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マギオン  作者: 雷然
12/14

独白

 広い部屋にはカツンカツンというヒールの音が今もこだましているようだ。

 一人になったカルルは作り笑いをやめた。カルルの表情は悲しみでも喜びでもなく、無表情というわけでもない。いうなれば透明な顔をしていた。

「そうッスか、ほな自由にさせてもらいますわ…………ねぇQORAさん、本当に見えてないですか?」

 部屋には誰もいない。

 ウルシ・カルルを除き、この部屋に他のどんな知性もいない。

「いてもいなくても同じですけどね、あなたは本当に観測者になったようだ。あるいは観測者を演じているのか。ま、どっちでもええんスよ邪魔されんかったら」

 カルルは己が非道な行いをなそうとしていることを自覚している。故に良識ある者ならばそれを止めるだろうと思っている。もしかしたら誰かが止めてくれることを、ほんのわずかに期待しているのかもしれない。(きざ)しはない。

 

 QORAに感情や知性、自我があることをカルルは疑ってはいない。

 疑っているのは観測するだけなのかどうかということ。――QORAならば止めることが出来るはずだ。

 疑っているのは善性か悪性かということ。――正義を愛するのならば止めるだろう。――そうでないのならば悪だ。


 ひりつくような感覚にカルルは表情を作る。右の口角だけを上げた挑戦的な笑み。

「確かめればわかることッスね」


 カルルはタブレット端末を素早く操作し、振り返らず部屋を出てゆく。

「げーむすたーと」

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