十九話
異界の海は美しい。蒼く澄んだ海の中にカラフルな魚が群れをなし、サンゴがところどころにある幻想的な景色だ。
先を行く奏さんを追いかけ漁場へと着いた。他の海女さんはすでに岩に取り付き何かをとっている。
奏さんに先導され岩に取り付き作業を見る。腰に巻いたベルトからノミを取り出し刃先をおもむろに岩と鮑の接着部分に当てると柄を金槌で叩く。それを何度か角度を変えながら行うと鮑が剥がれた。それを袋に入れるとコチラを見てニッコリ。
とにかく見よう見まねでやってみる。一度海上へ向かい大きく息を吸い潜水、周囲を見渡し同じ鮑を見つけるとノミと金槌を取り出す。
数回叩いてとれた鮑を見ると、黒い靄のようなものが見えたので奏さんに見せてみる。奏さんは大きくバツを作った。だめらしいこれが魔物化だろう。腰からナイフを取り出し切りつけると黒い魂が出てきた。黒い物は初めて見たのでどうしようかとも思ったがとりあえず喰ってみる。
スキル【喰らい得る魂】発動
スキル【水棲 吸着】
をラーニングしました
舌にピリピリと痛みを感じただけでなんともなかった。魔物化しても喰えるらしい。しかしスキルの【水棲】の効果だろうか、水の中にいても呼吸ができるようになりずいぶんと楽になった。(水中の酸素を取り込んでいるんだろうか?)
その後も岩場で貝を獲っていると鮮やかな黄色の魚がいたので身振り手振りで奏さんに伝えると一本の銛を渡された。これで捕まえろという事らしい。
銛を受取ると柄の先端のゴムを伸ばし柄の中央部と一緒に掴む。魚に近付き狙いを定め柄から手を放すとゴムが縮み銛が勢いよく魚に突き刺さった。しばらく暴れていたが岩に抑え付けていると動きを止めた。すぐに銛から抜き袋に入れながら魚の白い魂を喰らう。
スキル【喰らい得る魂】発動
スキル【泳法自在 放電 電撃耐性】
をラーニングしました
どうやらあの魚は電気ウナギのように電気を出すらしい。気づかれる前に仕留めれて良かった。
しばらく作業をしていると他の海女さんが一人づつ海面に上がっていく。奏さんを見るとにっこりと笑い上を指す。どうやら自分たちも終わりらしい。自分も海面へと向かっていると、ふと振り返った奏さんが顔を青くし後ろを指で指した。振り返ると――――
海蛇だ!!3mはあるだろう巨体をくねらせ猛スピードでこちらに向かってきた。
急いで泳ぐが差は縮まるばかり、【泳法自在】を得ても魚にはかなわない。
すると自分の横を凄まじい勢いで横切り海蛇へと向かう存在がいた。
奏さんだ!!




