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第13話:嫁はたぶん良い人だとは思うが恋とは違う気がするんだが!?
その夜。
俺は布団に横になっていた。
少し離れたところに濃姫がいる。
同じ部屋。
それだけ。
なのに眠れない。
「信長さま」
「……はい」
「起きていらっしゃいます?」
「起きてます」
「私もです」
「…………」
なんだこれ。
「信長さま」
「はい」
「明日も槍の鍛錬をなさいますか?」
「……たぶん」
「でしたら、私がお相手いたします」
「遠慮します」
「なぜです?」
「強いからです」
暗闇の中で、濃姫が笑った。
俺も少し笑った。
戦から帰ってきて。
人が死んだことを考えて。
眠れないと思っていたのに。
いつの間にか、少しだけ気持ちが軽くなっていた。
濃姫は怖い。
今でも怖い。
でも。
もしかすると。
俺が思っていたほど怖い人ではないのかもしれない。
そう思いながら目を閉じた。
このときの俺はまだ知らなかった。
もうすぐ、俺が本当に好きになる女と出会うことになるなんて。




