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【29.5話】別れの時
ギルドの奥、普段は真面目な空間も、今日は少しだけリラックスしていた。
ヴァルドとエリオは酒を傾け、卓上の小皿をつまみながら、最近の冒険者たちの話題で盛り上がる。
「いやー、トウマもリュカも、随分と強くなったな」
ヴァルドが笑いながら杯を傾ける。
「ああ、初めて会ったときとは比べものにならない」
エリオも頷く。
ヴァルドが小声で、しかしどこか楽しげに続ける。
「最近一緒にいる、セラって子の実力は底知れないな……あの子、1日で俺たちと同じCランクに昇格って……」
エリオが笑いをこらえつつ応じる。
「先日の報告でも、リュカやトウマが必死にやっているそばで、さらっとC級を複数討伐してるんだからな……完全に異次元だ」
2人は顔を見合わせ、吹き出す。
酒の香りと笑い声の中で、ギルドの奥は不思議な温かさに包まれていた。
「でも、こうして見送るのも悪くないな」
エリオが少し寂しげに言う。
「うん、あの子たちなら、きっと大丈夫だ」
ヴァルドも頷く。
窓の外で街の喧騒が遠ざかるのを眺めながら、2人は若き冒険者たち――トウマ、リュカ、そしてセラ――の成長を願い、別れを惜しむのだった。




