EPISODE.63話〘最凶龍襲来!黒炎の咆哮と決戦の幕開け〙
今回も1話分投稿になります。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
俺たちは今、【光冥乃氷輪】ギルド団ホーム前にいる。
[来たか、トレン。待っていたぜ]
[すみません、遅くなってしまって]
[大丈夫だ。こっちが無理をお願いしたんだから、気にするな]
[そうそう。気楽にしなよ、気楽に!]
――無理無理無理無理無理無理無理無理無理!!
【ギルド団四天王】の3大ギルドとも友好関係になっているとはいえ、そんな気楽に振る舞えるわけないやろ!!
俺は心の中で全力でセルフツッコミを入れていた。
[トレン、リョウ、久しぶりだね。南エリアのパラエム街にいると聞いていたから、また会えて嬉しいよ]
[メイーファギルド長! お久しぶりです]
[お久しぶりっす。メイーファギルド長、どうしてここに?]
[激励に来ただけだよ。各ギルド長も揃っているけど、私たちは支援物資を届けに来たんだ]
[そうだったんですね。でも、お元気そうでよかったです]
リョウがメイーファギルド長と会話している間、俺は杖の結晶にそっと手を当てて念じた。
(ナーチ、さっき貰った虹色結晶を1つ、渡したい人がいるんだ。いいかな?)
すると杖がわずかに光り、トレンにだけ聞こえる声が響いた。
[いいよ! この前、夜の湖畔でトレンと話していた人だよね。1個だけならいいよ。あ、今会話しているのはトレンにしか聞こえないから安心してね]
[本当にありがとう、ナーチ。戦いが終わったら、また必ず寄らせてもらうよ]
[うん、楽しみにしてるね。じゃあ、またね!]
ナーチの嬉しそうな声で念話が終わった。
俺はリョウとメイーファギルド長を呼んだ。
[トレン、どうしたんだい? 改まって私に用かな?]
[実は、これを渡したくて。メイーファさんが欲しがっていた、虹色結晶です。受け取ってください]
[……! え、木箱? しかもこれ………なっ!? 虹色結晶!?]
メイーファギルド長は、厳重に梱包された木箱の中身を見て絶句した。
[実は昨日、北西の森林の湖に行ったんです。結晶ラビットのナーチと再会して、改めてお礼を貰ったんですよ。俺はもう自分の杖に使いましたから。これはメイーファギルド長に差し上げます]
[……わかった。ありがたく受け取らせてもらうよ。その代わり、約束してくれ。必ず生きて帰還すること。無理は絶対にしないことだ。いいな?]
[分かりました。必ず帰還します!]
メイーファギルド長が大切そうに虹色結晶の木箱を受け取った。
[済んだかい、トレン、リョウ]
[イザギーラさん! どうしてここに?]
[何、君たちを探していたらメイーファギルド長と話していたから、終わるのを待っていたんだよ]
[そうだったんですね。すみません、お待たせしてしまって]
[いいよ。この戦いが終わったら、メイーファに何を貰ったのか聞くのを楽しみにしておくよ。さあ、みんなのところへ行こう]
[[了解!]]
俺たちは集合場所に集まった。そこでインザクさんが声を張り上げる。
[それじゃあ、黎極黒虹翼龍オードラレックの討伐に向けて出発だ!]
[[[[[オオオオオオォォォォォォォォォ!!]]]]]
俺たちは決戦の地、グラディア山岳に向けて出発した。
数時間後、俺たちは山岳地帯の入り口に到着した。
[ここからは【月乃轟璃雷】と【炎國乃黎闘翠】、そして俺たち【光冥乃氷輪】の三手に分かれて行動する。トレンとリョウは俺たちと一緒だ。よし、作戦開始だ!!]
[[[[[了解!!]]]]]
各ギルドが別れて行動を開始する。
だが、道中の敵は【光冥乃氷輪】のメンバーたちが瞬殺していった。
――俺たち、絶対に要らないよね!?
明らかに必要ないやんか~~~~~~~~い!!
俺はまたしても心の中で叫んでいた。
入り口から数時間進み、中間地点にあたる草原に着いた。ここは、以前黒炎翼ラウザーバードと戦った因縁の場所だ。
[……【捜査】]
俺は小さな声でスキルを発動させ、周辺を警戒した。次の瞬間、ナイトディランが鋭く吠えた!
[ワォォォン!!!]
[来るぞ! 敵襲だ、警戒しろ!!]
[了解っす! ……ちっ! トレンさん、上から来るっす! 全員回避!!]
俺たちと【光冥乃氷輪】のメンバーは間一髪で飛び退いた。だが、土煙の向こうから現れた敵を見て、全員が言葉を失った。
[嘘でしょ……洞窟にいるはずが、なぜここに……]
[なんでここにいるんだよ!! 黎極黒虹翼龍オードラレック!!]
[ちっ、マジかよ! インザク!!]
[ああ、やるしかない! トレン、リョウ、アイツが――黎極黒虹翼龍オードラレックだ!]
[あれが……黎極……黒虹翼龍……オードラレック……]
[マジっすか!?]
オードラレックが天を突くような咆哮を上げた。
[ギジャァォォォォォォォォォォォォォ!!]
[!! みんな後ろに下がれ! 急げ!!]
インザクさんの指示で後退した直後、オードラレックの嘴から漆黒の炎が放たれた。黒炎砲だ。その凄まじい熱量により、一瞬で草原が焼け焦げていく。
[マジかよ。一撃でこの威力か……]
[マジっすか!!]
[しかも、攻撃のせいで俺たちと【光冥乃氷輪】のメンバーが二手に分断されちまったな。……だがな、これ以上好き勝手に周りを破壊させるわけにはいかないぞ!!]
[トレンさん、やりましょう! みんなで!]
[ああ、いくぞ! リョウ、エアネス、ナイトディラン、ヴィーシュ、ヴェイルガー、ペルナギ、サクメ! 討伐開始だ!!]
[了解っす!]
[ハイ!]
[ワォン!]
[クワァ!]
[クヴァ!]
[[……コク(頷く)]]
俺たちは、黎極黒虹翼龍オードラレックへと立ち向かった。
この時の俺たちは、この後に待ち受ける戦いがどれほど壮絶なものになるか、まだ知る由もなかったのである。
黎極黒虹翼龍オードラレック編をお送り致しました。
次回もお楽しみに
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