恐るべき暗殺者軍団
侵入者のもとに近づいてみると、そいつらは顔まで隠した全身黒ずくめで、短剣や、ロープや、その他妙な道具を身に着けていた。
「何者だ!お前ら、アルゴ・ロンドが世話になっている城だと知って乗り込んできたのか!」
「こいつ、アルゴ・ロンドだ!」
「俺たちは外れくじを引いたらしい!」
侵入者の一人が手で何かの合図をすると、俺とは反対の方向に二人が走っていった。
「アルゴ、お前の伝説も今日が最後よ」
「そんなことを言って、どうせお前らは時間稼ぎなんだろ?」
「…!フン、さすが魔王を倒すだけはあるな」
刺客の一人が針を投げてくる。俺は触れないように気を付けつつ避ける。こういう奴らの武器は、毒が塗ってあるから、まともに刺さるだけじゃなく、素手ではじいたりしても厄介なんだ。
「何だ⁉」
俺は背後の危険な気配を察知し、回避する。いつの間にか背後に回っていた男が、短剣を投げつけてきたのだ。短剣には縄がついていて、敵はそれを使って短剣を回収していた。
「そこだっ!」
敵の一人が剣で切りつける。俺は護身用の短剣を抜き受け止めると蹴りを入れるが、敵の回避が早く当たらなかった。
「フフフどうしたアルゴ・ロンド!この国最強との噂はデタラメだったようだな!」
「くそーッ言ってくれるぜ」
実際面倒な状況であることには間違いなかった。奴らは俺の得意な間合いでの戦いは避け、飛び込むときもいつでも退けるような体勢を保っている。俺だけが生き延びるなら逃げだせばいいが、こいつらを放っておけばラッセルやタークサルが危ない!
「お前ら、なかなかやるな。だがアルゴ様の方がずっと強いぜ!」
「その割に動きが鈍いぞ!」
俺は攻撃のそぶりを見せず、敵の攻撃を避けるときもあえて無駄に大きく避ける。
「こいつ、疲れてきたな」
「ワハハ、どうしたもっと虚勢を張れ!」
弱ってきたふりを続けていると、敵の一人が右側から刃物を持って近づいてきた。俺は対応できていないふりをする。
「そりゃあっ!」
俺は敵をギリギリまで引き付け、全力の回し蹴りを決める。俺の足は敵の頭を捉え、敵は破裂音とともに頭を失い、首から血を吹き出して倒れた。
「こ…こいつっ!」
「疲れたフリをしていやがった!」
「まだまだいくぞ!」
俺は動揺の隙をついて一番近くにいた敵へと駆け寄り、腰をつかむとバックドロップ。俺が手を放すころには、床に叩きつけられた敵の上体は形を保っていなかった。真っ黒な服の下がどうなっているかなんて、考えたくないね。
「くそっ!」
敵が投げてきた針を避けながら、俺は短剣を投げつける。短剣は敵の胸のど真ん中を貫いた。
「もういいだろう、俺は行かせてもらうぜ」
「待てっ!」
俺が逃げるふりをすると、敵は何かを投げようとして足を止める。俺はそこに、さっき盗んでおいた短剣を投げつける!
「かはっ」
刺客が首を押さえて倒れると、辺りは急に静かになった。今ので最後だったらしい。
「パルカラ、うまくやっててくれよ」
俺は死体から武器をはぎ取ると、城の皆を助けるために屋内へと走っていった。




