EPISODE.73話〘社長直々の依頼と東条の覚悟〙
今回、2話分の投稿です。
まず1本目です。
翌日、俺たちは会社で仕事をこなしていた。
「東条部長、専務がお呼びです」
「わかった。今から行く」
俺は専務の秘書に呼ばれ、専務室へ向かった。
「専務、東条部長をお連れしました」
秘書がノックをする。
「入ってくれ」
失礼します――そう言って専務室へ入った瞬間、俺は少し驚いた。
……お客様がいる?
後ろ姿だけで誰か分からない。
「失礼します。お呼びでしょうか専務?もしお客様とのお話中でしたら、改めて出直します」
「その必要はないよ。東条部長」
聞き覚えのある声に、俺は固まった。
「私が君に話があって、専務へ頼んだのだ」
「しゃ……社長!?」
まさかの社長だった。
な、なんで社長がここに!?
一気に緊張が押し寄せ、頭が真っ白になりかける。
すると専務が苦笑しながら話し始めた。
「実はね、以前君が提出していた社員達の仕事計画案を社長へ提出したんだよ」
「はい」
「その評価が非常に高かったんだ。他部署でも試験的に1週間導入してみた所、予想以上に業績が伸びてね」
え……マジで?
俺が驚いていると、社長が口を開いた。
「そこでだ、東条部長。君の部署で行っている方法を、明日から1ヶ月間継続してもらえないだろうか?」
「1ヶ月……ですか?」
「もちろん、無理な仕事を押し付けるつもりはない。こちらも全面的にバックアップする。……やってくれるかな?」
社長直々の提案。
流石に緊張する。
しかも1ヶ月となると責任も重い。
……でも、やるしかないよな。
俺は覚悟を決めた。
「分かりました。やらせて頂きます。報告は1週間毎に提出致します」
「うむ、頼んだよ。責任は私が取る。安心して進めてくれ」
そう言うと社長は立ち上がった。
「後は専務、頼んだよ」
「「ハイ」」
社長は専務室を後にした。
扉が閉まった瞬間、俺は小さく息を吐いた。
……緊張した。
すると専務が苦笑しながら話しかけてきた。
「済まなかったね。社長と2人きりだと、東条部長も話しづらいと思ってね。私がここで話すよう提案したんだ」
「そうだったんですね……。確かに社長と2人だけだったら、まともに喋れなかったと思います。本当に助かりました」
「ははは、そう言ってもらえると良かったよ」
「では、明日からの計画案をまとめてきます」
「頼んだよ」
「では失礼します」
俺は一礼して専務室を後にした。
その後、俺は明日から始まる計画案の作成へ取り掛かった。
昼休みになると、西石が昼食へ誘ってきたので一緒に食べる事になった。
「東条部長、今日はかなり集中してましたね。みんな、話しかけづらかったって言ってましたよ」
「そうか?それは悪かったな。気を付けるよ」
「ところで、今日仕事終わったらログインするっすか?」
「いや、今日は専務から大事な案件を任されたからな。今日は遠慮しておくよ。誘ってくれたのに悪いな」
「大丈夫っすよ。無理に誘ったのはこっちですし」
「さて、午後の準備もしないとな」
「ですね。午後も頑張りましょう」
午後の仕事を終えた後、俺は完成した提案書を持って再び専務室へ向かった。
「専務、東条部長がお見えです」
「通してくれ」
俺は専務室へ入り、提案書を提出した。
専務は内容を確認し、静かに頷いた。
「問題ない。明日から1ヶ月間、頼んだよ。東条部長」
「分かりました。では失礼します」
俺は一礼して専務室を後にした。
仕事を終えて帰宅した俺は、夕食と入浴を済ませる。
今日はログインせず、そのままゆっくり休む事にしたのだった。
2本目は夕方に投稿致します。




