

ルーニーが目を見開き、傍らのエリーゼに合図を送る。

「……エリーゼ。時だ。……狼煙を上げろ」

「御意に。……彼らの迷いを、確信に変えて差し上げましょう」

エリーゼが聖なる魔力を込めた光弾を空へと放つ。

その直後だった。

シオン軍の右翼、正規軍の重鎮であるボーデン将軍が、抜刀した。

「……全軍、聞けッ!!」

ボーデンの声が戦場に響き渡る。シオンは、勝利の号令だと思い、満足げに目を細めた。

「……我ら王国軍は、これまで恐怖によって化け物に仕えてきた! だが、ハクザンの嫡男ルーニー殿は、我らの家族を救い、騎士の誇りを取り戻してくださった。……真の王は、どちらか!!」

「……な、何を……?」

シオンの顔から余裕が消える。

「……王国正規軍、全軍反転ッ!! 標的は、横に並ぶ魔族どもだ! ……『義』のために、剣を振るえッ!!」

――ドォォォォォンッ!!

昨日まで味方であったはずの正規軍が、一斉に隣の魔族軍へと襲いかかった。

不意を突かれた魔族たちは次々と斬り伏せられ、シオン軍の陣形は内側から爆発するように崩壊していく。

「……き、貴様らぁぁぁッ! 裏切るのか!? この俺を!!」

シオンの咆哮が響くが、もはや兵たちの耳には届かない。

「……シオン。裏切ったのではない。彼らは最初から、貴様を王などと認めてはいなかったのだ」

ルーニーは、混乱に陥る敵陣を見据え、静かに、だが力強く軍刀を抜き放った。

「……全軍、突撃ッ! 闇を払い、王都への道を切り開け!!」

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