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107.後始末キター

「ネッチャ、入って来た時に見た三人、倒せるか?


 できれば一人は生かしておいて欲しい」


「ケガをさせてもいいなら簡単。三人とも生かしとく?」


「そうして。今日は人を殺し過ぎた。」




何かの倉庫らしい建物の中には死体が七体。


確認の為鎧のフェースガードを上げて、ドワーフの顔が出てきた時は


やっぱり嫌だった。


鎧は魔物みたいで撃つのに抵抗なかったんだけどな。




「そんな顔しちゃ、ダメ。殺すのは良くない事だけど思いつめないで」


「ネッチャは慣れてるんだね」


「言葉を話す人間を殺したのは初めて。大きさの似たホブゴブリンなら


 沢山やったけどね」


よく見るとネッチャの表情も硬い。


「ごめんなさい。変な事言って。自分の事ばっかり考えてた」


「気にしなくていいよ。それにまだ終わってないよ」




俺がネッチャとしんみりしているけど倉庫内はうるさい。


「早くほどいて!助けに来たんでしょ!」


「生暖かいよ、生臭いよ、気持ち悪いよ~」


「よそ行きのいい服着てるのに血まみれじゃない、弁償してよね」


「ニャーヌニ、ニャー、毛に着いた血が固まって来たニャー」




こいつらを自由にしたら不測の動きをしてややこしい事になりそう。


というより絶対なりそうなので、もう少しだけ転がっててもらう事にする。




「じゃあ僕は頃合いを見て内側から扉を開ける、


 ネッチャは屋根の上から外の奴をやっつけて。


 中に入って来る奴は俺がやる」


「そんな事にはならないから心配しなくていいよ。


外にあの音聞かれたら大変でしょ」


俺が攻撃したら相手が死ぬ、という意味もあるんだろうな。




テンプレに確認したが、外の三人は相変わらず扉付近でたむろしているようだ。


中で大騒ぎして静かになったのに不審がらないのか?


俺達が殺されて解体されていると思っているのかもしれないな。




ネッチャは裏口の扉をそっと開け、音もなく倉庫の屋根に上っていった。


倉庫の内扉の前の死体を踏み越えて外扉まで行く。


この扉の向こうに敵がいると思うとドキドキした。


もういいかな?という時間で、扉を開いた。


外の奴と一瞬目があった気がしたが、次の瞬間には三人とも倒れていた。




ネッチャと二人で三人とも倉庫の中に引っ張り込む。


幸い見張りの一人が鍵束を持っていた。




さて、気乗りしないけどやるか。この三人を縛るためにも必要だ。


「ねえ、どうなったの?助かったんでしょうね」


「トイレ、トイレ、限界ニャ!」


「エアったら変態ね。縛られてる姿が好きなのね」


助ける気がなくなるな。俺はそっちの趣味はない!


一万歩譲ってもメスガキが縛られてたら単なるDVだろ。


『さすが変態界隈に詳しい』


『詳しくないわ。お前まで変な事言うのやめろ』


テンプレの念話は最悪のタイミング、内容だ。


省エネモードのままの方が良かったかもしれない。




「いい?今からほどくけど、走り回ったり、飛び出したりしないでね」


「わかったから早く!」


大丈夫かな。


ネッチャと二人でロープをほどいていく。飛び出そうとして


扉の死体に悲鳴を上げるのは想定内だ。


裏口の外側は細い水路だよ、叫んじゃダメだってば。


「トイレどこ?」って知らないよ。


とりあえず、入口の廊下の三人を縛る。


手足が折れてるみたいだけどしばらく我慢してね。




裏口を施錠して、四人を落ち着かせる。


トイレはどっかでしたみたい。


あんまり嫌がるから内扉の死体を引きずって除ける。


俺だって見たくないんだぞ。




さて全員血まみれだ。


俺とネッチャだけなら人目を避けて帰れるけど、この子達を連れては無理だな


家に返したらまた攫われそうだから伯爵の所へ連れて行こう。


ランプは消した、扉は施錠した。


埋め合わせはすると言ってたし、これ位の面倒事は尻ぬぐいしてもらおう。



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