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前世の記憶?厨二ノート?無駄に派手な異世界冒険譚!  作者:
【第8章】新たな拠点、街づくりの始まり

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【75話】一つ一つ丁寧に

銭湯の建築案を広げた、その時だった。


机の端に置いていたスマホが、短く震える。


「……?」


画面を見ると、リュカからの連絡だった。


リュカ:もう一つの新製品、量産ライン安定したよ。石鹸入浴剤、問題なく回せる。


すぐに続きが来る。


リュカ:名前は《アクアリュクス》。冒険者向け。効果は桶一杯の水にこれを入れて、手や足を浸すと疲労が取れる。軽い魔力消耗も回復できるし、リラックス効果もある。


「……よし」


銭湯は逃げない。

量産が安定した“今”を逃すのはもったいない。


トウマ:了解。こっちでも店の準備をするから、セラとフィオナに指示を出してくれ。


判断は早い方がいい。


ほどなくして、セラとフィオナにも連絡が入ったらしい。


「トウマ様」

「リュカ様から指示が来ました」


セラはいつも通り落ち着いた様子で言う。


「本日中に店頭準備を済ませます」

「明日から正式販売だそうです」


フィオナも元気よく頷く。


「私、棚の入れ替えやりますね!」


二人はすぐに店へ向かった。


……頼もしい。


俺も準備に取り掛かろうと、立ち上がった――その時。


「失礼します」


聞き覚えのある、よく通る声。


嫌な予感しかしない。


振り返ると、そこに立っていたのは――


腕を組み、明らかに不機嫌そうな

エリシア王女だった。


「説明を求めます」


開口一番、それだ。


「なぜ」

「王国の店が、閉まっているのですか」


……しまった。


「申し訳ありません」

「新製品の量産準備を優先しておりまして」


丁寧に答えるが、王女の機嫌は戻らない。


「閉まっている」

「それが問題なのです」


完全に個人的な怒りだが、立場が違う。


「人手不足、と以前おっしゃっていましたね?」


「はい」


「なら、紹介します」


即断。


「ちゃんと“使える”人材です」

「明日から入れます」


……助かるが、勢いがすごい。


翌日。


王国の店は、再び営業を再開した。


新しく入った従業員たちは手際が良く、

引き継ぎも驚くほどスムーズだった。


「これなら問題ありませんね」

「当然です」


エリシアは満足そうに頷く。


「閉める時は」

「必ず、私に相談してください」


……はい。


こうして、


《アクアリュクス》量産・販売開始


王国の店、完全再開


一気に二つ、片付いた。


俺は改めて、銭湯の設計図を広げる。


「……さて」


今度こそ、逃げ場はない。


次は――

この街の“切り札”。


銭湯だ。


ここまで積み上げたものを、

体験として形にする番が来た。

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