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第7部 第4話 不屈の盾――マックスウェルの誓い

ハクザン領から王都へと続く街道。

ルーニー率いる反乱軍の先陣を任されたのは、第4番隊長マックスウェルであった。

「……野郎ども、気合を入れろッ! 我ら第4番隊が止まれば、ルーニー様の進軍が止まると思え!!」

マックスウェルの地鳴りのような怒声が響く。

彼の背後に控える兵たちは、みな一様に使い込まれた重厚な盾を構え、一糸乱れぬ隊列を組んでいた。彼らはかつて、シオン王の弾圧によって家も家族も失い、行き場をなくしていた「はぐれ者」たちだ。彼らに再び「誇り」と「居場所」を与えたのが、他ならぬルーニーであった。

そこへ、シオン王が放った追討軍――魔族の血を注入され、理性を失った「狂戦士バーサーカー」の一団が土煙を上げて襲いかかった。

「……フン、薄汚い魔力に魂を売った連中か。……第4番隊、方陣ほうじんを組めッ!!」

凄まじい衝撃。狂戦士たちの怪力が盾を叩き、火花が散る。

普通の兵ならば一撃で吹き飛ばされる威力だが、マックスウェルの隊は微動だにしない。

「……ぐ、あああッ!」

一人の若き兵士が、敵の斧を受けて膝をつきそうになる。

「……立つんだッ!!」

マックスウェルが、自らの巨大な盾で敵の追撃を弾き飛ばし、その兵士の前に立ちはだかった。

彼の身体には、かつてルーニーを逃がすために負った無数の傷跡が刻まれている。

「……俺たちの『不屈』は、ただの意地じゃねえ。……死の間際、泥を啜っていた俺たちを拾い上げ、『義のために生きろ』と仰ってくれたルーニー様への……唯一の恩返しなんだよッ!!」

マックスウェルの全身から、黄金色の闘気が溢れ出す。

それは魔力ではない。主君への絶対的な忠誠心が生み出した、精神の力だ。

「……我ら第4番隊が、ルーニー様の『盾』である限り! この壁は、神ですら通さねえッ!!」

どれほど敵に囲まれ、矢を浴びようとも、マックスウェルは決して倒れない。

その不屈の背中を見た兵たちの瞳に、再び火が灯る。

「「「オーーーーッ!!!」」」

数倍の敵を相手に、第4番隊は一歩も退かずに押し返していく。

やがて、後方から軍を率いて現れたルーニーは、血に塗れながらも勝ちどきを上げるマックスウェルの姿を目にした。

「……見事だ、マックスウェル。……お前の盾に、幾度救われたか分からん」

「……もったいなきお言葉。……この命、尽きるまで。いえ、尽きてもなお、ルーニー様の盾として立ち続けましょう」

マックスウェルは深くこうべを垂れた。

その傷だらけの拳には、誰にも負けない「不屈の魂」が宿っていた。

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