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今日からワシの愛弟子じゃ。

凄まじい死闘から5日目にて、



ニジ「ンゴーーー。ぐーーーーー。……スピーーーーー。」


「…。」


心地よい潮風が吹く一つのプレハブ小屋内でいい表情でいびきをあげながら簡素のベッドの上で寝ている頭部のバンダナが外され上半身包帯で巻かれたニジがおり、それをじっと笑いを堪えるように見ていた猿顔をしたいい歳のダークグリーンのコートを着た長身の医者らしい男が吹き出しそうになる口をぐっと抑える。


「まったく。あんな事があったというのにいい寝顔で寝てんじゃなーい。」


「でもそろそろ起きて貰わないとねぇ〜。君にも色々と聞きたいことがあるから。」


ニジ「ブーー。プーーー。ぐおおおおーーーーーー。」


「さて。」


と、その男は寝ているニジの鼻穴から出ていたいい具合の鼻ちょうちんへと指一つ近づけて…


「チョレイっ⭐︎」


ニジ「ファ!?おほ。おおん。ゥェァ。…ん、んんおお?俺、寝ちゃってた感?」


「うん!いい寝顔で寝ちゃってたよォ〜。」


ニジ「おお。そうか。…って。」


パチーンと良い音を立てるよう膨らんでいた鼻ちょうちんが破れる音とと共にニジは目を大きく丸くさせるよう目を覚まし、ニジはまず直ぐ近くで座っていた猿顔の医者な男へと目を向けた。


ニジ「えと。此処は?それとアンタは一体?」


此処で今いる場所含めて、向けている医者の男の名も聞かされる事になった。


ムラクモ「アッシはムラクモ。この小さな離島のコミュニティのリーダーでーす。同時にこの世界にとって唯一の貴重とも言われている医者でもあるよォ〜。」


ニジ「は、はぁ。それはどうもです。貴重な包帯を俺に。」


ムラクモ「いいえー。医者としてしっかりと責務を果たしてるからねぇ〜。君がカイド爺さんに連れられてきて1日経ったって感じ。ちなみに此処はアッシ専用の医務室。ボロボロになってた君を此処で治療したのォ〜。」


ニジ「!あの爺さんが俺を此処に。」


ムラクモ「そうそう。」


あの日の命を掛けた激闘と自身の内に宿る闘眼持ちとしての覚醒、その果てに自身が多分敗北…気を失っていた合間にコミュニティに連れて来られた事をニジはあぁと小さく漏らした。

すると同時に今いるムラクモの医務室へと入ってきた。


カイド「わっはっはっはっは!起きたか、ニジ。此処へ連れて来るまで途中で気絶からぐーすかと寝おって。くくくく。アレはウケる。ワロたわい。はははははは!」


ニジ「カイドさん。それにお前らも。」


リクト「どうも。」


アマノ「フェフェフェフェフェフェ。此処にスマホかタブレットがあったらクソガーキのきちゃない中年の寝顔の写真が撮れたというのにねェー。残念残念。クククク。」


ニジ「はぁ。で、此処に皆さんが集まったという事は…。」


凄まじい死闘を繰り広げたヤベェジジイのカイド本人と孫のリクト、ババアなアマノが入ってきて、ニジは軽くため息を吐きつつ側に座るムラクモも含めてこれから彼らにする事をすぐに理解した。


ムラクモ「先ずは君から話して貰おうかねェ〜。コミュニティの外から来た以上、外しか得れない細かな情報と説明を願うよォ〜。」


ニジ「ああ。分かった。あそこにかけてある俺のコートの内側ポッケに見せるべきものが入ってる。そこから順に説明していくよ。」


ニジはあの日あの時の突然起こった世界の崩壊となった始まりとなる出来事、そしてその崩壊と全滅から逃れる為にしでかした事も含めて、集まったムラクモ達へと手に入れたちょっとした証拠品を彼らへ見せながら説明していった。



ーーーーーーーーーー



説明後…


ムラクモ「おお。君、あの傲慢で横柄な態度で有名なクソ市長が居座る【マッドシティ】に居たなんてねェ〜。」


ニジ「俺は温かそうなビルの屋上で寝てただけの不法侵入者扱いされましたけどね。」


リクト「そりゃ空から入れば普通に不法侵入者登録されるじゃん。ま、今はもう無駄なんだけどね。」


カイド「噂で上層だけ出回っていた忌避薬がまさかの個人差で効果が異なる件よ…。」


アマノ「おまけに段階的に可笑しくなって最終的に狂って死ぬ自殺に等しい毒薬そのものじゃないか。」


ムラクモ「これは酷いねェ〜。ニジ君がサイレント回収したこの服用注意事項と空の薬箱を見てもう現役医者にとっちゃ大激怒レベルよ。」


ニジ「だがもう薬は奴らに食い尽くされて二度と造れない。寧ろ世界各地にある工場全てが食い尽くされるのも時間の問題だと思うがな。」


カイド「じゃが奴らの弱点らしいものをよく見つけてくれた。後奴らはしっかり焼けば食える事もな。」


ニジ「ああ。動いてない不活性状態のタイプだけな。動いている奴と人工物に寄生した奴らは不味くて食べられるもんじゃなかったよ。」


リクト「よく試したモンだな。ご丁寧にイラストも添えて。」


ニジ「手帳とシャーペンも拾っておいてよかったよ。やはり確かな実証を込めた情報は生存率に関わるし。」


アマノ「確かに。」


ニジはカイド達へ得た情報を開示するように見せ、あの日の出来事から静かに検証を込めて色々と対策をしてきたニジのサイレントな情報を共有した。

と、


ニジ「んで、カイドさん。」


カイド「なんじゃ。」


此処でニジが聞きたかった事を、此処で知ることになる。


ニジ「色々と聞きたい事があるけど、何度もこの日まで聞いた【闘眼】とは?」


ニジ「昨日見たあの力と光は一体?」


するとカイドは真顔になって、


カイド「闘眼の歴史はとても古い。寧ろ全部細かく説明するとかなり長くなる。」


カイド「分かりやすく簡潔に説明すれば、闘眼の起源は今より太古の時代。その世界には多くの海の賊共とその賊共を制する海の軍、そして判決を下す神とやらの存在が自在に振るっていたそうだ。」


カイド「各々が持つ野心と願いの為絶えない抗争が続いた後、世界という星の怒りを買った彼らは海へ沈み長らく眠るよう封じられた。じゃが、その怒りから生き残った僅かな賊と軍と神は話し合い、彼らが自由に振るっていた力は今後悪用されないように天性がある者へと託すよう数々の力を遥か彼方へ向けて飛ばした。」


ニジ「遥か彼方。すると未来って…事?」


カイド「諸説はあるがのぉ。じゃが、彼方へ飛ばした三種の力は【闘眼】へと至り、天性ある者へと舞い降りることで人の姿をした【一線を外した者へ天誅を与える戦神】として受肉する。それが今いるワシらじゃ。」


ニジ「え。じゃぁ此処に居る皆さん俺含めて全員…。」


カイド「そうじゃ。」


医務室に集まったムラクモ達とニジこそ、


カイド「未熟者じゃが猛る【炎の闘眼】として受肉したワシとアマノの愛孫のリクト。」


一瞬だけ片手を炎のように赤くさせるのを見せるリクト。


カイド「ワシの愛しき姑であり【風の闘眼】として受肉したアマノ。」


鼻で笑いながらニジへと両腕を組むアマノ。


カイド「一突きで人を生かし、もう一つの一突きで死へ堕とす【命の闘眼】として受肉したムラクモ。」


ムラクモ「はーいっ⭐︎」


微笑みながらニジへと軽く手を振るムラクモ。

そしてカイド自身も不敵に笑って、


カイド「そしてワシ。裁きを下す【光の闘眼】としてこのジジイに受肉した。」


真っ直ぐに見つめるニジへと軽く指指しながらニジの闘眼の力を伝えた。


カイド「ニジ。主の闘眼は【破壊】じゃ。あらゆる概念含めて事象ですらぶっ潰すワシの光の闘眼と同等の持ち主。」


カイド「故に【リミテッド/オーバーウォーリアー】に至って居る以上、主は【破壊神そのもの】。人間以上に長生き…いやもう不老級並みに楽しい生きがいへ至った。まさに三種の者達が待ち望んでいた神如きの逸材じゃよ。」


ニジ「え、ちょ。か、神ぃーー!?俺そこまでの事…」


ニジはカイドから聞かされた自身の闘眼としての力。

だけでなく完全に人間を超越してしまった至高の域に居る事に若干動揺するも、


カイド「この日まで思い出してみぃ。主には身に覚えがあるハズじゃが?」


カイド「どんな場所に行っても平然とする。法則など関係なくぶっ壊す。故に致死並みの痛手を負っても直ぐに衣服と共に治る事もな。」


ニジ「!(そうか。だからあの青い光は。…。)」


ニジ「(どんな時でもあの光…俺の中に宿る闘眼が、ずっと守ってくれていたんだな。)」


ニジにとって身に覚えがありすぎる出来事に思わずハッとなって、それを見たカイドはニジへ軽く右肩へ手を置いて話し続ける。


カイド「じゃがニジ。主はワシへとこう言ったな。【一線を超えず、実直でありたい】と。」


カイド「人が人である事を忘れてはならない。これを聞いたワシは、確信したんじゃ。」


カイド「主は、まだまだ伸びる!人としての心と強い意志、実直な信念を持つ主にな。」


ニジ「カイドさん。」


そしてカイド含むムラクモ達はニジへ、


ムラクモ「まぁアッシらも自らの力を見つめ直す良いきっかけになったしね。強大な力を得ても人としてありたい、か。」


ムラクモ「アッシらのコミュニティの一員として頑張ってほしいよォ〜。君リクト君の次に若いしねェ〜。」


リクト「アンタと爺ちゃんの戦いを見て俺ももう一度向き合う事にしたよ。爺ちゃんの辛い修行をサボっていたのも罪だが、俺自身のなんでも燃やしてしまうこの炎を。…。」


アマノ「クソガーキの癖に一丁前の事を言うんじゃないよ。でもあたしゃァそれは嫌いじゃないしねェ。」


アマノ「破壊神とはいえまだまだそんなモンじゃないと思うよ。これから制御も入れながら力を伸ばしていきなァ。このジジイのテコでね。クククク。」


腕を君でせせら笑うアマノ以外ムラクモ達はニジへと軽く頭を下げ、それを見たニジは頭を先に上げたカイドへ、


ニジ「…まぁ俺も元々は安定した休み所を求めてたしいいか。一人孤独に鍛錬してた時よりも賑やかに拳を撃ち込めそうだ。んじゃ。」


ニジはやや真顔で、カイドへと伝えた。


ニジ「カイドさん。俺を【弟子】にしてください。人としてもっと強くなりたいんで。」


その直後、カイドはいい笑顔を浮かべて


カイド「待ち望んでいた返事じゃ。ええぞォーー!」


カイド「今日から、ワシの【愛弟子】じゃ。ニジ。」


ニジ「ええ。よろしくお願いします。カイドさん。」


カイド「うむ!」


ムラクモ「うんうん。契約成立っと。」


リクト「ですね。」


ムラクモ「クククク。」


両者は差し出した手を取り、誓うよう一瞬だけ青と金色の光が発した。




続く。

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