表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/80

78.マンドラゴラ、キター

「ごめんね、あのパンツ雑巾にしちゃったの。


 今度ちゃんと返すから待っててね。今ちゃんとはいてる?」


パンツ返してもらうためにわざわざ来るわけないだろ。


返すという気持ちは良いけど、最後なんだよ、


はいてるに決まってるだろ、安心できないだろ!


「真っ赤になっちゃって。相変わらず小っちゃくて可愛いね。」


赤くなってるのは、怒りと呆れのせいだよ。


可愛いね、だけで良いだろ、小っちゃいってナニがだよ。




「違うよ、インガを探しに来たんだよ。」


パンツ方面に話が流れると、この子はよからぬ事を言いそうなので


本題に戻そう。


「インガならヘレナ達と薬草探しに行ったわよ。」


「どこへ、いつ。」


ネッチャが話に割り込んできた。


「??、髪型以外インガそっくり!ええっ、凄い!凄い!」


いや凄いのはお前の反応だ、聞かれた事に答えてくれ。


「ダーナ、落ち着いて話を聞いて。多分インガの双子の姉妹なんだ。」


「うん、それしか考えられないもん。髪型と体形は少し違うけど


クリソツだもん。あー良かった。」


変な言葉を使うんじゃありません。てか何故涙ぐんでる?


「そういう訳だからどこに居るか教えて」


「私たちね、同じ孤児院にいてね。インガ良かった~、ワーン」


泣くな、話を聞け!全然意味がわからん。何とかしてくれ!







 マンチェスの町はずれ、人気のない広場にインガたちは居た。


「ちょっと。ちゃんと探してる?なんで見つけられないのよ。」


「絵だけで良く知らない物を探してるんだから仕方ないでしょ。」


「あんたエルフでしょ?何故薬草詳しくないのよ。」


「私は物心ついた時からずっとあの孤児院だぞ、詳しい訳ないだろ。」


「何よ、その開き直り。魔法は使えない、薬草は知らないって


 使えない駄エルフね。」


「偉そうに言うクセに自分も両方使えない駄人間には言われたくない。」


「言い争いしないで、ねぇ、スターニャ、匂いで探せない?」


「ワンコロ扱いスルニャ。人間より鼻は良くても元の匂いを知らないニャ」


「役立たずね。」


「お前もニャ」




彼女達がいるのは、刑場、処刑が行われる場所である。


「人の脂が滴ってから数年経った場所が狙い目みたいよ。」


「そんな話しないでよ。それでなくても薄気味悪いんだから。」


「この広場、栄養が良いのかしらね。


 草が良く伸びてて見通しが悪くて探しにくい。」


「だからっ…」


「ねえ、これじゃない?絵にそっくりよ。」


「どれ、本当だ、多分これよ、マンドラゴラ


銀貨70枚ゲットよ!」


彼女たちはその植物の周りを慎重に掘り、根を露出させた。


「間違いないようね。という事で引き抜く名誉は見つけたオーリアに。」


「何言ってるのよ。ちゃんと抜き方があるでしょ。


 丈夫な紐の一方をマンドラゴラの茎に、


もう一方をスターニャの首輪にしっかりと結びつけて遠くで待つのよ。」


「それはワンコロを使ったやり方ニャ、ニャーは首輪してないニャ」


「何言ってるのよ、薬草と言えばエルフでしょ、インガが抜いてよ。


エルフなら方法知ってるでしょ。」


「知る訳ないだろ。というか皆マンドラゴラの悲鳴を聞くと死んでしまうと


聞いたんでしょ?この仕事はやめておこうよ。」


「お金稼がないと質屋に入れたアンタの短刀流れちゃうじゃん。


 身元が判るかもしれない大事な品物なんでしょ?」


「私は上手く使えないけどな。だから無くなっても良い」


「そんな事言わないで。わかった


 あの短剣ずっと借りてたうえ質入れの提案もした私がやるわ。


 そう思ってたから長ーい紐と耳栓持ってきたの。


 依頼してきた薬屋さんもこの位の長さで大丈夫だって。」


「なら最初からそう言いなよ。でも抜くのは私がやるよ」


「インガ、アンタ耳が大きいから一番ダメージでかいって、遠くにいなよ」


「80年も生きて、面倒を見てくれた人も親しかった人ももういないんだ


十分生きたから私がやる。あんた達はまだ少ししか生きてないんだから。」


「子供の頃から面倒みてくれたインガにそんな事させられないよ。」


「そうニャ、皆友達ニャ、寂しい事言わないニャ」


「もう皆で引こう。


 大丈夫、前やった人も目が回った位で死ななかったって。」


「薬屋さんを信じるニャ。」


「わかった。じゃあ紐を縛って、耳栓して、ぎりぎりまで離れて」


「耳栓したら聞こえなくなるから合図を決めとこうよ」




彼女達は、広場の端まであるような紐を使い、一気に引いた。


〇×%$#$$&&&~~!


不気味な絶叫が響き渡る。




「うぅ、なにこれ、あっ頭が痛い。ねぇみんな無事?」


「めっ、目が回る―、私は大丈夫、だと思う。


 インガ、スターニャが返事しない」


「息はあるみたい。しっかりして、ほらこっち見て」


「気持ち悪いニャ、揺するんじゃないニャ」


「死にはしないって本当だったんだ、良かった。


 さあマンドラゴラを回収して帰りましょ」


「私たち体張りすぎよね。もっと良い仕事ないかしら」


「バイト休ませてもらえなかったダーナには分け前なしで良いよね。


 あれ、ちょっと!何すんのよ。それは私たちのよ」




いつの間にか現れた男女、10数人がマンドラゴラを紐から外そうとしている。


「自分で探して抜くなんてバカな連中だね。


誰かが抜いたら大きな音がするからすぐわかるのに。」


「泥棒!」


「ここは刑場でお前たちの土地じゃないだろ。俺たちが拾ったんだ」


「私たちが抜いたんじゃない!絶対渡さないから。」


「こら紐を引くな。ちぎれたら商品価値が下がるだろ。紐を離せ!


 離さないと痛い目みるぞ。」


「やれるもんならやってみなさいよ。」




十数人と一番戦力になりそうな獣人が目を回している4人、


数分後にはにマンドラゴラを奪った集団はいなくなり


血まみれの4人だけが刑場に残っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ