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84.親戚キター

「へー、刀身じゃなくて(さや)(つば)が大事なんだ」


「刀身は消耗品だからな、私の剣は10日もたなかった事がある。」


10日で何をどの位切ったのだろうか?


「生まれてからずっと持ってるという事は、これ千年以上経ってるの?」


バッチャの短剣を見ながら聞いてみた。


「これはそうだ。魔木エルダーヨーの鞘、聖虫アイアンクラッドの鍔、


 すり減っても戻るからいつまでも使える。


一番寿命が短いのが柄に巻いたオークの革だな。


親から贈られた物を持ち歩く事になっているが、


状況によっては予備を持ち歩く事もある。」


結構緩い事をインガに通訳してあげると落ち着いたようだった。


エルフ文字は読めないというので、エッチャ、カッチャ、トシローという名前と


愛と絆を守る、と書いてあると教えると、名前の所を撫でている。


「バッチャ、エルフの剣って地味だよね。飾りとかつけないの?」


「人やドワーフがやたらゴチャゴチャさせるのは知っているが理解できん。


敵や獲物に気づかれやすくならんか?」


ネッチャが頷いているので世代関係なくエルフの感性がそうなんだろう。




フルオロ伯爵の館に強引に連れて来られた俺たちは


暇つぶしにエルフの短剣の話をしていた。


というか、朝からずっと着いてきているあのお役人が


「何度も言ってますがエルガーと申します。今日は一日お世話します。」


と言いながら離してくれないんだよ。




離してくれないと言えば5人娘のインガを除いた4人、


質屋から出ると儲かった儲かったと騒いでからしばらく離してくれなかった。


「なんだ、エアお金持ちじゃん。回復魔法ヒール使えるんだ。」


「ねぇ、私をお嫁さんにしない?バリバリ稼いでもらうから」


若い女性からのプロポーズがこんなに嫌なものだとは思わなかった。


というかお前ら10代半ばくらいだろ、メスガキに興味はないよ。


『自分の姿を忘れてますよ』


テンプレは余計な事しか言わない。


「お姉ちゃん達、儲かったじゃないんだよ、銀貨300枚、


 僕が立て替えただけだからね。ちゃんと返してよ」


「エアって本当に守銭奴ね、290枚に値切ってたから290枚でしょ」


「本当、お嫁さんになってあげても良いかなー、って気持ちが覚めるわ」


誰がお前らなんか嫁にするか、バーカ


「290枚でも大金でしょ。とにかく、節約して暮らして少しずつでも良いから


 返してね」


「キャー、やらしい、きっと体で払えとか言ってくるのよ。」


「お金でどうにかしようなんて、最低ね、変態エア」


ポケットの拳銃に手が伸びるような事言うな!


「とにかく、家賃は早く払わなきゃだめだよ。他のツケもちゃんと払うんだよ。」


「子供に言われなくてもわかってるわよ。


 手元にある銀貨が60枚


 家賃が15枚、念のため来月の家賃8枚をとっといて


 残り37枚、大儲け!私たち凄い、頑張った」


手元にない借金、銀貨290枚を忘れてる。


結果として手に入っただけでお前らは凄くない。


二度と同じ展開にはならんとわかっているのかな?


疲れるのと案外堅実な使い方を言っているので


これ以上言わない事にするけど。




この娘たち、フルオロ伯爵の所へは行きたくないらしいので


シャイなのか厚かましいのか判断に困る。


とりあえず、インガだけは館に来てもらい、他の4人は


あちこちの借金を返しに行く事になった。




疲れた、今何時ごろだろう、腹減った。


シャーフラントと違いマンチェスは昼食を食べる人が多く


旨そうな匂いがする。


というかまだ昼かよ。とんでもなく長い一日だな。




どこかで昼を食べよう、お金あるし、と思っていたら、


付き添いのお役人に腕を掴まれ伯爵邸に戻るように言われた。


食事は向こうで用意してくれるそうだ。


「先程から何度も言ってますがエルガーと申します。


 今日は一日お世話する事になっています。


 一緒に来ていただかないと困ります。」




俺たちは別に困らないんだけど、便宜を図ってもらってるので


あのお役人の顔を立てる事になり冒頭の場面に戻るわけだ。


「エルガーです。昼食を用意しましたのでお召し上がり下さい。


 その後リュシアンの大使に会っていただきます。」


「リュシアン?」


「マンチェスの南海上にある島国です。


住民の大多数はエルフですが、人間も大勢住んでおり、


少数ながらドワーフもいます。」


「その国と俺たちに何の関係が?」


「大使のセレロー様はモイモイの出身です。」


「ネッチャとエッチャの叔父にあたる。二人とも会った事はないがな」


バッチャ、大事な事は早めに教えてくれ。

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