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61.オーパーツ、キター(オッ〇イではない)

バッチャが先頭に立ち、木から木へ飛び移って進んでいく。

その後ろを必死について行く俺、すぐ後ろからネッチャの順番だ。

練習とは違って蔓がなく進みやすい所を進んで行くのでとてつもなく速い。

平地を走る馬よりは遅いかもだけど人間が走るよりは確実に速い。

俺の感覚で1時間位経った頃ネッチャが遅れだしたので

大きな木の枝で休む事になった。


『人間離れした速度ですね。50分弱で20km位進んでます。』

『人間じゃなくエルフだけどな。』

『アンタの事ですよ。知らない人が見たら魔物と勘違いすると思います。』

『何で魔物なんだよ。間違うとするならエルフだろ、服もそうだし。』

『そのスモックみたいなやつの下、全然エルフじゃないですか。』

『他のエルフ服無いんだから人間の服着るしかないだろ!』

木の上を行くんだぞ、下から見られたら丸見えじゃないか。


バッチャが手近な所にあった蔓を切ると断面から水が溢れ出した。

その水を一口飲んだバッチャが蔓を差し出してきたので、俺も飲んでみた。

青臭くて少し甘味がある液だ、美味しくはないが水分補給には十分だろう。

少し飲んでネッチャに回そうと思ったら、ネッチャは自分で切ったらしく

別の蔓の水を飲んでいる。


「あまりたくさん飲むと後が辛くなる、程々に飲んで」

うん、知ってる。

少年野球時代から散々言われた。

気候的に汗はあまり出ないけど少しの塩分も取るようにしよう。


ネッチャはかなり疲れているようで、木の幹にもたれている。

少し長めに休む事になった。


薄いけど暖かいエルフの衣装はこういう時助かる。

ぴっちり着込むと毛布より暖かいかもしれない。

『その服エアロゲルが入ってますからね。』

『マジ?ハイテク素材じゃん。』

『表面はフッ素樹脂ですね。ありえない素材です。』

肌寒い気候でもエルフが薄着な理由が解ったような気がする。

しかし都合良すぎないか?水分と反応して熱を出す布が裏地みたいだし。


『そういえばこの剣も都合良すぎるんだけど。』

『エルフの短剣ですね。族長に貰ったんでしたっけ。』

『バッチャの剣借りた時から気が付いてたけど、これダマスカス鋼じゃね?

 なんかスゴクご都合主義を感じるんだけど。』

『カーボンナノチューブと微量金属が分散していますので

記述通りだとするとダマスカス鋼に近いかも知れません。』

マジかよ。

冶金の教授に教えたら腰抜かすだろこれ。


ずっと地上を流して来た水を汚水池の所だけ底に穴開けて

下に落としてるから変だと思ってエルフ達に聞いてみたら

排水パイプを二重にして水流エジェクター、負圧ポンプを作ってた。

何に使うのかと思ったら、ふいごで空気を送り込むんじゃなく

負圧で空気を吸い込むことで火の温度を上げルツボの鉄を溶かすと

教えてくれた。


『この剣、蹄鉄や農具の屑鉄からできてるんだな、エルフすげえ。』

『なんか特定の木の灰や木炭を使うと言ってましたよね。』

『元の世界に教えたら測定機器抱えた学者の一団が来るな。』

『で貴重な製鉄法の温度や混ぜ方覚えてますか?』

『炉の構造に感心するのが精いっぱいだったよ。

そもそも石灰や木の場所や種類わかんねえし、

炉に火は入ってなかったじゃないか』


ダマスカス鋼作って儲けるのは諦める事にする。

エルフのオーパーツ多すぎないか?掘っ立て小屋風のツリーハウスに

住んでるくせに。

まあ千年以上砂金集めてた暇なエルフがいたそうだし、

こういう事考える奴がいたのかも。


テンプレと念話してる間にネッチャが回復したらしい。

バッチャが出発の準備をするように言って、

俺に葉っぱの塊を渡してきた。

「これからドライアドの領域に入る。少しでも甘い匂いがしたら

これを噛め。酔い覚ましだ」

「酔い覚まし?」

「ドライアドは幻覚を見せる匂いを発している、

 悪意はないようだが、ほとんどの動物は幻覚にやられてしまう。」

「なんか怖いね。」

「森に敬意を持ち、無駄に森の物を傷つけなければ襲ってこない。

 女の姿でこちらを見ているだけだ。

 間違っても攻撃してはいけないぞ、ドライアドに敵とみなされたら

 樹木の魔物に襲われる。とても厄介だ。」

「わかった、この葉を噛めば良いんだね」

回復したネッチャが俺の横にきて

「すぐ噛めるようにしておくんだよ。」

と言いながら前方の木の枝を指さす。

樹上の道はまだ入り口付近らしい。

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