ぼくがのぞむぼく
大好きだった手は、ない。
少し困ったように、静かにしなさいという声もない。
強く、揺るがなかった魔力もどこにもない。
ぜんぶ、いきなり、きえちゃった。
これからは好きな姿になりなさい。
そんなことを言われても、ぜんぶ、ないのに、どこにもすきがないのに。
すき。
どこにいっちゃったかな。
怒られたこともあるけど、一緒にいてたのしかったのに。
もう、どこにもないの。
ずっとずっと呼んでるのに答えてくれないの。
ないのが悲しくて泣いてたら、みんなも悲しくて泣いちゃった。好きだったのに大切だったのにもうないのが悲しいの。
みんな、かなしいの。
泣いて泣いて、さがしているときに強いものを見つけた。近寄りたいけど、びりっとして近寄れない。うろうろしても気がついてくれない。
あんなに悲しい、哀しいっていってるのに。
でも、ある日、その子は僕に気がついてくれた。
一緒にいてくれるって!
もう、さびしくないって!
だからね、僕はぼくがなりたかった姿を思い出せたんだ。
柔らかくて暖かくてかわいいもの。
誰も傷つけないやさしいもの。
そういうものにしてあげたかったとあの人は言ったから、そういうものに、なるんだ。
おつかれさまでした。
本編は以上で終了となります。
以降、おまけをいくつか更新して完結予定です。
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