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大変お待たせいたしました
第八話でございます。
「ハッハッハッハッハ」
目の前には大口を開けて
豪快に笑っているオッサンがいる。
この国の王様だ。
高級そうなソファーに座ったその様は初見時の威厳たっぷりの
厳つい王様ではなく。
一人の優しげな父親の顔だった。
非常に好感のもてるイメージをうけた。
「全く、実に愉快愉快。英雄、色を好むとは良く言ったものだな。
実に愉快だ、こんなに笑ったのは何時ぶりか。」
目に涙をためながらまたも
笑いそうになって堪えている。
正直、あの後に何があったのかは
片付けに来たメイドさんが話してくれた事しか
全くと言っていいほどわからない。
曰く、会場にいた全員が全員、
酔い潰れ見事に死屍累々の地獄絵図が
広がっていたらしい。
酔い潰れた者は手伝いを呼んで
男部屋と女部屋で分けて運んでもらい
ただ、疲れて寝てる者は早々に起こして
自分の足で移動してもらったらしい。
ただ、そのあとが問題だった
ここまでは良かったんですか……と、
言いながらメイドさんが苦笑いをしたあと、
舞園さんとリリィ姫様が
僕に抱き付く様にして寝ているという。
爆弾投下を見事にしてくれた。
姫様は前から、酔ったときに
絡み癖が有るようで酔っているのに
気が付いた別のメイドさんが、
事情を話してくれたので救われた。
舞園さんの方も何があったのかは
覚えていないとのことなので
そっとして置くことにした。
そして、まぁなにはともあれ何もなくてよかったと
安心していた所に王様からの呼び出しだ。
どうしても、悪い未来しか想像できない。
で、呼び出された部屋に入ったとたん
大声で笑われた、そんなのどうしても
ポカーン状態にならざる終えないだろう。
そんな、回想という現実逃避をしていると
王様が立ち上がり
ズンズンと歩みを進め距離を縮める。
気づいた頃には丁度目の前にたっていた
すると、王様は九頭竜の肩を
ムンズと掴むと引き寄せる様にして
近くにあったソファーに座らせる。
そして、自分は戸棚の近くに行くと
何本かの酒ビンとグラスを二つ抱えて帰ってくると
机に置いて自らもソファーに腰をおろす。
その間、おろおろしだした九頭竜が
「あの、えっと、その…………」と狼狽えていたが
聞こえてもいなかった様だ。
「あのリリィと飲んだんだこの位大丈夫だろぅ?」
二つのグラスにトクトクとワインを注ぐと
片方を寄越してきて言いながらはにかむ
いくら優しそうだといっても
王様からの言葉には流石に断る事も出来ずに
カランッと乾杯をした後ヤケになって
何回かに分けて注がれている分を一気に飲み下す
あ、あっさりしてて美味いなこれ
「ハッハッハッ いい飲みっぷりだ」
そう笑うと自分もワインを飲んで行く。
また、グラスにワインを注ぐと
冗談混じりの談笑を開始させた。
リリィエルさんが子供の頃はどうだったとか
エリシールさんの武勇だったり。
僕のなにが気に入ったか知らないが話してくれた。
嬉しそうに時に悲しそうに。
暫くするとコンコンと、言う音と共に
一人の甲冑を着た男の人が表れる
すると、甲冑の男は「王、そろそろ………」
と申し訳なさそうに告げた
それを聞いた王様は残念そうに
「九頭竜と言ったかな?、すまないがそろそろ
仕事に戻らなければいけないようだ。」
と言ったあと立ち上がり握手を求めて来る
九頭竜も即座に立ち上がり握手をする
「有意義な時間だったよありがとう。」
そう言うと、扉をあけて此方に笑顔を向けると
「それではな」と言って出ていった。
何も返さないのは流石に
悪いので九頭竜は出ていく前に
「あっ、はいそれでは」と言っておいた。
そして、王様が出ていった後
部屋に入ってきたメイドさんに
メイドの存在に未だ感動しながら、
あてられた部屋まで案内してもらい
その日は寝心地の良さそうなベットに
即座にダイブした後、
色々とあって緊張したりで睡魔が
どっと押し寄せたので抗わずに
次の朝まで爆睡した九頭竜だった。
次の日ドアをノックする音で目覚めた。
ノックに答えて、入室を許可を出すと、
メイドさんが入ってくる。
ペコリとお辞儀した後
微笑みを浮かべたまま話し出す。
「クズリュウさま、よろしいでしょうか?」
「あ、はい、大丈夫です」
「今朝がた、カンヘル王が皆さま方を呼んでくる様にと、
申し付けられましたので朝食後、パーティーの時に使ったホールに
来て頂きたいのですが。」
多分これからの事を話すのだろうと予想しながら、
「場所は案内いたしますので」と言う言葉を聞いて
この豪勢な絨毯の廊下を自分達だけで歩かないで
良いことに安堵する。
迷いそうで不安だしな。
「それと、朝食ですがこの部屋を左へ出て突き当たりにある部屋に
ビュッフェの様なものを用意いたしましたので
宜しければお食べ下さい。」
「あ、了解です」
九頭竜の声を聞くとペコリとお辞儀した後
失礼しましたと言って出て行った。
隣の部屋にも伝言しに行ったのだろう
隣の部屋からも、ドアが開く音がした。
人数が多くなって
混んでる中で食べるのも嫌だたったので
早々に身支度をして
先程言われた部屋に行き料理をある程度取って、
自分の割り振られた部屋に帰ってくる。
今日はバターロールの様なパンと、
牛肉に似た食感の肉が入ったポトフだ。
「それにしても全く豪華な飯だな
異世界とか言うんだから食文化は余り進んでないと思っていたのだが、
結構美味しいものが有るんだな」
朝食を食べながら
昨日のの王様との話を思い出す
談笑中聞いてみたが
魔法が発展した世界らしい
正確に言うと魔法が発達したから科学が必要なくなったという所か
地球でいう石炭や石油などの燃料が魔力であり人などから
無限と言っては語弊だが人が生き物が居る限りほぼ枯渇する
事は無いのだ
ただこれにもデメリットだけと言う訳でものなくて
科学が定型的なのに比べ魔法ないし魔術は
人、一人ひとりの魔力を持っている量が
まちまちで有るという事だ。
そしてそこで発展したのが
そんな魔力を余り持たない者でも
魔法に準ずる事象を起こせる魔道具が開発された。
それまでは火を一度つけるのも一苦労だったが
魔法に火種という名の通り火種を生み出す魔法の事象を
魔術文字で綴り、ライターのようなものが作られ
それを応用して、ガスコンロの様なものが作られと
発展させていった事で。
立派な一つの科学に負けずとも劣らない技術を完成させたのだ。
やっぱり何もない時代だった時に生きる昔の人たちは
どの世界でもすごいモノだね。
他にも生活魔法とか言うのがあったり
普通に魔法としても発展し続けていると
そしてその為、実験が沢山研究出来たり
大きな事象を起こせたりと出来るので魔力の多い人は
総じて優遇され大切にされるんだとか。
それとこの世界には魔物や魔獣がおり日夜、
危険と隣り合わせらしく
それを知ったある魔法使い達が大昔に
冒険者ギルドというギルドを設立させて
魔物や、魔獣を狩り平和を作っているそうだ。
この、冒険者ギルドなんだがどの国でも
国の事とは無干渉なもう一つの独立組織として
動いており迂闊にてを出せないんだとか。
そんな、金の集まる冒険者ギルドだからか金目当ての
貴族や商人が悪事を働き乗っ取ろうとしたりしたのだが、
総じてその貴族や商人の一族は滅びの一途を辿っている
一説によれば、冒険者ギルドに
ギルド神なる者がいて見守っているんだとかなんだとか。
多分なにか裏が有るんだろうけどそこらは知りえない事だろう。
推測を出ないが何もないって事は無いだろう
証拠に不可思議な構造のカード、
冒険者カードなんてものががあるしね。
この冒険者カードは登録した
本人の名前、性別、職業、
登録者のデータが書き込んでも居ないのに表示される。
なお、この冒険者カードを無くしても
特定の道具を使ったり
持ち主が許可しないと名前と職業以外
データが見れないので安心して持ち歩ける。
そんなこんなしていると、
考えながらたべていたのが原因か
既に料理は無くなっていた。
食後の休憩がてら戸棚の一番上に置いてある
忍刀を手に取りもてあそぶ、
この世界異では僕達、異世界人は異彩なのだろう
言語も人も余り変わらないが
それは確実に知らしめられる時がくるだろう
地球にいた頃だって日本で培ってきた常識なんて
一歩外に出れば一瞬で崩れ去るのだから。
ベットに寝転がりながら手で忍刀をもてあそぶ。
九頭竜はうつらうつらし始め
いつの間にか寝てしまうのだった。
読んで下さってありがとうございます
何分苦学生なせいで自由に出来る時間が余り無くて
投稿が遅くなってしまいました。
今後は善処したいと思います。




