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火傷程度で済まさせねぇよ

謎の肉生生物が襲撃してきて僅か2・3日にて、



『み……なさ……聞こえ……か?』


『私た……は、……りょが…き…………。』


『謎のき…が、……を。………。』


『………。』


蠢く肉まみれの壊滅した街の何処かから助けを乞うような、はたまた何処かから現状を伝えるようなラジオの音声が響く。


ニジ「(此処も俺が奴ごとぶっ飛ばした街と同じことが起こったのか。)」


ニジ「(人が人で無くなる激ヤバ薬の威力パネェー。)」


あれから巨大な肉のヘビみたいな化け物軍団を街ごと撃破したニジは徒歩で各地を放浪しており、その最中同じよう配布された試薬品によって人が段階的になるよう狂い、凶器や素手で用いて人を襲った後物凄い断末魔を発しながら自決する。

自らの手で首筋を切った死体や、持っていた凶器を自身の額に突き刺して自殺、高い所から落ちて身体ごと潰す死体など、侵食する肉生生物に喰われる前に自ら発狂死した色んな形の老若男女の死体が転がる光景を常に目にする。


当然力の無い子供達の死体もあちこちに転がっており、ニジはその様々な死体達の側に転がっていた試薬品入りの小さな空箱を一つ手にとって、


ニジ「…そういえば、ラジオで薬を作る工場が奴らに食い尽くされたって聞いたな。」


ニジ「もう楽な方法で奴らから身を守る事はできない。此処から先は本当に…。」


ニジは再び何処かへと向かうよう歩き出し、意思ある肉が蠢く侵略種と人間同士による生き残るための争いが彼方此方で勃発し始める。

ニジは生きる為に歩きながら、


ニジ「この肉美味いじゃん。しっかり焼けばちゃんと食べれる。」


ニジ「となりゃコイツらを口に入れなきゃこの先生き残る事すら困難か。完全にこの世の末期だぜ。」


拾ったラジオの所々途切れる音声を聞きながら情報を得つつ、道中動かないタイプの肉を素手で千切り取り実際に良く焼きにするよう食べたニジは今後の生き残るための食事事情をニジなりに観察と共に試し始める。


ニジ「あららー。どの店も空っぽだねぇ。ま、みんな食糧と武器を求めて。」


ニジ「ただ身軽じゃなきゃいざとなったら素早く動けないし、いっぱい持ってると狙われるリスクが高くなるしな。」


ニジ「なら最低限のモンだけ持って生き延びるとしよう。うん。そうしよう。」


ニジは食糧と安全地帯を求めて生存者同士が争う姿も遠目で見つつ、ニジはひたすら生き延びる為に常に身軽で最低限の持ち物だけでより侵食された肉まみれの世界の下を歩む。

そんな最中、


ニジ「つかアイツら、この臭いが嫌なんだ。この焦げ臭い肉の匂いが。」


夕食の為ニジが千切り取った肉を炙って調理していた中、近くに侵食していた少し動くタイプの肉がイヤそうにニジが炙る焚き火や肉を焼く臭いから離れるよう動く光景を目にし、ニジは更に試薬品よりも良い忌避方法を此処で知る。


ニジ「散々と好き勝手に人工物を喰い荒らしてんのに。自らの焦げた臭いは駄目なんだな。意外。こんなちょっとの焚き火の炎でも引くなんて。」


ニジ「つかこれ例の激ヤバ薬よりもいい方法じゃん。おっしゃ。」


ニジは軽く丸めた右手を左掌へポンと置くよう思いつき、ニジは早速羽織っていたコートを脱いで焼いている肉の煙をコートにしっかりと染み付ける。


ニジ「うし。こんなもんでいいか。」


ある程度肉が焦げた匂いが染みついたコートを羽織ったニジは、お試しに肉が侵食している蠢く小腸だらけの箇所へと徒歩で近づく。

と、


ニジ「お。さっき動いてたコイツらが全く動かなくなったぜ。踏んでも全然アクション起こさんし。おっしゃ。採用。」


ニジ「仮名で【忌避煙】と名づけるか。ただ肉を炙る必要あるから噛みきれない筋ものをいくつか持っていこう。」


ニジ「どの部分も焼くだけで良い焦げ臭がするからな。」


活発に蠢いていた肉が全く動かなくなり、かつ開いていた数多の目の部分も閉じるよう一時的に鎮まる光景を目にしたニジは、軽くガッツポーズを取ってその日は宙の空気で踏み固めた自作ベッドで就寝した。




ーーーーーーーー




謎の肉生生物が世界を侵略・侵食して4日目



ニジ「ふう。だいぶ歩いた気がするな。」


ニジ「拾った周波数から聞きゃ…うん。この近く、だな。」


ニジは荒れた街・肉に侵食された街からやや遠目に離れた森に移動しており、手に持っているラジオの周波数から拾った【生存者同士が集まるコミュニティ】らしい僅かな音声を求めて先へ進む。


ニジ「いい加減安定したところで身を休めたいしな。良い人の集団だったらいいけど。」


ニジはこの日まで物資の略奪を主とした悪いコミュニティばかり目にしており、その度ニジは略奪者達を鉄拳一つで返り討ちにし、同時に略奪者の居場所ごと壊滅させるよう徹底的に証人を残さないように潰していた。


ニジ「もうこの世は末期だねぇ。こんな世じゃもう略奪と抗争は当たり前か。」


ニジは軽くため息を吐きつつ、周波数がより聞こえる場所へ向けて進んだ。

その時、


「止まれ。そこのデケェおっさん。」


ニジ「あ?誰?」


歩くニジの側面から気配も無く静かに声を掛けてきた若者の声。

ニジは声をかけてきた主へと振り向こうとした時、ニジの目の前に恐ろしい程に早い若者の裏拳が顔面に向けて飛んできた。

が、


ニジ「おいおい。話しかけておいていきなりか。なってないなぁ。」


「…。」


ニジは素早く目の前まで飛んできた若者の裏拳を右手一つで瞬時に掴み止め、ニジは自身へと不意に殴ってきたその若者の姿を目にする。


ニジ「で?お前は誰だ?」


ウェーブヘアをしたワカメ頭に火傷の痕みたいな傷が残る顔、そして暗い赤みが掛かったコートと白いインナー、パンツとロングブーツを着た20代前半に見えるピチピチの若者の姿と顔を目にした。

後、


「侵入者に気安く名乗ると思うか?」


若者は掴み止めたニジの拳を素早く振り払い、素早くニジに向けて早い前蹴りを放つ。

ニジは放たれた若者の前蹴りを片腕で防ぎながら軌道を逸らし、かつ反撃というカウンターの懐へ飛び込みつつ腹へ拳を叩き込もうとした。

しかし、


「ち。」


ニジ「熱!?」


若者はニジの早すぎるカウンターの動きに少し焦ったが、一瞬だけ若者の右手が赤く光り、腹に突き刺さろうとしたニジの拳を赤く光った手で止め防いだ途端、ニジはその発光する赤い右手から受けた火みたいな熱をそのまま受けるよう思わず後ろへ飛び退け、ニジは赤く光る若者の手に触れた右手が少し煙をあげる光景を目にした。

若者は少し離れた場所へ飛び退けたニジへと睨む目つきで、


「短期決戦だ。次こそ確実に仕留めてやる。」


「火傷程度で済まさせねぇよ。おっさん。」


ニジ「はあ。」


若者は両腕ごと赤く光らせるよう覆いながら身構え、ニジは少し焼けた右拳を少し息を吹きかけて冷ました後、ニジも腰を少し低くさせて戦闘体勢を取った。



ーーーーーーーー



唐突に始まった若者との戦いに、


「は。」


若者はニジに向けて高速にかっ飛ぶよう一直線に接近し、ニジは一直線に詰める若者の動きを見るべく静かに凝視した。


「フン!」


ニジ「っと。」


若者が赤く発光させた右手を軽く振り払った時、突如と発火するよう近くの雑草を燃やし、見たニジは突如と燃えた着火地点から若者の後ろを取るように後方へ飛ぶよう側転移動する。

ニジは飛び避けながら両手で無という空気を強めに掴んで、


ニジ「そいっ!」


「うお!?それ、婆ちゃんの技!?」


掴んだ空気を即席の壁として若者へ向けてぶん回すよう反撃し、顔だけ振り返りながら目にした若者は驚きつつ急ぎ屈んで見えぬ空気の壁ぶん回しを避ける。


ニジ「あん?婆ちゃん?アンタ家族いんの?」


「そうだよ!って、何言わせてんだこの野郎!!」


なんとか避けた若者は直ぐに振り返ってニジの下へ飛び、ニジは飛びながら飛び蹴りしてきた若者の攻撃を両腕でクロスさせて攻撃を防ぎつつ、地面へ背中から落ちる寸前に片手を地につけて側転しながら若者へと蹴り反撃もしつつ両足から地に着けて着地した。

若者はニジの早過ぎるかつ冷静な回避と反撃行動に少し動揺しつつ、


「デケェ身体にしちゃいい動きだな。なら、内側から火葬してやるぜ!」


若者は両脚のブーツごと赤く光らせるよう四肢を強化させ、再度ニジに向けて両手から火を交互に囮投げしながらカッ飛ぶよう接近し、ニジも両手両脚を青く光らせて若者が放つ囮の炎投げを手で払うだけで消し、本命の若者の熱いストレート拳を青く光らせた右蓋碗受けで防いだ。


ニジ「良く焼き派かい。つか人間を焼いても美味しかねーぞ?」


「誰が食うか!アンタみたいなおっさん侵入者はよぉ!!」


「クソ。俺よりも完璧な四肢(フォース)強化(コントロール)を簡単にやりやがって。」


ニジ「(コイツもシンラと同じかい。)何変な事言ってんの。」


「く。」


ニジは若者へ向けてめちゃくちゃ早い裏拳を振るったが、若者は素早く屈むように避けて、ニジへ向けて若者は熱い…赤熱化しているような両拳のオラオララッシュを仕掛ける。


ニジ「軽いな。ワカメ頭の小僧。」


「ぐあ!」


ニジは連続で撃ってくる若者の炎のパンチを両手で上手に逸らすよう軌道を変え、猛スピードで撃つ若者の炎のオラオララッシュを捌き切ったニジは若者の首を思いっきり掴んで、力いっぱいに地面へと背中から陥没する勢いで叩きつけ拘束した。

若者は苦し紛れにニジが掴む右腕を両手で掴み、解くべく両手に熱を思いっきり込めるようにしたが、


ニジ「無駄だ。もうお前の熱に慣れた。」


ニジ「どんなに温度をあげようとも鍛えられた腕は全くびくともしないぜ?」


「マジ…かよ…。」


もう慣れてしまったニジには通用せず若者は思わず落胆し、ニジはそれでも諦めずに拘束するニジの右手を離すべく力を何度か込めて足掻く若者の姿を目にする。

ニジはまだ足掻く若者を見ながら、


ニジ「んで、お前は何者だ?その燃える腕と脚といい、アンタは何処属?」


ニジ「返答次第で、人生諸共生死判決になりますが?どっち?はよ答えろ。」


「…。」


次の返答次第によって、ニジはこのまま若者の首を捻り潰す行動を取る。

しかしその直後、


「フェフェフェフェ!まさか【闘眼持ち】が此処に来るとはねぇ。」


「でも、愛しい孫を力で虐げるアンタも大概だねぇーーー!!ファファファファファファーーーーーー!!」


ニジ「っ!」


「!アマノ婆ちゃん!?」


ニジが突如と背中から強い力が衝突するようそのまま前方へとぶっ飛ばされ、拘束が解かれた若者は掴まれていた首へ手で触れながら咳き込みつつ、ゆっくりと森の中から歩んできた着物姿の盲目のババア…その名を言う。


ニジ「いっ…て。何何何何。なんなんだよ。」


対しぶっ飛ばされたニジは何度か地面へ横から叩きつけられたが、直ぐに受け身を取るようコートの裾を翻しつつ地面を少し引き摺りながら半立ち体勢で立ち上がる。

ニジは新たに現れた着物姿の盲目ババア…アマノが差し伸べた手で立つ若者を目にしながら、


アマノ「下りなリクト。此処からは大人の戦いといこうかねぇ。」


アマノ「立て。長身のガキ。可愛い孫のリクトを可愛がった分、倍にあたしゃが虐めてあげよう。ククククク。」


そう言ったアマノはかなり長い白い長髪を獅子の立髪のように大きく広がり、目にしたニジは苦笑いしながら第二ラウンドの構えを取った。




続く。

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