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前世の記憶?厨二ノート?無駄に派手な異世界冒険譚!  作者:
【第8章】新たな拠点、街づくりの始まり

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【74話】面接と開店

面接、と言っても堅苦しいものじゃない。


「実際に作ってみてくれ」

「それで判断する」


そう言うと、二人は顔を見合わせて頷いた。


最初に動いたのは背の高い男――ガルド。


包丁さばきは無駄がなく、

火加減も迷いがない。


焼き物、煮込み、簡単なスープ。


火加減、包丁、味の組み立て。

安定している。


……だが。


「……あれ?」


気づいたのは、少し遅れてからだった。


ミーナが、ほとんど喋らずに動いている。


ガルドが鍋に手を伸ばす前に、

必要な調味料や具材がすでに横に置かれている。


フライパンを使い終わった瞬間、

濡れ布巾が差し出される。


盛り付けに入ろうとしたら、

皿がもう温められていた。


「……初対面だよな?」


思わず口に出る。


ミーナは、きょとんとした顔で首を傾げた。


「はい、今日が初めてです」


「なのに、なんでそこまで分かる?」


少し間があって、ミーナは照れたように視線を落とした。


「……癖、です」

「見てれば、次に何が必要か分かるので」


それだけ?


いや、それが出来る人間がどれだけ貴重か。


料理がすべて出揃ったあと、俺ははっきり言った。


「ミーナさん」


彼女がびくっと肩を跳ねさせる。


「サポートが異常に上手いです」


ルシアが横で頷いた。


「一人増えただけで、厨房の回り方が全然違う」


ガルドも苦笑いだ。


「正直、かなり助かってます」

「こういう人がいると、料理に集中できる」


ミーナは顔を真っ赤にした。


「そ、そんな……」


「初めて会った人間相手に、ここまで“欲しいものを先回りして用意できる”のは立派な才能です」


料理の腕も大事だ。

だが、店を回す上で――これは別格。


「決まりだな」


俺は二人を見る。


「ガルドさん、主軸はあなたに」

「ミーナさん、あなたはガルドさんの補助を」


昼だけとはいえ、

この二人なら“回る”。


俺はそう確信していた。


「助かります」

「やります」


二人とも、即答だった。


数日後。


食堂は、静かに、だが確実に動き始めた。


昼時には冒険者や職人が集まり、

自然と情報が回る。


「ここ、飯うまいな」

「早いし、腹にたまる」


それだけで十分だ。


同じ頃。


ギルドの準備も、ついに整った。


簡素だが清潔な建物。

掲示板、受付、休憩所。


ノクシア冒険者ギルド、営業開始。


街に“役割”が生まれた瞬間だった。


「次は?」


フィオナが、控えめに手を挙げる。


「……銭湯、ですよね」


俺は頷く。


「次は銭湯だ」


ただの風呂じゃない。

この街ならではの、“売り”になる場所。


食堂、ギルド、そして――銭湯。


街が、俺たちの手によって作られていく。

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