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N.M.― 起源分岐戦争  作者: ブラックななこ
死神(過去編)

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帰還への足音

ミラーがリードと一緒にブリーフィングルームに戻ってくる。


他のメンバーはすでに戻っており着席していた。

フィリップがミラーを見つめた。


「どうだ? 落ち着いたか?」


ミラーはフィリップの目を見て答える。


「はい。 先ほどは申し訳ありませんでした。」


フィリップはミラーの目を見て、口角があがる。


「大丈夫そうだな。 よし、席につけ。」


「はい!」


フィリップはそのあと、リードの肩をポンと叩く。

ミラーとリードが自分の席に座るのを確認したあと、口を開いた。


「では、会議の続きを始めよう。 議題は、帰還船の出発日だ。

ルナ・ホークの整備にはどれぐらいかかる?」


「準備であれば、2日もあれば行けますよ。」


マーカスが答えた。


「あとは、リード次第か?」


「えっ?」


フィリップの言葉にリードが驚く。


「まだ帰還船に乗るか決めてないだろう?」


「いえ、決めました。」


その答えにフィリップが目をパチパチと瞬きさせた。


「えらく、早いな・・・帰るのか?」


リードは頷き答える。


「ミラーと話をして思ったんです。

今地球には、人類を助ける人間が沢山必要だと。


まず、私が帰ってミラーに代わり、人々を助けようと・・・

そう思ったら、私はまだまだ引退なんてできないんだと認識しました。


レオンが、ミラーが、マーカスが、ケンが、アリサが、シャックルトンのクルー全員が、その思いを、私が地球に戻ることで、力になれるんじゃないかと思いました。」


「だが、君は引退して、家族との生活をあれほど楽しみにしてたじゃないか・・・」


フィリップは眉を下げ、悲しげな表情で語りかける。


「家族が無事なことさえわかれば、それで十分です。

戻ったら、短波で連絡を取って見ます。


それに、シドニーまでどうやって移動するかって問題もあります。」


「それは、そうだが・・・」


「私が決めたことです。

ですので、この件はこれで十分です。

ご心配ありがとうございます。」


リードは手のひらをフィリップに差し出し、もう十分だという意思表示した。

フィリップは大きなため息をつき、ブリーフィングルームの天井の照明をみつめた。


少し見つめた後、気持ちを切り替えた。


「では、君に決定だな。」


「なにがですか?」


リードは意味が分からず、首を軽く傾げて尋ねた。


「帰還船の船長だよ。」


「え?」


予想外のことにリードは驚いた。


「わ、私が船長ですか?」


アリサが“うんうん”と頷き、リードの肩を叩く。


「疾患中の患者たちに船長を任せるの?」


アリサの言葉にリードが“あっ”と一瞬なり、目を伏せる。

少し沈黙後、目を開けてフィリップを見る。


「私がやるしかない訳ですね・・・」


「アレクセイ、君が指導できるか?」


「指導については大丈夫です。 サブは必要ないですか?」


アレクセイの問いに、口を一文字にして目を泳がす。


「サブについては・・・誰が帰りたいと手を上げるか・・・によるな・・・」


フィリップは腕を組んで、一文字のまま目を強く瞑る。


「状況次第とするしかないのでは?」


悩む姿を見ていたレオンが口を開いた。

その言葉でフィリップは目を開ける。


「それしかないか・・・最悪、リード一人か?

または、今疾患を持つもので、できそうなクルーを選択するか・・・」


アリサが手をあげる。

タブレットのカルテを見ながら話す。


「睡眠障害のクルーの一人に、習得できそうなのがいますね。

確認してみましょうか?」


そう言った後、タブレットから目線をフィリップに送る。

フィリップが、少し安堵の表情になった。


「確認を頼む。」


「了解です。」


アリサがタブレットを机に置いた。


「では、この件はここまでだ。

私からの報告等は以上で終わりだ。 何もなければこれで終了する。」


「誰か、何かある者はいないか?」


レオンが尋ねる。


「問題なしです。」


ケンが言う。


「私はレールガンの開発に戻りたいです。」とマーカス。

「オレは原点に戻って、生産系のスタッフと話し合う。」とミラー


アレクセイは、ロシアのクルーを見る。

全員が首を振るのを確認して話す。


「我々は、配属されたばかりなので、問題などありません。」


レオンがフィリップを見る。


「では、このミーティングは終了する。 解散!」


全員が立ち上がる。

フィリップはそれを見て、退室していった。


フィリップが出ていくと、皆がリードの所へと集まってくる。


「リード、あなたの経験が、オレの成長に繋がりました。

今までの指導ありがとうございました。」


レオンがそう言って、敬礼する。


「レオン、本当に成長した。 月基地は任せたぞ。」


「はっ!」


そう言って、レオンはフィリップを追いかけた。

全員がその動きを見つめた。


「ちょっと寂しくなるわ。」


仲の良かったアリサが肩を叩いた。


「地球でも頑張ってください。」


ケンが手を伸ばし、リードがその手を取った。


「立ち直れたのはあんたのおかげだ。

オレも絶対続くから、先に地球で活動しててくれ。」


ミラーがこぶしを出し、リードがそれにこぶしをコツンと合わせた。


マーカスがリードの前に進む。

少し寂しそうに、口を開く。


「リードの経験してきた言葉が・・・重みが・・・色々ヒントになったり・・・

参考になったりしてました・・・その意見を聞けなくなるのは寂しいです。」


リードがマーカスの肩を抱く。


「お前は、お前のままで行け。 お前の頭がNOBUNAGAを追い詰める時が楽しみだ。」


そして、髪の毛をクシャクシャと掻いた。


「さ、お別れ会しましょ。」とアリサ。


「ばか、まだお別れじゃない。 これからしばらくは訓練だ。

なあ、アレクセイ!」


「何日かは、リード次第ですよ。」


アレクセイがそう言うと、笑いながら部屋を出ていく。

最後に出るケンが電気を消すと、部屋が真っ暗になった。


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