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前世の記憶?厨二ノート?無駄に派手な異世界冒険譚!  作者:
【第4章】やりたかったこと

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【48話】石鹸と布と、日々の手仕事

試作品の石鹸を店に並べる。

木の棚に並べると、形の整ったものと、少し崩れたものが混ざる。

手作業ならではの不揃いさが、かえって温かみを感じさせる。


店頭に並んだ崩れた石鹸を、庶民の客が興味深そうに手に取る。

形は不揃いだが、品質はしっかりしている。


「え、これ……この値段で買えるの?」

驚きと喜びが入り混じった声が聞こえる。

この世界の石鹸は高級で、富裕層以外はあまり石鹸を使わないため、安価で購入できることに目を丸くしている。


手に取った客は少し水で濡らして布で試す。

軽く汚れが落ちるだけで、十分に満足できることがわかる。

「なるほど……洗い上がりはすごくいいね。それに、香りもいい」


リュカが横で微笑みながらメモを取り、俺に目を向ける。

「反応も上々。普段石鹸を使わない人にも十分に需要はある」


セラも棚越しに頷き、客の動きを観察している。

「アルト様、さすがです」


俺は手に取った崩れた石鹸を見つめ、心の中で決める。

「よし、富裕層向けと庶民向け、両方のラインを整えて量産化だ」


試作が好評を得た翌日、俺たちは工房に集まった。

今日からは、石鹸の量産だ。


「まずは手順をしっかり覚えろ。効率よりも、品質を優先する」

ドランが従業員たちに声をかける。

彼の目は厳しくも温かく、誰も逆らえない安心感がある。


従業員たちは慎重に材料を計量し、混合し、型に流す。

ドランは一つひとつの工程を確認し、必要があれば手直しや指導を入れる。


「もっと均等に混ぜろ。量を一定に保て」

「型に流すときは、気泡を潰すことを忘れるな」


俺たちは見守りながらも、必要に応じて作業を手伝う。

手作業の音、木や石鹸が触れる感触、混ざる液体の香り――工房は活気に満ちていた。


リュカも記録用のノートを手に、作業スピードや工程のメモを取る。

「順調。設定していた量産目標も問題なく達成できそう」


セラは完成した石鹸を並べ、形や色をチェックする。

「形が綺麗なものは富裕層向け、崩れたものは庶民向け。なるべく綺麗なものを作りたいけど、どうしても崩れたものが出てきますね」


ドランは微笑み、満足げに頷く。

「これで量産化の準備は整った。後はこの手順を守って生産するだけだ」


こうして、ドランの指導の下、石鹸は工場で次々と形になり、量産化が始まった。

手作業の温かみと確かな品質が、これから街中に広がっていく。

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