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124.密会?キター

お風呂から出て、今日の夕飯は何かな?と思っていたらドアノック。


出ますよね。普通出ますよね。


開いたドアの向こうにはマリーお嬢様ご一行と気まずそうな監視の人がいた。


何事だろうか?お嬢様はクスクス笑っている。


「エア、ノックされたら返事までは出来てるけど、すぐ開けちゃだめ。


 『どなたですか』と聞いてからよ」


目上の人ならドアを開けに行き、目下なら開けて良いと許可をだすんだっけ。


「ごめんなさい」


「小さいのにお返事はよくできました。急に来た私も悪いから気にしないで」


そもそも、お嬢様が勝手に動き回って良いのだろうか。


「ちょっと時間が空いちゃってね。お友達の所へ来ちゃった」


「お友達、ですか?」


「昨日も今日も相手して下さったじゃない。


 お茶会までご一緒したのだからお友達よ」


お付きのメイドさん達は納得してないようですが、それは良いのだろうか。


「そのお茶会、ついさっきだった気がするんですけど」


「とーっても気分の悪い事があったの。夕食会でお客様の前に出る前に


 気分転換しないと良い表情が出来ないわ」


「何かわかりませんが相手しろという事ですね。でも僕の部屋は…」


それなりに広さはあるけど4人も5人も入れないと思う。


「構わないわ。あんまり人に聞かせる話でもないし。


 ジョアンナ、あなただけ一緒に居て。」


この調子で部屋のテーブルの方に寄って来られたら


「どうぞ、」と言う他ない。


メイドさんの椅子を引く動作が早い。




「急に押しかけてごめんなさい。


一応言っておくけど、この場合飲み物は要らないわ。


私がここに来た事も誰にも言わないで」


「具体的に何をすればいいんですか」


「その調子で聞いてくれれば良いわ。


 聞いたらすぐ忘れてちょうだい。


 ねえ、私が男性を誘惑するような子だと思う?」


言ってることがわからんがお嬢様が色目使っているのは想像できんな


「思わないです。何かあったんですか?」


「王孫殿下関係の連中がね、ポツポツ集まって来てるんだけど、


 嫌な奴が多くてね。


 王孫殿下にはリヒト皇女が嫁ぐ事になってるから身を引け、


 なんて言うのよ。最初何の事かわからなかったわ。」


「王孫殿下の結婚相手のお話ですか」


「エアはお利口だからわかるわよね。あんなウジウジ王子、


 好きで相手してるんじゃないわ。


 王族だから気を使ってやってるのに私の家で偉そうにして」


結構お怒りモードみたい。経験上頷いて同意を示すのが良いだろう。


「マリーお嬢様が美しいから嫉妬されたんじゃないですか」


「あら、嬉しい事を言ってくれるのね。それじゃ無いみたい


 一日に何度も着替えて、同じ服は着なくて、随分熱心に


 アピールするのね、なんて言われたの。


 時間がかかるのに何度も着替えるのは、あなた達に見せる為じゃない、


 って言いそうになったわ。」


「何故、何回も着替えるんですか?」


「エアまでそんな事言う?考えてごらんなさい。ヒントはマンチェスの産業よ」


「毛織物の工場が多いと聞きましたけど…」


マリーお嬢様の着ているのは絹物な気がする


「惜しい。外国に輸出する分が多いのはそう。正解は服飾よ。


 お母様も親戚の人も着飾るけど、贅沢してるんじゃないの。


 晩餐会や舞踏会で見せびらかすと、沢山売れて町が潤うのよ。


 私はデビュタントがまだだから舞踏会に出た事はないけどね」


「そういえば、馬車の幌を開けて沿道から見えるようにしていたような」


フルオロ伯爵も、お付きも妙に良い服を着てポーズとってた気がする。


「エアにお利口点1点あげる。人が見なきゃ意味がないのよ」


この世界ファッション雑誌とかあるのだろうか。


元の世界でも王室とかファッションリーダーで母や妹が宝石がどうとか


言ってたような気がする。


「お利口点有難うございます。少しわかりました」


「良さそうな職人を応援してあげる意味もあるのよ。


 町にお金を回さなきゃいけないって。


 それに、何もない時の遊び着は着た切り雀だったりするのよ」


もらった木綿の頑丈そうな服には擦れた後があった。


何度か洗濯したのだろう。


「最後は人に渡すから無駄はない訳ですね。」


「さすがはエア。お利口点をもう1点あげるわ。


 人の働きに報いる時に使うの。とっておいても仕方ないでしょ。


 子供服は、褒める相手に子供がいるか調べなきゃいけないから


 大変なのよ」


子供服が多めに残っていたのはそのせいか。




「ねえ、エア頬を触ってもいい?」


突然何を言うんだこのお嬢様。妙に真剣に頼んできた。


「別に良いですけど…」


「ありがとう。スベスベだね。やっぱり子供なんだ」


「まだ9歳ですから」


「話してると、とてもそうは思えないわ。本当、不思議な子」


中身は22歳+ですから


「でも、お姉ちゃんとしては、もう少し子供っぽい方がいいかな。


 もうお友達なんだし砕けて喋っても良いのよ。


 特にこういう場所では。ほら私が来たと言わないで、って言ったでしょ」


「聞いた事はもう忘れました」


「本当に面白い子ね。見た目は可愛いのに。


 でも気を付けてね。その感じを気持ち悪いとか、あざといとか


 悪くとる人もいそうだから」


「…気をつけます」




マリーお嬢様の横に座っている年かさのメイドさんが俺の足を軽く


蹴ってきた。


わかりましたよ。


「貴重なお話ありがとうございます。後の予定は大丈夫ですか」


「あら。話の打ち切り方は下手なのね。


 嫌な事思い出させてくれたからお利口点は没収よ。」


マリーお嬢様が立ち上がるより速くメイドさん達が駆け寄り


手を引いたり椅子を戻したりする。


「居候の所までご足労いただきありがとうございました。」


「こちらこそ、何度も相手してくれてありがとう。


 さあ、笑顔を張り付けてお仕事してくるわ」




貴族令嬢に転生の話がよくあるけど、結構大変じゃね?

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