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95.やっとキター

フルオロ伯爵が支度している部屋からバッチャ達がいる部屋に帰ろうとしたら


止められて狭い部屋に連れ込まれた。


俺の体のサイズを無遠慮に測るこの人たちは屋敷の衣装係らしい。


服がボロくてみっともないって?銀貨3枚もしたんだぞ。


小間使い用の服を作ってやる?ちょっと待て、


それってあのメイドさん風の衣装じゃないですよね?


え、リボンを着けて可愛くしてやれとフルオロ伯爵が言っていた?




あの野郎、やりやがったな。


卑劣な意趣返ししやがって。世話にはなっているが絶対反撃してやる。




…まあ、貰えるものは貰うけど。服の在庫は乏しいんだ。


この世界なら子供が女装しているのは普通だし。




というわけで、部屋に帰ってきました。


インガ=エッチャはだいぶ落ち着いたみたい。


バッチャとネッチャは人語で話すようにしているし、伯爵が付けてくれた


お役人はエルフ語がわかるらしく時々通訳している。


てか、通訳できるなら最初からやってくれよ疲れるな。




「エルガーです。何度も自己紹介しております、いい加減覚えて下さい。


 マリーお嬢様、フルオロ伯爵様は本日深夜まで晩餐会場を離れる事ができません。


 申し訳ありませんが本日は当館にお泊まり下さい。」


言葉遣いは丁寧だけど存在感の薄いお役人さん、拒否は許してくれなさそう。




マリーお嬢様ってさっき聞いたけど辺境伯家の人だな、フルオロ伯爵より上位の人


みたいな言い方をしているけどどうなんだろう。




「皆さまにお泊りいただく部屋の用意が出来ておりますので


 よろしければご案内します」


窓の外はすっかり暗くなっているし、食器やらを片付ける都合もありそうなので、


部屋に案内してもらう事にしよう。


バッチャ達に確認するとインガ=エッチャは仲間の事が気になるようで


スターニャとオーリアは字が覚束ないの、とか言いながら何枚か手紙を書いて


お役人に届けるように頼んでいた。


頼りなさそうなお役人だけどその位はしてくれるだろう。


「エルガーです。 何か疑われている感じがしますが、ちゃんと届けます」


俺、顔に出るタイプなのかな?




部屋については俺が帰る前にエルフ達からリクエストしたみたい。


三人部屋と一人部屋に分けろ、俺には一人部屋が必要だって。


バッチャかネッチャか知らないけどグッジョブ!亜空間倉庫が使える。




お役人さんいわく本日は来客が多く、良い部屋がなくて申し訳ない、だけど


十分過ぎる部屋に案内された。


トイレが、水洗トイレがある!水道、下水、あったんだ。


「お風呂は廊下の突き当りの共同浴場をご利用下さい。


 水と燃料が豊富な当地でしか見られないタイプです」


こんな事を言われて中身日本人の俺としては見に行かない訳がない。


ありました。お風呂。


男女に分かれた共同浴場。お湯をガンガン沸かしている。


バッチャはこのタイプを見た事がなくてクロムで見たのと桁違いの大きさなのに


驚いていた。


マンチェスに来たことはあったけどいつも安宿に泊まったので風呂は初めてだって。


インガ=エッチャの方が良く知っていて町には銭湯もあるらしい。


マリアさんが言っていた漁師町の銭湯は魚臭いという話を思い出す。




部屋には着替えの下着もあった。


サイズは微妙だったけど、大きすぎる分には問題ない!


クロムで風呂に入って快感を思い出したのに昨日は船の中で風呂無し、


今日は朝から激動の一日、限界だ、お風呂に入りたい!




風呂上がりの飲み物確保してから入れば良かったと気が付いたのは


風呂上がりにバッチャ達に着替えを出すように言われた時だった。


今着ている人間風の服を洗いたいんだって。


後で飲み物と一緒に持って行く事にして部屋に入る。


さあ、本日二度目、恥ずかしいけどやるぞ、「萌え萌え…」




「久しぶりだっちゃ。テンプレの電池が弱ってて探すのに苦労したっちゃ。」


気が付くとテンプレが青く点滅している。


間違いない!あの人だ。


「お願いします。何でもするから助けて下さい」


俺は声のする方、モザイクで見えないあの人に向かって土下座した。

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