第31話:村の暮らしを調べに来たら疫病の兆しを見つけたんだが!?
村へ向かう道は、朝露に濡れていた。
祝言から四日目。
俺は土山十衛門と数名の供を連れ、那古野の城下からほど近い村へ向かっていた。
春の田畑には、まだ青々とした稲の姿はない。耕された土は黒く湿り、畦道には小さな草花が顔を出している。遠くでは農夫たちが鍬を振るい、時折、牛の低い鳴き声が風に乗って聞こえてきた。
馬上から眺める景色は、穏やかだった。
だが、その穏やかさが、いつまでも続くとは限らない。
この時代には、戦がある。
飢饉がある。
そして、病がある。
俺は、最後の一つを誰よりも恐れていた。
「若殿」
隣を進む十衛門が声をかけてきた。
「本日は、まず東の村を訪ねます。その後、川沿いの二つの集落を見て回る予定にございます」
「ああ」
「村役人には、すでに話を通してございます」
「助かる」
十衛門は軽く頭を下げた。
馬上の彼は、普段にも増して堂々としていた。
日に焼けた顔に刻まれた皺。左の眉尻を横切る古傷。厚い肩を覆う紺色の直垂は、華美ではないがよく手入れされている。
腰には刀を差し、背筋を真っ直ぐに伸ばしていた。
その姿を見ていると、二十年にわたり父に仕えてきたという言葉の重みが分かる気がした。
「……十衛門」
「はっ」
「お前には、子がいるのか」
十衛門が少し驚いた顔をした。
「……おります」
「何人だ?」
「息子が二人、娘が一人にございます」
「そうか」
「上の息子は、すでに元服を済ませました」
十衛門は前方へ視線を戻した。
「下の息子はまだ幼く、娘は母親に似て、よく口の回る子にございます」
その口元に、微かな笑みが浮かんだ。
俺は初めて見る表情だった。
「……娘は、いくつだ?」
「今年で十二になります」
「そうか」
十二歳。
現代なら、まだ小学生か中学生だ。
だが、この時代では、そろそろ嫁ぎ先の話が出てもおかしくない年頃なのだろう。
「……大切なのだな」
十衛門は一瞬、俺を見た。
「……無論にございます」
短い答えだった。
だが、その声には迷いがなかった。
俺は頷いた。
この男にも、帰る場所がある。
守りたい家族がいる。
前の人生で俺は、十衛門が家族について話すところを一度も聞いたことがなかった。
いや、聞こうとしなかった。
今になって、それが少し恥ずかしかった。
*
最初の村へ着いたのは、朝のうちだった。
村の入り口には、十数軒の茅葺き屋根が並んでいた。
家々の壁は土と竹で造られ、屋根の端には昨年の枯れ草が引っかかっている。軒下には薪が積まれ、庭先では鶏が餌をついばんでいた。
道は狭く、ところどころに深い轍が残っていた。
雨が降れば、たちまち泥だらけになるだろう。
俺たちの姿を見つけた農民たちが、慌てて道の脇へ寄った。
「若殿さま!」
「お出迎えもせず、申し訳ございませぬ!」
人々が次々と頭を下げる。
俺は馬を降りた。
「顔を上げてくれ。今日は村の様子を見に来ただけだ」
農民たちは、互いに顔を見合わせた。
どうやら、俺が何をしに来たのか分からないらしい。
それも当然だ。
織田家の嫡男が、突然村を訪ねてくる。
しかも、兵を連れて。
普通なら、年貢の取り立てか、何かの咎めだと思うだろう。
「……十衛門」
「はっ」
「供の者たちは、村の入り口で待たせてくれ」
「若殿、お一人で歩かれるおつもりですか」
「お前は一緒に来てくれ」
十衛門は少し考えた。
「……承知いたしました」
彼は供の武士たちに指示を出した。
俺は村の中へ歩き始めた。
*
村役人の家は、周囲の家より少し大きかった。
屋根の葺き方も丁寧で、庭には小さな井戸がある。
出迎えたのは、五十を過ぎた男だった。
日に焼けた顔に深い皺が刻まれ、顎には白い髭が混じっている。背は高くないが、腰はまだしっかりしていた。
「この村の庄屋を務めております、弥兵衛にございます」
男は深々と頭を下げた。
「突然のお越しに、何のお構いもできませぬが……」
「構わない」
俺は座敷に通され、十衛門とともに腰を下ろした。
弥兵衛の妻らしい女が、湯気の立つ茶碗を運んできた。
俺は礼を言って受け取った。
茶は薄く、少し苦かった。
だが、温かかった。
「……弥兵衛」
「はっ」
「この村には、何軒ほど家がある?」
「三十八軒にございます」
「人は?」
「赤子から年寄りまで合わせれば、二百人ほどかと」
俺は頷いた。
「田畑は、どのくらいある?」
弥兵衛は少し戸惑ったように十衛門を見た。
十衛門が静かに頷く。
「若殿は、村の暮らしについてお知りになりたいのだ」
「……は、はあ」
弥兵衛は慎重に答え始めた。
田の広さ。
畑で作っているもの。
昨年の収穫。
年貢の負担。
俺は一つずつ聞いた。
しかし、数字だけでは分からないことも多かった。
「……昨年は、どうだった?」
「雨が少のうございました」
弥兵衛は答えた。
「川の水が減り、田へ引くのに苦労いたしました」
「今年も同じことが起きたら?」
「……困りますな」
弥兵衛は苦笑した。
「川上の村とも、水をめぐって揉めることがございます」
俺は十衛門を見た。
「……そういう話は、城へ届いているのか?」
「大きな争いになれば届きますが、小さな揉め事までは、すべて把握できているわけではございませぬ」
「そうか」
俺は考え込んだ。
領地を治めるというのは、地図の上に線を引くことではない。
そこに暮らす人々の生活を知ることなのだ。
少なくとも、俺はそう思った。
*
話が一段落したところで、俺は尋ねた。
「……この村には、医者がいるか?」
弥兵衛が目を瞬かせた。
「医者、でございますか」
「ああ」
「この村には、おりませぬ」
「病人が出たら、どうする?」
「軽いものであれば、家で休ませます。薬草に詳しい婆さまもおりますゆえ」
「重い病なら?」
弥兵衛は少し困った顔をした。
「……町まで人をやります」
「医者を呼ぶのか?」
「銭があれば、でございますな」
俺は黙った。
弥兵衛は続けた。
「医者を呼ぶには銭がかかります。貧しい家では、なかなか難しゅうございます」
俺は茶碗を置いた。
「……熱が出た場合は?」
「熱、でございますか」
「ああ。急に高い熱が出たら、どうする?」
「水を飲ませ、身体を休ませます。薬草を煎じることもございますが……」
弥兵衛は首を振った。
「それで治らぬこともございます」
俺の胸が、きつく締めつけられた。
吉乃。
あの娘も、熱を出した。
前の夜までは元気だった。
翌朝には、もう冷たくなっていた。
俺は、何もできなかった。
「……最近、この村で熱を出した者はいるか?」
弥兵衛の顔が、少し曇った。
「……おります」
俺は顔を上げた。
「何人だ?」
「このひと月ほどで、五人ほど」
「五人?」
「はい」
「同じ家の者か?」
「いえ。家は別々にございます」
俺は十衛門を見た。
十衛門も、表情を引き締めていた。
「……その者たちは、今どうしている?」
「三人は回復いたしました。ですが、一人はまだ寝込んでおります」
「もう一人は?」
弥兵衛は目を伏せた。
「……亡くなりました」
座敷が静まり返った。
俺は、ゆっくりと息を吐いた。
「……いつだ?」
「七日ほど前にございます」
「年は?」
「十六の娘でございました」
俺は言葉を失った。
十六歳。
吉乃と、そう変わらない年頃だ。
「……どんな症状だった?」
弥兵衛は少し考えた。
「高い熱が続き、頭が痛いと申しておりました。食も進まず、最後には起き上がれなくなって……」
俺は拳を握った。
高熱。
頭痛。
食欲不振。
それだけでは、病名など分からない。
現代なら、病院で診察を受け、必要に応じて検査をする。
だが、ここには検査機器もない。
抗生物質もない。
そもそも、何が原因なのかさえ分からない。
「……ほかに、咳や発疹は?」
弥兵衛は首を傾げた。
「咳は、あまりなかったように思います」
「身体に赤い斑点は?」
「……そこまでは、存じませぬ」
俺は頷いた。
分からないことだらけだった。
だが、少なくとも。
病は、すでにこの時代の村々に存在している。
吉乃が倒れる日だけを待っていては、遅いのだ。
*
「……若殿」
十衛門が静かに声をかけた。
「少し、よろしいでしょうか」
「ああ」
俺たちは座敷の隅へ移った。
十衛門は声を落とした。
「病人を訪ねるおつもりですか」
「そのつもりだ」
「……お控えくださいませ」
俺は十衛門を見た。
「なぜだ?」
「病が人から人へ移るものであれば、若殿まで患うおそれがございます」
俺は少し驚いた。
この時代にも、病が人から人へ移るという認識はあるのだ。
当然といえば当然かもしれない。
疫病の恐ろしさは、昔の人間もよく知っていたはずだ。
「……そうだな」
俺は頷いた。
「俺が直接会う必要はない」
十衛門の表情が、少し和らいだ。
「ご理解いただけて何よりにございます」
「だが、放っておくわけにもいかない」
「……と、申されますと?」
「医者を呼びたい」
十衛門は眉を寄せた。
「この村のために、でございますか」
「ああ」
「若殿。医者を呼ぶにも銭がかかります」
「分かっている」
「それに、同じような村はほかにもございます。すべての病人に医者を呼んでいては……」
「銭が足りなくなる、か」
「左様にございます」
俺は考えた。
十衛門の言うことは正しい。
気の毒だからといって、すべての病人を救うことはできない。
だが、何もしなければ、何も変わらない。
「……十衛門」
「はっ」
「まずは、医者に話を聞きたい」
「話、でございますか」
「ああ。どんな病が流行っているのか。どういう手当てができるのか。どの程度の銭が必要なのか」
俺は続けた。
「それを知らずに、何も決められない」
十衛門はしばらく黙っていた。
やがて、頷いた。
「……承知いたしました」
*
村を出る前に、俺は弥兵衛へいくつか頼み事をした。
病人の家族から、症状や発病した日を聞いておくこと。
同じような症状の者が新たに出たら、村役人へ知らせること。
そして、病人の世話をした者も体調を崩していないか、気を配ること。
弥兵衛は、少し不思議そうな顔をしていた。
「……若殿は、なぜそれほど病のことをお尋ねになるのです?」
俺は答えに詰まった。
吉乃を救いたいから。
そう言っても、理解されないだろう。
そもそも、まだ出会ってすらいない娘のために、領地の病を調べているなどと話せば、正気を疑われるに違いない。
俺は少し考えた。
「……人が死ねば、村が困るだろう」
弥兵衛は頷いた。
「左様にございます」
「田畑を耕す者が減れば、収穫も減る。子が親を失えば、暮らしも苦しくなる」
俺は村の家々を見渡した。
「だから、できることを考えたい」
弥兵衛はしばらく黙っていた。
そして、深々と頭を下げた。
「……ありがたきお言葉にございます」
俺は、その頭を見つめた。
感謝されるほどのことは、まだ何もしていない。
俺はただ、話を聞いただけだ。
この村で病に倒れた娘を救うこともできなかった。
それが、今の俺の現実だった。
*
二つ目の村へ向かう途中、俺は馬を止めた。
道の脇に、小さな祠があった。
石を積んだだけの簡素なもので、前には枯れた花が供えられている。
「……十衛門」
「はっ」
「あれは何だ?」
十衛門は祠を見た。
「村の者が、病除けを願って祀っているものかと」
「……病除けか」
俺は馬を降りた。
祠の前には、古い布が結びつけられていた。
その布は雨風に晒され、色が褪せている。
俺はしばらく、それを見つめた。
この時代の人々は、病の原因を知らない。
だから、神仏に祈る。
もちろん、祈ること自体が悪いわけではない。
だが、祈りだけでは救えない命がある。
俺は、それを知っている。
「……若殿」
十衛門が近づいてきた。
「何をお考えで?」
「……病のことだ」
俺は祠から目を離した。
「人は、どうして病になるのだろうな」
十衛門は少し考えた。
「……天の巡り合わせ、と申す者もおります」
「そうか」
「悪い気が身体に入る、と考える医者もおりますな」
俺は頷いた。
現代の知識を持つ俺には、病原体という概念がある。
細菌。
ウイルス。
寄生虫。
だが、俺は医学部の学生ではなかった。
病名を聞いても、正確な治療法など分からない。
まして、この時代の道具だけで何ができるのか。
想像もつかなかった。
俺は、現代人だからといって万能ではない。
むしろ、何も知らないことのほうが多い。
だからこそ、学ばなければならない。
*
二つ目の村は、川沿いにあった。
水量は豊かで、岸辺には柳が並んでいる。
子どもたちが川原で遊び、女たちは浅瀬で布を洗っていた。
その光景を見た瞬間、俺は足を止めた。
水。
井戸。
川。
吉乃と初めて出会ったのも、井戸端だった。
あの娘は、桶を持って水を汲んでいた。
俺が慣れない手つきで手伝おうとして、水を跳ねさせた。
吉乃は驚いたあと、笑った。
あの笑顔を、俺は忘れられない。
「……若殿?」
十衛門が声をかけた。
「どうなされました」
「……いや」
俺は首を振った。
「少し、昔のことを思い出した」
十衛門は不思議そうな顔をしたが、それ以上は尋ねなかった。
俺は川を見つめた。
もし、あの娘の病が水に関係していたら。
もし、井戸が汚れていたら。
そんな考えが、頭をよぎった。
だが、証拠はない。
思いつきだけで村人の暮らしを変えることはできない。
俺は、まず調べることにした。
*
この村では、川の水を生活に使っていた。
飲み水は井戸から汲む家もあれば、川の上流から運ぶ家もあるという。
俺は村役人に案内され、水を汲む場所を見て回った。
川上には洗い場があり、少し下ったところでは牛が水を飲んでいた。
さらに下流には、畑へ水を引く溝がある。
俺は、その位置関係を頭に入れた。
「……十衛門」
「はっ」
「水を汲む場所と、汚れた水が流れ込む場所は、なるべく離したほうがいい」
十衛門は首を傾げた。
「……それは、なぜにございますか」
「汚れた水を飲めば、腹を壊すことがある」
「なるほど」
「特に、便所や家畜のいる場所から流れる水には気をつけたい」
十衛門は川を見た。
「……確かに、川下では水が濁ることもございますな」
「そうだ」
俺は頷いた。
「それに、飲み水はできるだけ煮沸したい」
「……煮沸?」
「沸かしてから飲むということだ」
十衛門は少し考えた。
「それでは、薪が余計に必要になります」
俺は黙った。
そうだった。
現代なら、水を沸かすのは簡単だ。
だが、この時代では薪も貴重な資源だ。
毎日、家族全員の飲み水を沸かすとなれば、相当な量が必要になる。
「……そうだな」
俺は頷いた。
「すべての家に、すぐそうしろとは言えない」
十衛門は俺を見た。
「……若殿」
「何だ?」
「先ほどから、随分と変わったことを仰せになりますな」
俺は苦笑した。
「そうかもしれない」
「ですが」
十衛門は川へ視線を戻した。
「考えてみる価値は、ありそうにございます」
俺は少し驚いた。
「……そう思うか?」
「はい」
十衛門は頷いた。
「若殿は、ただ思いつきで命じるのではなく、まず確かめようとなさっております」
俺は黙っていた。
「それならば、我らも力を尽くせます」
その言葉が、胸に残った。
*
三つ目の村へ着いた頃には、日が傾き始めていた。
その村は、前の二つよりも小さかった。
家は二十軒ほど。
田畑の周囲には低い林が広がり、村の外れには古い井戸があった。
俺は馬を降りた。
そのときだった。
井戸の向こうから、女の笑い声が聞こえた。
明るく、よく通る声だった。
俺は、思わず足を止めた。
心臓が、大きく跳ねた。
知っている。
この声を、俺は知っている。
井戸端には、数人の女たちが集まっていた。
その中に、一人だけ、見覚えのある娘がいた。
黒髪を後ろでまとめ、質素な小袖をまとっている。
小柄な身体。
柔らかな頬。
大きく澄んだ瞳。
現代の芸能人で例えるなら、今田美桜に似た、愛嬌のある可愛らしい顔立ちだった。
娘は隣の女と何かを話し、声を立てて笑った。
その瞬間。
俺の足が、動かなくなった。
「……吉乃」
声が漏れた。
十衛門が振り返った。
「若殿?」
俺は答えられなかった。
吉乃。
生きている。
あの娘が、生きている。
頬には血の気があり、瞳は明るく輝いていた。
俺の知っている、あの笑顔だった。
最後に見たとき、吉乃の身体は冷たかった。
呼びかけても、答えなかった。
握った手は、二度と握り返してくれなかった。
だが、今は違う。
目の前で、笑っている。
俺は、息をすることさえ忘れていた。
「……若殿」
十衛門が近づいてきた。
「いかがなされました」
俺は、ようやく口を開いた。
「……十衛門」
「はっ」
「少し、待っていてくれ」
俺は歩き出した。
井戸へ向かって。
吉乃のいる場所へ。
一歩。
また一歩。
近づくにつれ、胸の奥が苦しくなった。
吉乃が、こちらに気づいた。
大きな瞳が、俺を捉えた。
そして、少し驚いたように瞬きをした。
「……あの」
その声を聞いた瞬間、涙が溢れそうになった。
吉乃は、不思議そうに俺を見つめている。
「どちらさまでしょうか?」
俺は、言葉を失った。
そうだ。
この娘は、俺を知らない。
あの井戸で水を跳ねさせたことも。
一緒に茶を飲んだことも。
干し柿を分け合ったことも。
俺に恋をしたことも。
何も、覚えていない。
それらは、すべて俺だけの記憶なのだ。
俺は唇を噛んだ。
それでも。
それでも、構わなかった。
生きていてくれた。
ただ、それだけでよかった。
「……すまない」
俺は、ようやく声を出した。
「驚かせたな」
吉乃は首を傾げた。
その仕草さえ、懐かしかった。
「……いえ」
彼女は少し微笑んだ。
「何か、お困りでございますか?」
俺は、首を横に振った。
「いや」
そして、ゆっくりと笑った。
「……会えて、よかった」
吉乃は、ますます不思議そうな顔をした。
だが、俺はそれ以上、何も言えなかった。
涙がこぼれそうだったからだ。
春の風が吹いた。
井戸のそばに咲いていた小さな白い花が、揺れた。
吉乃は、俺を見上げていた。
その瞳には、まだ何の思い出もない。
だが、俺には分かっていた。
この娘を、もう二度と失いたくない。
俺は、心の中で誓った。
今度こそ。
必ず、守る。
たとえ、歴史を変えることになっても。




