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レベル4の落ちこぼれ勇者候補、死にかけたら勇者の力が覚醒しました  作者: 朱音小夏


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第22話

 あれから、騒動に気がついた教師達がやってきて、事の発端を聞かれた。

 アルト達は被害者ということで早々に部屋へと帰らされた。

 ――男たちの処遇は知らぬが仏。


「アルト。先にシャワーを浴びてくるといい。オレは少し用事を思い出した」

「? 分かった」


 アルトはセドリックが部屋を出たのを確認し、服を脱いでいく。


「やっぱりまだサラシには慣れないな......」


 そう呟くと、スルスルとサラシを解いていく。

 と、その時だった。


「アルト!! セドリック!! なんだったんだ、さっきの騒ぎ、は......」

「が、ガイゼル?!」

「き......」

「き?」

「キャーー!!」


 ガイゼルは顔を両手で隠し、悲鳴を上げた。

 ......扉が閉められていてよかった。


「ガイゼル......どちらかというと、その反応は僕がすべきなのだけど......」

「ハッ!! 悪い!! って、そうじゃねぇ!! お、お前、お、お、女ぁ?!」

「ガイゼル声が大きい!!」


 アルトは急いでガイゼルの口を塞ごうとする。

 すると、アルトが足を滑らせる。

 ガイゼルは慌ててアルトの手を引き、ベッドへと押し倒す。


「アルト。すまない。今もど......た......」

「セドリック。お帰り」


 セドリックは一瞬固まった。

 しかしすぐに気を取り戻して、ガイゼルをアルトの上から蹴り落とした。


「......ガイゼル? なんでオレ達の部屋にいる?」

「セドリック......お前アルトの秘密知ってたんだな......」

「お前には関係ない」

「セドリック、ごめんね」


 セドリックはアルトの謝罪にあたまを抱えた。

 ――アルトの危機感が足りない気がする。

 これは早々に釘を刺すべきか......?

 セドリックがそう思った瞬間だった。

 ガイゼルはアルトの両手を握り、真剣な眼差しを向ける。


「アルト!! 男として、責任を取らせてくれ!!」

「......と、言いますと?」

「オレ様が嫁に貰ってって、痛ぇ!! なにすんだセドリック!!」

「手が滑った」

「......まぁ、それは置いといて。お前が女だろうが、オレ様のライバルには違いない!! オレ様もその秘密、守ってやるぜ!!」


 ガイゼルは二カッと笑うとアルトの頭をガシガシと撫でた。

 セドリックは、「別の意味でのライバルが出来たな......」と小声で呟き、先程までの学院長とのやり取りを思い出していた。




 ***


「学院長。どうやら学院内にアルトをよく思っていない連中がいるようです」

「先の騒ぎはそれだったのか?」

「......おそらく」


 学院長の表情が険しくなる。


「セドリック」

「はい」

「アルトから決して目を離すな。よいな?」


 セドリックは一瞬だけアルトの顔を思い浮かべる。


「......はい」


 ――アルトを狙う者がいる。

 その事実を胸に刻み、セドリックは静かに頷いた。


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