EPISODE.53話〘極限の死闘! 絆の奥義と最強の援軍〙
ロックシーレガロゴーレム激闘編
前編です。
俺とエアネス、ヴィーシュ、ペルナギは、ロックシーレガロゴーレムに大ダメージを与えることよりも、少しずつ気付かれないように出口付近まで下がっていた。
戦いを開始してから、まだ三割のダメージしか与えられていない。
ボスの回避能力と攻撃力は、想像以上に厄介だった。
[結構、厄介な奴だぜ全くよ!]
俺が思考を巡らせた、その瞬間。
巨大な岩石が空気を裂きながら襲い掛かってきた。
[風圧壁!]
エアネスが咄嗟に展開した風の障壁が、岩石を弾き飛ばす。
[済まない、エアネス助かったよ。さて、防御魔法をかけるぞ! エアネス、ヴィーシュ、ペルナギ]
俺は深く息を吸い込み、守護の詠唱を紡ぐ。
[我が名はトレン、汝に大いなる守護神を、我らに加護を与えよ。ガードシールドフェィーズ!]
詠唱が発動した瞬間、淡い光が俺と従魔たちを包み込む。
防御力上昇・状態異常無効・カウンター防御攻撃が同時に付与された。
[さて、付与が切れるまで十分間。ある程度ダメージを与えながら下がるぞ! いくぞ!]
俺たちは再びゴーレムへと挑み続ける。
そして――
奴の体力が半分に達した、その瞬間。
[グァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!]
[来るぞ! 警戒!]
轟く咆哮と共に、切断されていたはずの両手両足が再生する。
だがその代償として、ボスの体力が一割削られていた。
さらに――
再生した両手両足が歪み、小型のロックシーレガロゴーレム四体へと分離していく。
[な……! 再生だと……さらに四体の小型ゴーレム……]
【鑑定】で確認したステータスは、本体と同等。
[小型のゴーレムが先だ。いくぞ!]
俺が踏み込んだ瞬間、小型ゴーレム四体は従魔たちへと一斉に襲い掛かった。
[ちっ! 【水圧壁】【風圧壁】【水防壁】【風防壁】!]
無詠唱で展開した四重の防壁。
だが、小型ゴーレムたちは止まらない。
激しい衝撃が連続して防壁に叩きつけられる。
その時――
[が……はっ!]
本体のゴーレムが横から殴りつけ、俺の身体を吹き飛ばした。
岩壁へと叩きつけられ、肺の空気が一気に押し出される。
[く……今助けるぞ! ゴッフ!!]
立ち上がろうとした瞬間、さらに追撃。
視界が揺れ、身体が軋む。
従魔たちの防壁も、じわじわと削られていく。
――守らないと。
その一念だけで、俺は身体を動かしていた。
小型ゴーレムが防壁を破壊する。
従魔たちも反撃しているが、押し切れない。
エアネスの体勢が崩れ、小型ゴーレムの一撃が振り下ろされる――
その瞬間。
一体のゴーレムが、岩壁へと弾き飛ばされた。
満身創痍の俺が、割り込んだのだ。
俺はそのまま、小型ゴーレムたちを次々と弾き飛ばしていく。
そして――
従魔たちの無事を確認した、その瞬間。
何かが、完全に切れた。
(流石に切れたぜ……! 従魔たちを先に殺ろうとはよ……。許さねぇぞォォォォォォ!!)
俺は小型ゴーレム四体を逃がさないよう、【水圧壁】【風圧壁】【水防壁】【風防壁】で封じ込めた。
[てめぇらはこれを喰らいな!]
奥義の詠唱を開始する。
[我が名はトレン、汝に命ずる。我の生命を授け、汝の加護を我らに力を与え、そして、光輝く聖なる光を我に捧げよ! 奥義! 【ホーリーエクストリームレイン】!!]
無数の光線が小型ゴーレムを貫く。
俺は封印を解除した。
回避しようとするゴーレムたちだったが、間に合わない。
光の奔流に呑み込まれ、四体は完全に殲滅された。
だが――
俺も無事では済まなかった。
本体からの攻撃とダメージの蓄積で、その場に崩れ落ちる。
従魔たちは心配そうに俺の元へ駆け寄ってきた。
[……ゴッフっ!! だ……大丈夫だ。それより……早く……脱出を……]
だが、誰も離れない。
エアネスとペルナギが俺の腕を担ぎ、無理やり立たせる。
[……よ……よせ……殺られるぞ。お前たち……だけでも……逃げろ……]
[クヴァァァァァァァァァァァァァァァァァ!]
ヴィーシュが叫び、高速で飛び上がる。
その瞬間、無数の竜巻が周囲に発生した。
[ヴィーシュのスキル【トルネードバード】です! 少しでも早く脱出するために時間を稼いでいます。急ぎますね!]
エアネスの声が響く。
竜巻は壁となり、内部から【羽刺】が雨のように放たれる。
ゴーレムの動きを強引に封じる時間稼ぎだ。
ヴィーシュはすぐに戻り、俺たちはそのまま出口へと向かった。
そして――
ついに洞窟の外へ脱出する。
だが次の瞬間。
ロックシーレガロゴーレムが洞窟を突き破り、外へと姿を現した。
俺は咄嗟に従魔たちを庇い、その一撃を受け止める。
[がっ……は……]
岩壁へと叩きつけられ、身体が沈み込む。
それでも――
リョウとの約束が頭をよぎる。
絶対に、脱出する。
[ちっ……チクショウォォォォォォォォォォォォ!!]
その叫びと同時に――
ゴーレムの巨体が、爆音と共に吹き飛ばされた。
[……よう耐えたな、トレンよ。酷い怪我だ。シーラレイ! 回復を頼む]
[ハイ! 我が名はシーラレイ、汝に命ずる。聖なる光の加護を、護りし癒しの空間に捧げよ。ホーリーヒール!]
光が俺を包み込む。
視界の先には――
最強ギルド【炎國乃黎闘翠】の姿があった。
[リョウから事情を聞いたよ。脱出に苦戦してるって聞いて急いで駆けつけたんだ。何とか間に合って良かった。なぁ、リョウ!]
振り返ると、そこにリョウがいた。
[済ま……ない……逃げ遅れたが……何とか脱出したけど……この有り様だよ]
[喋らなくていいっすよ! エアネスから事情を聞いたから、今は回復に専念っすよ!]
[まぁ、ゴーレムが洞窟から出てくれたのは幸いだよ。なぁ皆!]
[そうだね。洞窟の中なら俺たちも同じ状況だったかも。後は任せな、シーラレイの回復を受けててくれ]
[ミゴ高原峠のエリアボスがここにいるのは異常だけどね]
[確かに。でもトレンが六割まで削ってる。あとは数回、異常攻撃が来るはずだ]
レガクロスが武器を構える。
[シーラレイ、俺たちにバフを頼む!]
[【プロテクシールド】【アタックパワー】【ウィンドガン】!]
[じゃあ……ロックシーレガロゴーレムの殲滅を開始する!!]
[[[[了解!!!!]]]]
最強ギルド【炎國乃黎闘翠】と、怒れるゴーレムの決戦が幕を開けた。
次回、中編をお送り致します。
夕方に投稿します(`・ω・´)ゞ
お楽しみに
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様
本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ




