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77.公文書偽造キター

朝食後、俺は役所、裁判所と市役所がごっちゃになった感じの所へ、


その後でバッチャとネッチャと一緒に傭兵ギルドに行くことになった。


なにせネッチャそっくりのエルフを見たのは俺だけなので


どんな感じだったかを伝えて、ついでに通訳もしろという事だ。




尚、傭兵ギルドという名前だが、戦争なんてずっと無いので


警備や魔物退治、はては薬草採取や人探しまでやっていて、


この手のお話では冒険者ギルドになるであろう組織の


名前だけが何故か傭兵ギルドなのだ。




『発祥がそうなんだから仕方ないでしょ。


写真フィルムなんかほとんど作ってないのに


社名に残っている会社もあるじゃないですか。』


テンプレが何か念話してきたが成程聞き流しておこう。




役所の方の仕事はすぐ済んだ。


ベテラン事務員という感じの女性と数人の事務員が書類を探し回ってくれた。


マリアさんの両親の借金残高、男爵の所に行く条件、子供ができた後の条件変更


異世界、意外としっかりしている。


事務の女性?は伯爵に何と言われたのか、随分張り切っていて、


男爵が作成した年季奉公契約書を見て「最悪だわ」とつぶやくと、


何やらどんどん手続きをしていく。




マリアさんの両親はマリアさんの妹と小さい店をやっている。


手紙で知らされていた通りの状況らしい。


気が付くと俺はその店に預けられた遠縁の子供になっていた。


戸籍を勝手に作って良い物なんだろうか。


とにかく役所の原簿に無理やり入れ新しい紙を差し込んだ後、


若干涙ぐみながら俺の手を握り


「気をしっかり持つのよ、大丈夫絶対助けてあげるからね。


 何かあったらこれを見せるのよ。」


と言ってくれた。親切なおば…じゃなかった親切な人だ。


部下の人達が最敬礼で接しているのが若干気になるが、


マンチェス法務責任者と書いた名刺を貰った。


…とんでもなく偉い人かもしれない。部屋も立派だし。




とりあえず俺は姓無しのエアになったわけだ。


この世界でエアヴァルトは男の名前だが愛称のエアーは


むしろ女っぽい中性的なもの、庶民は姓が無い人も多い。


俺を知らない人ならごまかせるだろう。


問題解決…したのかな。




後はマリアさんを治して、俺の祖父母の所に行くだけだ。


バルツ村の金鉱は少し惜しい気もするけど、伯爵あたりに情報を売って


祖父母の借金をチャラにすればマリアさんと一緒に暮らせる。


街の雰囲気も明るかったし、働きさえすれば食べていけるだろう。


これから探しに行く5人組もマンチェスなら仕事があると言っていた。




さて、少しだけ楽しみだった傭兵ギルドへ、バッチャの付き添いで行きました。


5人の姿格好、名前、特徴を必死に思い出しながら。


ギルドは予想とは違って荒くれものが声かけてくるような感じはなく、


静かなものだった。人もあまりいない。


大学の生協とか学生課の雰囲気が近いかもしれない。


バイトを探したり、ちょっとした手続きをしたりする場所。


定番の酒場っぽい食堂はあるけど閉まっていて誰もいない。




ギルドの受付のおねえさんに声をかけるのをやってみたかったのに


役所から付き添いできていた人が先に声をかけてしまった。


残念、でも次は刀傷のあるギルドマスターが出てきて挨拶するんでしょ?


楽しみ、と思っていたら窓口の人の上役らしき人の部屋に通された。




美人に分類しても良い人なんだけど、なんだかツンケンしている。


エルフ二人はこういう場面では頼りにならないので俺が話す他ない。


「あそこにいるエルフの双子の妹を探しています。


インガという名前で獣人のスターニャ、人間のヘレナ、ダーナ、オーリアと一緒に


マンチェスに行くと言っていました。」


「伯爵様の依頼じゃ断れないわね。とりあえず依頼書を書いて。


対応できそうな人を探してみるから。」


あれ、全然乗り気じゃないぞ、これはあれか?


「報酬はいくら位でしょうか?」


あぶく銭を稼いだから金貨10枚くらいなら出せるぞ。


「情報を集めるだけなら一日銀貨3枚から5枚ってとこかしら


 町にいるんなら3日か4日で見つかると思うわよ。普段なら」


「普段なら?」


「クーデター騒ぎがあってね、傭兵の引き合いがすごいの


ギルドマスターなんか家に帰れなくってね。」


残業させられまくって機嫌わるいんだな。


どっかと設定が被っているような気がするが気にしないでおこう。




「やってくれそうな人、いないんですか?」


「傭兵といっても名前だけで装備もなしの人は結構いて


掃除や薬草採取を専門にしている人もいる位だから応募者はあると


思うけど、そういう人達って能力に不安があるのよね。」


「じゃあ僕らも探します、双子の片方がいるから探しやすくなるでしょ。」


「それはそうだね。フルオロ伯爵の依頼だと書いておけば、?」


「あれ?一年位前にこの組み合わせ、何か見た事あるような。


ねえ、ダーナって大柄でがっしりしてて丸顔でソバカス?」


俺が書いた依頼書を見たおねえさんがこめかみを押さえながら言う。


「確かそうだったと思います。」


「ここで下働きしてるから、ちょっと呼んでくる。


 そこらへん掃除してると思うわ。」


そんな偶然あるのかよ、どうなってるんだ。


呼ばれて入ってきたダーナは俺を覚えていたようだ。


「あっ、パンツ取っちゃった男の子だ!」




誤解を生む発言はやめて欲しい。

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